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いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜  作者: 傘音 ツヅル
いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜
96/112

(96)#女王奪還作戦⑧

「《バーストスラッシュ》」


 落下してきたロベルトさんが、佐藤さんを拘束していた魔族を斬って倒した。


「な、いつのまに」


 さっまで余裕だったリーダー魔族は、さすがに動揺していた。


「ナイスタイミングだろ」

「さすがです」


 ドヤ顔で言ってきたロベルトさんに、俺も親指でグッドサインを出した。


「後藤さんもいい仕事です」

「ありがとうございます」


 魔法でロベルトさんを上空に飛ばした後藤さんにも、グッドサインを送った。


「形勢逆転だな」

「フフフ」

「何がおかしい」

「いえ、滑稽だなと思っただけですよ」


 手駒が無くなったはずなのに、リーダー魔族は余裕な様子で笑っている。


「は、離れて」

「えっ?」


 女王様が意識を取り戻し、か細い声で俺に話し掛けてきた。


「隣だ」


 セーラに言われ隣を見ると、俺の腹に片手剣が刺さっていた。


「グフッ」


 突然の出来事に、俺は思わず片膝をついてしまう。


「何で?」


 痛みを堪えて俺は佐藤さんに問い掛けた。


「ハハハ」


 さっきまで疲弊していたはずの佐藤さんは、魔女のように高笑いを上げる。


「決まっているじゃない。私が裏切り者だからよ」


 そう話しながら佐藤はリーダー魔族の隣へと移動した。


「姐さん、どういうことだよ」


 さすがの水上も、動揺した様子で佐藤に問い掛けた。


「裏切り者だからだよ」

「何で裏切ったかだよ」


 水上はらしくない態度で怒鳴る。


「ピーピーうるさいね」


 ハァとため息をつきながら佐藤は言った。


「何で何も言ってくれなかったんだよ」


 水上は今にも泣きそうな声で問い掛ける。


「一回寝ただけで男面かい」

「俺は姐さんのことを」

「そこの獣人」


 佐藤は水上の悲痛な声を無視してセーラへ話し掛けた。


「何だよ」


 セーラは佐藤を警戒しながら答える。


「大事そうに抱えているのをよこしな」


 クイクイと右手を手前に曲げ佐藤は言った。


「嫌だね」


 セーラは答えながら佐藤をキッと睨んだ。


「そういう態度なら」

「グァ」


 佐藤は微笑みながら、俺の肩に剣を突き刺した。


「ダン」

「だ、大丈夫だ」


 俺は痛みを堪え、セーラが飛び出すのを止めた。


「へぇ。さすが安木が認めるだけはあるね」

「それはどうも」


 俺は今にも気絶しそうになるのを我慢し、佐藤を見上げて皮肉を口にする。


「(凡田さん、シールドを張ってください)」

「《シールド》」


 テレパシーで指示を受け、俺は咄嗟に魔法で自分を囲んだ。


「《ツインマグナムショット》」


 気づくと俺がシールドを張るのと同時に、佐藤の肩が見事に撃ち抜かれていた。

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