(15)#ダンジョン探索(フリーパーク)①
「おっと、探索前にセットしないと」
俺はスマホで自撮り君を呼び出した。
「お待たせイタシマシタご主人様」
「やあ。今日も頼むよ」
「ハイ。マカセテクダサイ」
この数日、俺とモンスターとの戦闘を自撮り君に撮ってもらったのをアップしてはいいねを獲得していた。
「じゃあ、気を取り直して行くぞ」
「ハイ、マスター」
自撮り君は返事をしながら敬礼をした。
「《テレポート》」
俺が呪文を唱えると、一瞬で前回攻略した場所に空間移動した。
ちなみにポイントでスキル強化したので魔法の詠唱を省略することが出来るようになっていた。
「ウゥゥゥ」
着いて早々、ゴーレムに似た石像モンスターが現れた。
確か名前はゴーガだったか。
「よし、録画開始」
「ハイ、録画カイシシマス」
モンスターとのバトルはいいねを獲得しやすいとわかってからはダンジョンに来る度にアップしていた。
「こいつは前にも勝ってるからな。違う方法でやっつけないと」
「ガァー」
「あぶな」
石像モンスターは、持っている棍棒を思い切り叩きつけてきた。
「よし、これでいくか」
方法を思いついた俺は少し距離を取った。
「《アイス》」
俺はゴーガの両足を氷呪文で凍らせた。
「グゥゥゥ」
ゴーガは呻き声を上げながらジタバタしている。
「おーし。覚えたての呪文をくらえ。《ショット》」
指先から放たれた光線が腹部に命中し、ゴーガは木っ端微塵に爆発した。
「ゴホゴホ。録画終了。ゴホ。ちゃんと撮れたか?」
「バッチリです」
「データはクラウドに保存しといて。帰って編集する」
「リョウカイシマシタ」