第十八話 『拳の雨を掻い潜り、叩き込め!六つの閃光を!!』
「どうやら口だけではないようだな。だが、まだまだぁぁぁぁぁっ!!」
「この程度で終わる分けねぇだろ! 喰らえぇぇぇぇぇっ!!」
アリグムは、今度は拳だけではなく、蹴りも使い俺に無数に攻撃を繰り出す、俺も刀を奴の手や足の動きに合わせながら刀を振るった!
奴が右腕を突き出すなら真下から払う、次に左腕を真下から抉る様に振るうなら上段から刀を突き刺し、奴の左腕を切りつける。奴が左腕を引くと同時に右足を突き出すのなら俺は体を捻りながら奴の足を切り距離を詰めて切り進めた。
まさにラッシュの応酬だ、正直俺に無双がなかったからこの戦い方はできなかった! それにしても結構きついな!
奴の蹴りやパンチを弾くたびに衝撃が俺を襲う、やべぇ、一発一発は大したことはないが連続で受けると体に響きやがる!
「はっはっはっ!ここまで俺の猛攻を耐えられた人間はいないぞ!」
アリグムは笑いながら連続で血に染まる拳と脚を俺に突き出してくる。くそ、思う様にクリーンヒットしてねぇから速度が全然落ちねぇ! だったらこれでもくらえ!
「オロチ、多重斬り!!」
俺は刀を無限の字を描くように振る。刃先からオロチによる追加斬撃が飛び出し奴の体を切り裂いた!
「ぬっ!」
追加斬撃を受けた奴は、切られた個所を触ると一歩後ろに下がった。よし手ごたえあり
「追い打ちだ! 喰らえ、六象無双オロチ切り!!」
俺は全魔力を集中させると、一気に距離を詰め刀を真下から振り上げようとした。その時だ、アリグムは口角を上げていた。
「貴様らの相手は俺一人だが、俺の相手は貴様だけではないぞ?」
アリグムは右腕を大きく引きながら俺ではなく俺の後ろに視線を向けた。まさか!
「テメェまさかリサを!?」
俺は足を止めると、リサの方を振り向く。こいつ遠距離でリサを狙う気か⁉
「単純な男だな、貴様は……正義の鉄拳!!
「グボアッ!!」
や、やられた……リサを狙うと見せかけて俺の腹を殴りやがった……内臓が破裂したかと思ったぞ……。
「ター君大丈夫!?」
「来るな! 大丈夫だ! それよりも速く集中を!!それに、ただでは殴られんよ、俺も!」
俺に駆け寄ろうとしているリサに向かって、俺は倒れないよう踏ん張りながら叫んだ、いや正直、六属性の魔力を纏っていなかったらかなりヤバかった……。
てか、六属性の魔力を纏った上から殴られてこれだ……まぁ俺も、ただでは殴られんけどな!
「ぐぅ、殴られながらも反撃するとは……」
奴のくぐもった声が響き、俺はアリグムを睨んだ。
「ちぃ、胸を狙ったつもりだったんだがずれたか……」
左肩を抑えながら後ろに下がる奴を見て俺は舌打ちをする。殴られた瞬間、突きタイプのオロチを使ってやった。最も、俺も殴られたせいで照準がずれちまったみたいだが……。
「だがこの程度、大したことはない。今の内に貴様を倒す! 喰らえ正義の大行進!!」
「どうだかな、顔色変わってるぞ! ほら、六象無双オロチ切り!!」
アリグムは連打を俺に向かって繰り出す。俺も自分の使える六属性の魔力を放出しながら無双とオロチの合わせ技を放った!
「ぐぅ、俺の正義の鉄拳を食らっているのに、なんていう速度だ!」
俺の猛攻にアリグムは下がりながら言う、今度は俺が攻める番だ!
「へ、このゲームの天才である俺に何度も同じ技を使ったのが不味かったな! 見えるぞ、てめえぇの動きが!」
俺は叫ぶと、奴が殴ろうと腕を引いた瞬間に懐に入り込み、素早く刀を左右に振り奴の体を切り裂く、正直、目で追えているがさっきの一撃がかなり効いている……急いでくれリサ……!
「がはっ!」
アリグムが蹴りを放とうとした瞬間、俺は奴の太もも目がけて刀をVの字を描くように振り奴の蹴りを止めると奴が地面に膝をついた。その時だ、背後から六象光輪斬を撃つときと同じ魔力が感じられた
「行くよ! ター君!?」
リサの声に俺は勢いよく地面を蹴り、六象光輪波の軌道上から裂ける様に、アリグムから距離を取った。そして
「受けなさい、六象光輪波!!」
「っ! 舐めるなぁ!! そんな物俺の魔力でかき消してくれる! 超光正義の鉄拳」
俺が距離を取った瞬間、アリグムは声を上げる。すると、先ほどまで俺に突き出していた拳が今までに見たこともないほどに輝いた!
そしてリサの放った六象光輪波と激突、その威力はアリグムの拳を容易に弾きながら奴の肉体を、巨大な魔力の輝きが包み、大きく吹き飛ばした!!
そして、奴は天井に身体を大きくぶつけそのまま床に叩きつけられた。
「勝った……」
俺は静かに呟く、するとだ、急に全身の力が抜け俺は思わずその場に座り込んだ。
「ター君、大丈夫!?」
リサは俺の傍まで駆け寄ると、右手を翳し魔法を唱える……暖かく柔らかい緑色に光から放たれる回復魔法は俺の傷ついた体に染み渡った。
「ふぅ、これで何とかなった……もう無理し過ぎだよ……」
「わりぃな、でももう大丈夫……」
俺はゆっくりと立ち上がるとアリグムガ吹き飛んだ方を見た、リサも同時にアリグムの方を睨む、ちぃ、分離されてないまだ生きてやがる……。
「手ごたえは十分だったのに……なかなかタフみたいね……」
リサは静かに言うと土姫を抜く、俺も深く息を吸うと刀を握った、するとだアリグムがゆっくりと立ち上がると、今までに見たこともないような表情でこちらを睨んだ。
「俺はもう戦えんがタダでは死なん! 貴様らを巻き添えにしてやる……ぬがぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アリグムが叫ぶと奴の体が先ほどのサンシャイン云たらと同じような輝きをした。
「体中に物凄い魔力が溜っている……あいつ自爆する気だわ!?」
「流石はリサ、よく分かったな、俺はアンドロイド。機能停止に陥ったら情報漏洩を防ぐために自爆できるようになっているんだよ……」
「っ! だったら、それより前にぶった切る!」
「ター君危ない!?」
アリグムに切りかかろうとしていた俺をリサは声を荒げて止める。するとだ、奴の体全身から煙を上げ始めた。
「突っ込まなくて正解だったな、だが、これで貴様らも終わりだ! 正義の超光決死行!!」
「まずい……!」
「ター君、伏せて!」
リサは叫ぶと俺たちの目の前に巨大な盾を出現させた、その時、物凄い轟音が周囲に響くと勢いよく爆発した!
「きゃあっ!」
「リサ!」
その衝撃は、盾を構えるリサの態勢を崩すほどの爆風を生む。俺はすぐさまリサの背後に立つと彼女の体を支える。だが、それでも衝撃はすさまじく俺達は後方に大きく弾き飛ばされ、俺は背中を大きく背後の壁に打ち付けた!
「た、ター君……ごめん……大丈夫……?」
「ああ……大丈夫……リサは怪我無いか?」
「うん。ター君が庇ってくれたから大丈夫だよ」
リサは振り返りながら俺に向かって言うとゆっくりと俺の前から離れた。ちぇ、もうちょっとリサのぬくもりを味わいたかったのに。
「それにしても、派手に吹き飛んだなぁ~、これだとアリグムと合体していた人も危ないんじゃ……」
俺は立ち上がると、アリグムがいた方を見る、柱や壁は完全に吹き飛び、あいつが立っていた個所は巨大な穴が開いていた。
「……いえ、アリグムと同調していた人はそこにいるわ……」
リサは眉間にしわを寄せると部屋の隅を指す。するとそこには仰向けで意識を失っている大柄の男がいた。
「大丈夫だったか……」
「ええ、彼の状態は大丈夫……とりあえずはね……」
リサはそう言いながらアリグムと同調していた人間に近寄り。リターンの魔法をかけた。
「でも、今の状況は芳しくない……」
リサは立ち上がると俺の方を見る。眉間にしわを寄せる険しい表情のままで……。
「何かあったのか?」
リサは、俺の目を真っすぐ見つめると深く息を吸い込み、口を開いた。
「アリグムを倒して奴の反応が消えたのに、此処が元通りになってないのよ」
「つまりそれって……」
「ええ、世界の同調が強くなっているって事よ……」
「少し遅れているだけってことは……」
「ター君、目を背けたいのは分かるけど現実を見て」
リサは静かに言うと、ゆっくりと指をさす。壁が崩落してむき出しになった空を……。
「だ、だよな……本来は夜だし、教室からじゃこんなきれいな空は見えなかったしなぁ……」
「急ぎましょう。このまま、浸食が進んだらこの程度じゃすまないよ……」
「急ぐたってどうするんだ? ここからじゃ、次の場所に移動できないだろ?」
「大丈夫、そこを見て、その大穴からあいつらの魔力を強く感じるわ」
リサはそう言いアリグムの自爆により生まれた大穴を指しながら言う。リサほどの魔力感知が出来ない俺にはハッキリとは分からんが、禍々しさは感じる。
「飛び込むのか……?」
「ええ、躊躇している時間はないよ? 急がないとこの町が、いえ、この世界が飲み込まれちゃう……」
「ええい、やるしかないか。よし! 行くぞ!!」
俺の言葉にリサは強く頷くと俺達は大穴に向かって走り出すと、そこに飛び込んだ!!
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