第三十六話 『背負え仲間の思い 勝つのは俺達だ!』
「次は……貴様だ、リサ!」
着地した俺達に向かってフォーシールは狙いを定めると、リサに向かって突撃した!
「ごるでぃなのあれをリサにする気か……やらせるか! 龍光斬り!」
俺は龍光斬りを使い、走りだし、リサの前に来るとそのまま刀をフォーシール目がけて降り下ろした! 俺の振り下ろした刀は奴の肩を切りつけた、だが……
「ふっ、貴様ならリサを助けると読んでいた。くらえ超光正義の閃光!!」
不味い! 俺はフォーシールの体全身から放たれた光の魔力に飲まれ、後方に大きく弾き飛ばされた!
「ター君!?」
吹き飛ばされた俺の傍に駆け寄るリサ、するとリサの背後にフォーシールが立った。
「回復なんぞさせん!」
フォーシールは叫ぶと、魔力を集め始めた!
「避けろリサ!」
俺は刀を握ると上体を起こし、魔力を流した。そして、突くタイプのオロチを出そうとしたその時、フォーシールの体が大きく吹き飛んだ!!
「お前の相手は俺がしてやる!!リサ、武久連れて離れてろ!!」
貴明はそう言い、右手に持っていた小瓶を収納した。
「回復したか……だがしたところで……どうにかなると思っているのか! 超光正義の鉄拳!!」
「なめるなよ! お前がごるでぃなみたいに気持ちで力を上げるならこっちだって、同じなんだよ! カイゼル・ナックル!!」
フォーシールは光り輝く拳を、貴明は炎を纏った拳を突き出した、二人の放った拳は互いにぶつかり合うと眩い光を放った!
「ぐぅぅぅ、確かに俺はごるでぃなの魔力で感情を昂らせ力を上げるが……まさか、カイゼルと一体化しているとは言え人間である貴様も同じことができるとは……だがな……これはどうする! 超光正義の大行進!!」
「なめるなよ。負けてたまるか……カイゼル・ラァァァァァッシュ!!」
貴明は声を荒げると、連続で拳を突き出すフォーシールに合わせ、貴明自身も拳を連続で突き出し始めた!!
「うおっ! お前な! 場所考えろ!」
二人の拳が激突した瞬間、物凄い衝撃波が発生し、俺達は大きく吹き飛ばされた。
「い、今の内に回復を……」
二人の様子を見ながらリサは俺に手を翳す、回復魔力の光が俺を包み、俺は完全とは言えないにしろ、六象光輪斬を撃てる程度には回復できた。
「霊薬を使ってもいいんだけど、此処からどうなるか分からないからね……」
「よし、貴明が引きつけてくれている間に六象光輪斬を溜めるんだ!」
卓也が剣を杖代わりにしながら俺達の傍に近寄る、鎧が解けていることから、魔力が元に戻ったようにも感じるが……。
「お前大丈夫か?」
「ヤバそうだったから……全魔力集中させて防御したせいで、力使い切ってしまった……ここは貴明に任せるしかない……」
卓也はそう言って苦笑いをする。
「よしじゃあ、あいつがスキをついてくれている間に、一発デカいのかますか……」
俺はそう言い立ち上がると、刀を構え、フォーシールを睨んだ。すると貴明が俺達の影響を考えたのか、俺達から距離を取りながら戦っていた。
「よし、行くぞ!」
俺は自分に気合を入れ、魔力を流し、刃先に魔力を集め始めた、その時!
「超光氷結爆激拳!!」
「カイゼル・インフェルノォッ!!」
貴明とフォーシールの声が響くと、物凄い轟音が響いた!!
「グほあっ!」
そして、貴明が俺達の正面に落下するように突っ込んできた!
「お前大丈夫か⁉」
卓也が貴明に向かって声を掛けると、貴明は腹部を抑え肩で息をしながらゆっくりと立ち上がった。
「なんとかな……だが、結構ヤバい……、もう時間を稼げないぞ……武久まだかかるか? こっちもダメージ覚悟でぶん殴ったからしばらくは動けんだろうが……まだ動けるぞあの野郎……」
そう言って正面を見る貴明、二人の攻撃の余波により立ち込める煙なのか炎と氷がぶつかり合ったときに発生した蒸気なのか分からないが、その向こうで膝を地面につけている影があった。
「あれはもはや執念ね……私達に勝つという気持ち以外の何かを感じるわ……」
「奴が動き出したら不味いが、今のままじゃ倒しきれん……もうちょい、体感で二分弱はかかるぞ」
「その二分でもう一話使われるわけにはいかんからな……こうするしかない!」
卓也はそう言うと、俺の握る刀の柄を握った。すると奴の魔力が刃先に流れた。
「あいつが仲間の力を使うって言うなら、こっちも同じことをするだけだ! 六象光輪斬って言う技になるかは知らんが使え!」
「そうね、私も六象光輪斬の魔力を溜めるよりそっちの方が早いわ!」
リサもそう言って俺の右手を両手で包むと彼女の魔力を流した!
「これで決めろよ!」
そして貴明は手を添える様に刃先に触れると魔力を流した! 俺が途中まで溜めていた魔力と三人の魔力が合わさり、刃先は六象光輪斬……とまではいかないが、それに近い光を放った。
「よし行くぞ!」
俺は刀を両手で握ると、立ち上がろうとしているフォーシールに接近した!
「その程度の力で俺を倒せるつもりか? 先ほど使った技より弱いぞ!」
「お前が仲間の力を使うってことだから、こっちも真似をするだけだ!!」
「! なるほど……ならばお前たちの力と俺達の力どっちが強いか勝負だ……ぬおぉぉ、全身全霊の……コキュートスだ!!」
フォーシールは叫ぶと、右腕を勢いよく突き出してきた! 俺も刀を上段に構えると六象光輪斬を放つイメージで刀を振るった!!
俺の刀からはリサ、卓也、貴明そして六象光輪斬を途中まで溜めた俺の魔力の混ざった斬撃が放たれ、フォーシールの右腕からは色が禍々しい物へと変質した虹の光が放たれた!!
そして、俺達の放つ一撃は体重が完全に乗っていない、中途半端な位置で互いにぶつかり合うと、眩い光を上げながら、刃と拳で鍔迫り合いのようになった!!
「グぬおぉぉぉぉぉぉぉッ!!どうした? あの技であれば俺の拳を斬り飛ばせているはず、大したことないようだなぁ!!」
「なめるなよぉ……でいりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
俺は声を荒げると、そのまま力を込め刀を振りろした、すると、爆発したように魔力が弾け、フォーシールの右腕ごと奴の体を弾き飛ばした!
「ぐぬぁ!!」
「いまだ! うおりゃぁぁぁぁぁ!!」
身体を斬り裂かれ体勢を大きく崩すフォーシールのがら空きになった脇腹に向かって刀をもう一度、力を込めて振り下ろした!
刃先から、リサ、卓也、貴明。そして俺の魔力が一つとなった光の斬撃がフォーシールに命中し、奴の体を斬り裂いた! だが……。
「何!?」
「なめるな……こんなところで俺はやられんぞぉぉぉ!!」
フォーシールは叫ぶと、奴の右腕が発光し始める。ちぃ、ならば今度は俺達の魔力でオロチを放ってやる! そう思い俺は刀を返し、真下から刀を振り上げた、その時!
「なん……だとぉ?」
俺の振るった刀は拳を振り下ろそうとしていたフォーシールの腹に命中、しかし、その瞬間、甲高い金属音を上げながら、俺の刀の刃先は勢いよく宙を舞った……このタイミングで折れやがったのだ……。
「はっはっは、残念だったな。だが、俺の勝だ!!」
不味い! 俺は奴から距離を置こうと後ろ脚に体重をかけるがとっさの事で、しりもちをついてしまった。
あいつの拳が来る……そう思い俺は、土の魔力を体に流し防御の姿勢を取った、その時!
「残念なのはお前の方だ! まだ俺が残っているぞ!!カイゼル・パンチ!」
貴明の声が響くと、貴明は真上から急降下するようにして燃え上る左腕をフォーシールの顔面目掛けて突き出した!!
「ぐはあっ!」
貴明の炎の拳を受けたフォーシールは声を荒げながら大きく吹き飛び地面を転がるが、ゆっくりと立ち上がった……だが
「カイゼル・キック!!」
貴明は追い打ちとばかりに飛び上がると、態勢を整えきれてないフォーシールの身体、胸の中心部目掛けて金色に光り輝く炎の蹴りを食らわせた!!
「がはあっ!!」
貴明の蹴りを受けたフォーシールは殴られた時よりも大きく吹き飛ぶとそのまま地面に身体を打ち付け、二、三度バウンドするとそのまま転がると、ピタリと動きを止めた。
「カ、勝った……のか?」
「まだ同調している人と分離していない……でも……たぶん……動けないはず……」
俺達の傍に近寄りながらリサは、呟くように言った。
「ター君の刀が折れとるからな……これ以上、戦闘続行は厳しいぞ……」
卓也はそう言うと、霊薬の口を絞めながら言った……って
「ター君言うな!」
俺は立ち上がりながら卓也の持つ霊薬の小瓶をしゃくる様に取ると栓を開け、先端に口を付けないように一滴だけ口の中に落とすとそれを飲み込んだ。
「あ、てめぇ、俺の……」
「うるせぇ、お前が悪い」
俺はそう言って卓也に線をした小瓶を投げ渡す様にして返した。
「でも、卓也の言う通りやぞ、あいつが倒せている、倒せていないに関係なくこれからその状態でどう戦うんや? 素手で行けるんか?」
貴明はそう言いながら自分の霊薬を飲んでいた。そう言われると反応に困るが……。
「皆、談笑はあと! 構えて、フォーシールは立ち上がるよ!!」
リサの言葉に貴明と卓也は霊薬を収納しながらフォーシールを睨み、俺もフォーシールの方を向いた。すると、ゆっくりとフォーシールが立ち上がっていた。
「でもなんか様子が変……なんていうの? 弱くなっている……?」
リサはそう言いつつも土姫を構えていた。すると、フォーシールがこちらを見た。
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