(18)#ダンジョン探索(フリーパーク)④
「確かに濃度が高いな」
アプリを使って魔法原石を計測したら、トールが言う通りいつもの倍以上の濃度が表示された。
「レベルは上がったけど、この濃度クラスが相手だとな」
今の俺には危険だが、いいねを多く獲得する為には多少のリスクは覚悟して先にいかないといけないだろう。
「男だろダン。しっかりしろ」
激しくなってくる鼓動を落ち着かせるように自分に言い聞かせる。
「な、何だ」
ビビーとスマホの警報が鳴りだしたので、慌てて画面を確認した。
モンスターが半径1キロ以内に近づいたら反応するように設定していたのだが、警報がなるのは危険度が高いときだ。
緊張のせいか、ボスの部屋らしき入口からドス黒いオーラが見える気がした。
「ビビってても仕方ないだろ」
またも独り言で自分を奮い立たせる。
「よし、行くか」
意を決して俺は扉を開いた。
「よく来たな、人間よ」
黒い鎧とマントを身にまとった全身ガイコツのモンスターが流暢に話し掛けてきた。
「マジか」
予想以上にヤバイ状況に思わず心の声が出てしまう。
言語を喋るモンスターを魔族とこの世界では認識されていた。
知性だけでなく、強さもモンスターより数段上になる。
「魔族が出るなんて聞いてないぞトール」
いない人間に文句を言って気を紛らせつつ、どう切り抜けるか必死に頭を回転させる。
「覚悟はいいか」
座っていたガイコツ剣士はゆっくりと立ち上がった。
「ええい。やってやるよ」
俺は開き直って覚悟を決めた。