(16)#ダンジョン探索(フリーパーク)②
「おっ、結構持ってたな。《ストック》」
モンスターが持っていたアイテムが落ちていたので、俺は異空間の倉庫につながる穴を開いて収納した。
この世界では、モンスターが強くなる為にいろんなアイテムを体内に持っているらしく、倒すとそれが出てくるのだ。
「ラッキー、金もあるじゃん。帰ったら換金するか」
俺はいそいそと拾い、金もストックで収納した。
いいねのポイントにはならないが、こちらの世界の通貨やアイテムも使っていいと言われたので、モンスターを倒して稼ぐようになっていた。
「ええと、先に広い場所がありそうだな」
現在地から測定して即席の地図を作ってくれるアプリをダウンロードしていたので、俺はそれを確認しつつダンジョンを探索していた。
「よし。昼飯にするか。『ホーリーバリア』」
俺は出入り口に結果を張ってから床に座った。
「いただきます。自撮り君、この前の続きをお願い」
「リョウカイシマシタ」
自撮り君は壁に向かってプロジェクターのように画面を映し始めた。
「いやーこっちの世界でもこの番組が観れて良かった」
自撮り君の追加機能に配信アプリがあったのを見つけた俺は、節約した分を使って楽しんでいた。
こういうのを無駄遣いと言われるだろうが、娯楽があってこそ人間は頑張れるというものだ。
「え、嘘だろ。こいつが犯人だったのか」
俺はお気に入りのドラマの展開に驚きつつ、昼食を楽しんだ。