(6)#相棒?
『自撮りで困っているあなた様へ』
「コワっ」
盗聴していたかのようなタイミングで運営から案内のメールがきた。
『旅の仲間がいない方も安心。お手軽自撮り君が半額ポイントでGETできます』
「自撮り君?」
聴き慣れないワードに思わず頭に?が浮かぶ。
『このアイテムがあれば、あなたの冒険の決定的瞬間をアップすることが出来ます』
「今なら通常1000ポイントが500ポイントで買えるのか」
いいねを大量にもらい余裕が出ていたので、思い切って買ってみることにした。
「ウワッ」
購入ボタンを押した瞬間、ボンという音がしてマンガみたいな煙が目の前に広がった。
「えっ、何?誰かいるのか?」
「ドウモハジメマシテ。自撮り君デス」
煙の中から出てきた小型のロボットらしきものが機械感ありありの音声で話し掛けてきた。
「よ、よろしく」
俺は機械相手に戸惑いつつお辞儀をした。
「デハ早速ですが、どういった写真をお望みデスカ?」
「普通に全身を撮ってもらえれば」
「カシコマリマシタ」
パシャ、パシャパシャ、パシャ、パシャ。
返事をした自撮り君は軽快なシャッター音をさせながら写真を撮り始めた。
「マスター、こんな感じでドウデスカ?」
「おお、いいじゃん」
自撮り君が撮った写真に映る俺は元の世界にいた頃とは別人のように凛々しい姿をしていた。
「デハ、アップしてよろしいですか?」
「頼む」
自撮り君は俺が作っておいた文章に画像を添付してツイートした。