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【世界の英雄 賢者リサと青年ター君の冒険記】  作者: 罰t星人
第2部 ~異世界の賢者と共に俺達の世界を守り抜け~
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第二十八話 『目指すはヴィケーノ 進んだ先は工場!?』

「これで残りは二人……ヴィケーノとウォーシール……だけだね……」


 リサは俺達に近寄りながら言う、彼女の言葉に俺達は強く頷いた。


「さぁて、次はどこだ……といっても、お次は確実にヴィケーノだろうが……」


 卓也の言葉に俺達は頷く、すると突然リサがハッとした顔をして道具袋を漁るとそこから小瓶を取り出した。回復薬だ。


「卓也さんと貴明さんが強くなりすぎていて忘れていたけど、ここらへんで回復していた方が良いわ。今までの奴よりもあの二人は強いから」


 俺達はリサに促されるまま小瓶を受け取ると、それを口に含んだ、一口だけでもすごい効果量だ。


「すごい一口飲んだだけで、体が元気になったぞ……」


「ああ、これすごいな……でも、俺らが持っといていいのか?」


「ええ あ、でも待って。それは、特殊な瓶だから多少の衝撃じゃ割れたりはしないけど、邪魔になったらいけないから……」


 リサはそう言い、再び道具袋を探ると小さな紙を二枚、ちょうど千羽鶴を折る時に使われる折り紙のような大きさだ。


「これってまさか、収納魔法の奴か?」


「ええ、はい二人とも、その瓶をこの上に乗せて」


 リサはそう言い、屈むと弾力のある床に、紙を置いた。


「収納魔法? なんやそれ」


「あ、そうだよね二人は知らないよね、収納魔法って言うのは、その名の通り物質を収納する魔法なの、で、それをするためには魔法陣が書かれた特別な紙を使うの」


 リサは首を傾げながらも、リサが置いた紙の上に回復薬の小瓶を置く卓也と貴明に説明すると、急に紙が光り輝くと小瓶が紙の中に吸収されて行った。


「はい、今のでわかったでしょ? これが収納魔法よ、使いたいときは紙を取ってちょっと魔力を流したらすぐに解放されるからね」


 リサはそう言って、紙を渡すと卓也と貴明に渡した。卓也と貴明はそれを受け取ると、二人ともそれを折り卓也はズボンのポケットに、貴明はズボンのポケットからキーケースを取り出し、その中に入れた。


「よし、じゃあ行くぞ、次はヴィケーノ……しっかり借りは変えさせてもらう……」


 貴明はそう言うと、拳を強く握る。それを見た卓也も軽く笑った。


「よし行くか、リサ。どこを進んだらいい?」


「正面、本当に真っすぐの所……盛り上がっているあそこからヴィケーノの魔力を感じる……」


 リサの言葉に俺は正面を見る、すると後ろから何かが押しているような盛り上がり方を見せている、壁があった。


「あれをぶっ壊せばいいんか……」


 俺はそう言って刀をゆっくりと抜いた、その時! 壁の盛り上がりがどんどん大きくなっていった。


「まずい……何かくる!?構えて!!」


 リサはそう叫び、鞭を構える。すると、卓也と貴明も魔力を纏い、戦闘形態になった。すると、壁が勢いよく破壊されそこから、巨大な銀色の手が突っ込んできた!!


 そしてその左右の手は、瞬く間に卓也と貴明を掴むと、一気に後ろに下がった。


「まずい! ター君!!」


「おう!」


 リサの言葉に俺は飛び出すと刀に魔力を流しながら刀を真下に構えた。そして


「ロック・エッジ!!」


「地昇斬!!」


 リサが鞭を振り下ろすのと同じタイミングで、俺も刀を振り上げ、卓也と貴明を握り自分たちが飛び出た穴に下がる手を攻撃した!


 しかし、その下がる速度は速く、俺達の攻撃は貴明を握る左手をかすめるだけであったが、攻撃がかすった衝撃で、左手の指が開いた。


「…ナイス! ター君!?」


 貴明はそう言うと、振り返り左手を睨むと自分の左腕に炎を灯した。って


「ター君言うな!!」


 俺は貴明に向かって叫ぶが、貴明は左腕を突き出し、先ほどまで拘束していた左手を殴り飛ばし、その轟音に俺の叫び声はかき消された。


 貴明の殴った左手は卓也を握る右手に向かって吹き飛ぶと、互いに命中し勢いよく爆発した。


「あ、やべ……」


 床に着地した貴明は燃え上がる炎を見ながらつぶやく、すると、炎が切り裂かれそこから剣を握る卓也が現れた。


「良かった無事やったか……」


「あんなもんで、やられる俺じゃない……が、もうちょい考えて欲しかったな……」


「いや、すまんすまん。思いのほかあっちの方が早かったから足止めしたかったんや」


 貴明は目を細め、じっと見ている卓也に向かって手を合わせながら何度も謝る。まぁ、あの状況だと、貴明のやり方は最適ではあるな……。


「まぁいい…許しちゃろ。お前のお陰で穴がでかなったしな」


 卓也はそう言い振り返ると、俺達が進もうとしていた場所が、奇妙な両手が破壊し出来ていた穴がより大きくなっていた。


「おお、通りやすそうやな……」


 俺は穴に向かって近寄ると奥を覗く、俺達四人が横並びに歩いても十分歩けるほどの幅がそこにあった。


「そうだね、行きましょうか」


 リサの言葉に俺達は頷くと、そのままの状態で、ゆっくりと歩き出した。俺達は何があってもいいように周囲を警戒しながらだ。


 穴の奥は、薄暗い、洞窟のようなトンネルのような場所だった。今までとは違う不思議な感じ……そう思い進んでいると、突然、俺の隣にいたはずの卓也が足を止め、後ろから回り込むようにしてリサの横に立ち、俺とリサを貴明と卓也で挟むようにした。


「なんのマネや……」


「なにが?」


 俺は歩きながら。貴明に向かって低い声で言うが、貴明は目をぱちくりさせながら、頭から、はてなマークを浮かび上がらせてるような口調で俺の声に答えた。


 こいつ……いや、マジでわかってない顔や、ガチで偶然か……そう思い、俺は卓也を見ると卓也はにやにやしていた。こいつはワザとか……。


「どしたんや? 大好きなリサと隣になれてうれしいやろ?」


「おまえな……」


 卓也の言葉に俺は足を止め、軽くにらむとリサが急に俺の服の袖をつかんだ。


「もう、じゃれ合わないの。今はヴィケーノの所に行くのが先よ」


 リサはそう言い俺の顔を覗きこむ。その表情がまた可憐で俺はゆっくりと頷いた。あ~あつい……きっと、この暑さは、ニヤニヤしているアホ二人に対する怒りだ。決して照れているわけではない……。


「っと、どうやら出口やぞ」


 俺の放つ怒りに気が付いたのか誤魔化そうとしているのか分からないが、卓也は顎でしゃくる様に正面を指す、俺はそれにつられて、正面を見ると光が見えていた。


 俺達は互いに顔を見合わせると、武器を握り、一層周囲を警戒しながらゆっくりと光の刺す方に歩いて行く、そして光が晴れると俺達は広い空間に出ていた。


「なん……じゃこりゃ……」


「まるで工場やな……」


 貴明と卓也はそう言い、周囲を見渡す、卓也の言う通り、その空間の至る所にベルトコンベアやがあり、そこを流れる箱と、コンベア上に箱を乗せる巨大なクレーンがあった。


「ここ、魔導プラントに似てるね……」


 リサが静かに呟く、確かにそう言われればそうやな……。


「魔導プラント? なんやそれ」


「ああ、オークエやってない卓也は知らんか。魔導プラントって言うのはオークエの中盤に出てくる工場型のダンジョンや。急にロボットとか、ロケラン持ったゴブリンとか出てきてビビったな」


 貴明は卓也に向かって言うと最後に軽く笑う。


「え? オークエって中世ヨーロッパ風じゃないん?」


「オークエは、行く大陸事によって街並みが全然違うんや、江戸時代を模した国もあったら、エジプト神話みたいな世界観の国もある、一番発展しとる中央区は車走りよるけんな?」


「え? マジで?」


 オークエをやったことがない卓也に対し貴明は腕を組みながら説明する、その様子を見ているとリサが俺の服を掴んだ。


「なんで、貴明さん。あんなに詳しいの?」


「カ.カイゼルの記憶じゃないかな? ほら、結構主観入っているやろ?」


 まぁ、その主観は100%、貴明自身の感想やけどな……。


「二人とも、もうええやろ。さっさとヴィケーノのところ行くぞ」


 俺は卓也と貴明に声を掛ける、すると二人はゆっくりと俺の方を振り返り、返事をした。


「リサ、ヴィケーノはどこにいるか分かるか?」


 俺がリサに尋ねるよりも速く、リサは魔力を探る仕草をしていた。するとだ、突然部屋の空気が変わった。殺気だ……。


「どうやら向こうから来てくれたみたいやな……」


 貴明は拳を握りしめながら周囲を見渡す。俺達はゆっくりと頷くとお互いの武器をいつでも震えるようにしっかりと握った。


 すると、コンベアを流れる箱や、クレーンで吊られた箱が一気に開くとそこから人型のマネキンが複数飛び出してきた!


「こいつは!」


「アーミー・ドールかよ!!」


 その姿を見た俺と貴明の声がその場に響いた。

第二十八話 『目指すはヴィケーノ 進んだ先は工場!?』を読んでくださりありがとうございます。

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