(21)#王都に行くことになりました①
「そうですか。魔族が」
報告を聞いたギルマスは顎に手を当てて考え込んでいる。
「わかりました。この件は私から騎士団に報告しておきます」
「頼みます」
「それにしてもよく魔族を倒せましたね」
真剣な表情から笑顔になったギルマスは話を切り替えた。
「死ぬかと思いましたけどね」
俺もソファに背をつけてリラックスしながら答えた。
「異世界人の恩恵というやつですか」
「そうなんですかね」
ちなみにいいねでレベルが上がるのも恩恵らしい。
「じゃあ、僕はこれで失礼します」
「お疲れ様でした」
ギルマスと受付嬢に挨拶をして俺はギルドを出た。
「結界がなければ部屋に直接テレポート出来るんだけどな」
この世界では魔法での侵入を防ぐための結果が建物ごとにされている。
それがなければ便利ではあるが、セキュリティーはもちろんプライバシーを守る方が優先だ。
「じゃあ帰るか。テレポート」
宿屋に戻ると、セーラが珍しく中で店番をしていた。
「あれ?マスターは?」
「昼間にギックリ腰やらかして寝てる」
セーラは呆れた顔で説明した。
「そうか。異世界でもギックリ腰は共通の悩みなんだな」
マスターには悪いが、異世界でも同じことに少し気持ちが安らいだ。
「そういえばトールが心配してたけど」
「ああ。ダンジョンでいろいろあったからな」
「そうかい。大変だったね。飯はどうする?」
「悪い。軽くすませたから、もう寝るよ」
毎日ではないが、セーラがいるときは大体夕飯を一緒に食べていた。
「わかった。おやすみ」
「おやすみ」
ベッドに横になったら安心したのか、急に眠気が襲ってきて俺は爆睡し始めた。




