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いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜  作者: 傘音 ツヅル
いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜
68/112

(68)#取材④

「ごちそうさまでした。セーラさん、美味しかったわ」


 見た目からは想像出来ない量を平らげた藤さんは、上品に口元を拭き、セーラに笑顔で感謝を述べた。


「そ、そうか?なら良かったよ」


 嬉しさを隠しきれないセーラは、ちょっと照れくさそうに返事をした。


「よし、行きますか」


 俺はセーラの機嫌が良くなったいい流れを止めないように、いつもよりテンション高めに声を出した。



「そろそろボスクラスのモンスターが出てくる頃なんですけど」


 俺は魔力の反応をスマホで確認後しながら言った。

 

「ボスは何体いるんですか?」


 少し距離を取った状態で藤さんが質問をしてきた。

 

「1度倒すとしばらくは出てきませんけど、しばらくすると新しい奴がボスになります」

「動物の群れのようにですか?」

「そんな感じですね」


 普段は自撮り君が透明化したり、死角に隠れているので、やはり撮影されながら質問されるとかしこまってしまう。


「来るぞ」


 先行していたセーラがボスを察知して俺達に向かって叫んだ。

 

「グォォォオオ」


 豚が人型になったモンスターが、雄叫びを上げながらこちらに突進してきていた。


「隠れていてください」

「わかりました」


 安木さんに警護されながら、藤さん達は物陰まで後退して行った。


「ダン、援護して」

「わかった。《スピードライズ》」


 走り出したセーラに向けて言われるのと同時に俺は強化魔法を唱えた。


「《バーニングキック》」


 倍の速度で走って行ったセーラは、燃えているように赤くなった右足で豚型モンスターの腹を貫通して見えなくなった。


「・・・・・・」


 呻き声も出せず、豚型モンスターはドスンという大きな音を立てて倒れた。


「怪我はしてないか?って、くさ」


 返り血で真っ赤になったセーラの側に駆け寄ると、鼻がもげるような臭いに思わず叫んでしまった。


「うぇっ。ダン、洗ってくれよ。気持ち悪いったらありゃしない」

「わかった。《ウォーター》」


 俺は鼻をつまみながら、魔法でセーラについた返り血を洗い流した。


「サンキュー。あースッキリした」


 びっしょりに濡れていたが、気持ち良さそうにセーラはお礼を言った。


「キャァアア」


 悲鳴が聞こえ振り向くと、小型の豚型モンスターが藤さんを襲おうとしていた。


「しまった」


 ボスを倒して完全に油断していた俺は、慌てて走る態勢をとった。

 

「《ツインマグナムショット》」

「ギャアアア」


 走り出そうとした瞬間、魔力を込めた銃弾で安木さんが魔物を撃ち抜いていた。

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