表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜  作者: 傘音 ツヅル
いいねでレベルアップ!〜異世界冒険記〜
31/112

(31)#彼女が出来ました

 ダリアからもらった地図の場所は大きな木がそびえ立つ自然豊かな墓地だった。


「セーラ」


 俺は小さい石碑の前で体育座りをしていたセーラに声を掛ける。


「何だよ。女たらし」


 ちょっと落ち着いたようだったが、まだ怒っている様子のセーラは石碑を見つめたまま返事をした。


「隣、座るぞ」


 ちょっと距離を空け、俺はあぐらをかいて座った。


「まず、俺が好きなのはお前だけだ」

「・・・・・・」


 直球の言葉にもセーラは黙ったまま聞いている。


「次に、あの写真はいいねの為に協力してもらっただけで俺の趣味じゃない」

「・・・・・・」


 セーラは黙ったままだが、俺はかまわず話を続けた。


「確かにベロニカさんはキレイだ」

「開き直りかよ」


 怒っていてもツッコミはするんだなと思ったが、俺はそのまま話を進めた。


「そこら辺の男と同じで美人は好きだ」

「何が言いたいんだよ」


 自分でもグダグダだと感じつつ、膝立ちして無理矢理セーラを抱きしめる。


「バカ、離せよ」

「離さない」


 バタバタするセーラをさらに力強く抱きしめる。


「お前の両親が見ている前で誓うよ」


 俺の熱に押されて観念したのか、セーラは抵抗するのをやめて黙っていた。


「セーラ、愛してる」


 元の世界にいたときは、こんなキザなセリフを自分が言うことになるとは考えもしなかった。


「わ、私も」

「え?何て?」


 恥ずかしそうにするセーラが可愛いかったので、俺はわざと訊き返した。


「だ、か、ら、愛してるって言ってるだろ」


 怒鳴ってはいたが、セーラの顔はすごく嬉しそうだ。


「じゃあ、撮るぞ」

「バカ、撮るなよ」


 俺は恥ずかしがるセーラを無視して自撮り君を呼び出して写真を撮った。


「彼女出来ましたっと」

「何やってるんだよ。やめろ、バカ」

「やめませーん」


 俺達は、側からみればバカップルのようにしばらく走り回っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ