第二十九話 『倒せ! ヴィケーノ操る機械人形』
「アーミー・ドール? なんぞそれ?」
「さっき話した、魔導プラントから登場する近代兵器を使える、マネキンや」
「気を付けろ、アサルトライフルやらロケランやら、ビームソードまで使ってくる何でもありのロボットや……」
貴明と俺の言葉に卓也はまずいと思ったのか、剣を両手で握る。するとだ、目の前に立つ複数のアーミー・ドールすべてが右手に持った銃を……サブマシンガンの銃口を俺達に向けてきた。
「やっぱりか⁉」
卓也は武器を構えながら言う。その時、アーミー・ドールは引き金に掛けた指をゆっくりと引き、銃口から無数の銃弾が放たれた!!
俺達はそれを防御しようと構えるが、突然俺達の正面に巨大な円形状の盾が現れ、弾丸をすべて防いだ!
「防御は任せて、だからみんなはアーミー・ドールを!!」
魔導書を左手に構え右手を突き出したリサは叫ぶ。俺達は頷くと、飛び上がりたてを飛び越えた!
「ツイン・ギャラクシーライトニング!!」
「カイゼル・ビーム!!」
「風迅大爆斬!!」
そして卓也は、稲妻の迸る二本の剣を、腕を開くように真横に振り、刃先から二つの三日月状の斬撃を放ち、貴明は両の瞳から熱線を放った!!
そして俺は刀を大きく振り下ろし、刃先から塊のようになった風の斬撃を放った!!俺達の繰り出した技は、アーミー・ドールに命中した!
俺達の技を受けたアーミー・ドールは粉々の残骸になりながら炎上、床に落ちて行った。
「まぁざっとこんなもんやな……」
俺はそう言い、刀を鞘に納めようとした、その時だ、何処からともなく何かを叩く乾いた音が響き、俺達は周囲を見渡した。
「流石ね、強化していたとはいえアーミー・ドール程度じゃ相手にならないか……」
すると、燃え上る炎を割くように、俺達に向かって手を叩きながらヴィケーノが現れた。
「実に忌々しいわね、私が託されていた力を克服して、こうも簡単にコントロールできるなんて……」
ヴィケーノはそう言うと、俺達を、いや、なぜか分からんが卓也を睨み付けた。
「卓也……お前何した? あいつ完全にお前をロックオンしとるぞ……」
「知らんがな……」
貴明はヴィケーノを睨みながら卓也に向かって静かに言う、卓也は眉間にしわを寄せながら首を横に振った。
「じゃあ、たぶんデモン絡みでしょうね……まぁ、なんにせよ、向こうから来てくれたんだもの、このまま一気に倒しちゃいましょ」
リサはそう言い、鞭を右手に握る、俺達はリサの言葉に頷くと構えた。
「私が貴方より優秀だと言う事を今日ここで教えてあげるわ……」
ヴィケーノは語気を強め指を鳴らした! すると、今いる高場内全体が大きく揺れ始めた!
「くっ!」
「何かくる! 気を付けて!!」
俺達は、しっかりと踏ん張り態勢を維持しながらリサの言葉に頷くとヴィケーノを睨む、すると奴の背後から、巨大な手足がついた球体が現れると、その球体がゆっくりと開きヴィケーノはその中に乗り込んだ!?
「ロボじゃねぇか!!」
「オークエは此処までザ・ロボットみたいなんも出るんか!?」
「いや、こんなもんは出んぞ!?」
卓也の問いに俺は返事をすると、武器を力強く握り、ゆっくりと立ち上がる巨大ロボを睨む、するとヴィケーノの高笑いする声が聞こえた。
「驚いているようね! そう、これは私がこの世界に来て仕入れた知識をもとに作った兵器よ! 最もこっちの世界ではこういう兵器は架空のものとされている、でも私の技術があれば架空を現実にする事が出来る! こんな風にね!!」
ヴィケーノがそう言うと、球体上のコックピットの左下が、ちょうど足とコックピットをつなぐ腰の部分にあたる部分のセンサーのような丸型の何かが赤く輝いた!
「まずい!!」
俺が叫ぶと、全員が散り散りに飛んだ。すると、奴のセンサーから一筋の光が、所謂ビームが放たれ、それは工場の外壁を貫いた!!
「虚無のエネルギーを圧縮した熱魔法……ちがう、魔法とは全く違う熱を持った光……ね……これがビームって奴?」
「あの細さでこの威力か……あんなもんポンポン出されたら面倒やな……」
俺の傍に立つリサは、触れてもないのにその熱で大きく抉れた床を見ながらつぶやき、俺もその威力に声を漏らした。
「どう? 驚いたでしょ。虚無のエネルギーさえあれば、こんなことまで簡単なのよ! さっきのは小手調べ……今度は最大出力でお見舞いしてあげる‼」
ヴィケーノが高笑いするとビームが出たセンサーのような所に光が灯り始めた、チャージしているようだが、それがスキだ!!
「発射する前の溜めに時間がかかるみたいね、行くわよ!皆!!」
リサの言葉に俺達は頷くと、武器に魔力を込めヴィケーノに接近、そして
「ロック・エッジ!!」
「地昇斬!!」
「ダブルサンダー・ブレード!!」
「カイゼル・パァァァンチィツ!!」
リサは魔力を込めた鞭を振り下ろし、俺は礫を纏う刀を真下から振り上げ、卓也は稲妻の迸る二本の剣を振り下ろし、貴明は両腕を前に突き出し、炎の拳を放った!!
俺達の放った攻撃はロボットに命中した! だが……。
「ちぃ!!」
「バリアかよ!!」
「はっはっは。残念だったわね! 障壁くらい貼れないと思っていたのかしら!?」
俺達の攻撃は奴が乗るロボットから発生した、緑色の光……バリアによって防がれた。ちぃ、面倒なことを……。
「でも、障壁魔法と光は同時に出せないみたいね、ほらせっかく溜めていたのに消えちゃったみたいよ」
俺達はリサの言葉につられるようにヴィケーノを見る、するとビームの発射口の光は消え失せていた。
「! 確かにそうだな……と、言う事は虚無のエネルギーの同時使用はできないと言う事か……」
「だったら!」
「バリアごと奴をぶっ壊すまでだ!!」
卓也と貴明はそう言うとヴィケーノに接近し、攻撃を繰り出そうと構える。俺とリサも二人に遅れる形でヴィケーノに近寄ろうとした、その時だ!!
「できるかしら? この兵器にはこんなものもついているのよ!!」
ヴィケーノが叫ぶと、ロボットの背面やコックピットの周りの装甲が開きそこから鉄の塊が……ミサイルが勢いよく飛び出した!!
「サーカスなんかやらせんぞ!!」
貴明はそう言うと足を止め、ミサイルを撃墜しようとしたのか、瞳が光り輝いた、その時!!
「カイゼルビィィってあれ?」
なんと全てのミサイルが、俺達を無視して卓也に向かって突っ込んだ! まさかの卓也狙いか!!
「面白い! だが……この程度!!」
卓也は足を止めると剣を床に突き刺すと、右腕を掲げた……あの技は!
「高々数発程度のミサイルで、俺を止められると思うな! 喰らえ……ライトニング・ブレイカー!!」
卓也が叫ぶと掲げた右腕に稲妻が落ちると五本の指を一本、一本をつたう様に稲妻が広がり、それらは勢いよく散らばり、卓也に迫るミサイル全てに命中! 粉々に破壊した!!
「ナイスだ!!」
貴明の声が聞こえた瞬間、貴明は全身に炎を纏わせると、一気にヴィケーノに接近した!! それも一瞬で、だ。
「なっ!」
「速い!!」
「いつの間に!?」
どうやったかは分からないが、貴明が炎を纏ったと俺が認識したらすでに、ロボットの前に行っていた。証拠に、俺だけではなく、リサも卓也も、そしてヴィケーノも驚いていた。
「不意打ち成功!!喰らえ! カイゼル・ナァァァックルゥ!!」
貴明は声を荒げると左手に炎が灯ると、それは一気に、拳を優に超える巨大な炎になり、オレンジの輝きを放った! そして、貴明は大きく勢いよく振りかぶる様に左腕を突き出した!!
良し! 貴明が急に現れたことによりヴィケーノはバリアを張れてない、決まりだ。俺はそう思い拳を握る、だが……
「ちぃぃ!!ピンポイント・バリアかよ!!」
「ぐぅ、何とか防げたが……物凄い力だね、左手に小型の障壁が貼れる装置を仕込んでいて良かったよ……」
ロボットは左手を前に突き出し貴明の拳を防ぐ、左手だけを纏うバリアが展開されていた面倒な。
「な、め、る、なぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
貴明が叫ぶと炎が荒々しくなりさらに、輝きが増しそれは金色も似た炎を纏った! するとロボットの体が後ろに下がり、奴の左肩にひびが入り始めた!!
「なんてパワーだ……だが、舐めるんじゃないよ!!」
ヴィケーノが叫ぶとロボットの右手が腕の中に納まると入れ替わる様に円錐状の武器が、オーソドックスなドリルが現れると勢いよく回転し始めた。不味い!
そう思った瞬間、ヴィケーノは右腕を貴明に向かって突き出した!!その時!
「馬鹿かお前は!!?」
「何を考えているの!!」
俺達は同時に叫ぶ、なぜなら貴明は左腕を突き出した状態で、右手の掌でロボットのドリルを受け止めていたからだ。しかも炎を纏わずにだ。
「はっはっは、面白いわね! そんなにお望みなら右手をぐちゃぐちゃにしてあげるわ!!」
「やれるものなら……やってみろぉ! カイゼル・パァァァンチィツ!!」
貴明が叫ぶと、炎の勢いが強くなる、するとロボットの左腕が勢いよく、音を立てて爆発、バリアごと左腕を破壊し、さらに炎の拳は飛び出しコックピットを殴り飛ばし。ロボットを吹き飛ばした!!
「い、今だ、三人とも!!」
ドリルが一気に抜け、血が噴き出す右手を抑えながら貴明が叫ぶ、このチャンスを無駄にはしない、俺達は床に倒れるロボに接近した。
「喰らいなさい、アース・バインド!!」
リサは鞭に魔力を込めると、勢いよく立ち上がろうとしているロボットに向かって放り投げた!!リサの放り投げた鞭はロボットにぶつかると光を放ち、拘束した!!
「今よ! 二人とも!!」
「よし行くぞ、ター君!!」
「ター君言うな!!」
俺は卓也に向かって叫ぶと刀に稲妻を纏わせると、両手で握った。
「喰らえい! 必殺パワー、ダブルサンダー・ブレェェェード!!」
「オロチ……雷刃一閃!!」
「邪悪を縛る魔力よ、今こそ弾けよ。アース・ブレイク!!」
リサが右腕を突き出しながら叫ぶと、ロボットの体が小さく爆発、それと同時に俺と卓也の放った稲妻の斬撃が命中! ロボットは勢いよく大爆発した!!
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