第十四話 『無数の影を打ち砕け 六象に輝く魔力の一撃!』
「行くよ、ター君!!一発デカいの打つから後は頼んだよ!!」
リサはそう力強く言うと、右手に魔力を集めた。そして
「弾けろ爆風……ストーム・ボム!!」
リサは掲げた右腕に集まる小さな光球を前方にいるポテージャの群れに向かって放り投げた!!
リサの投げた光球は一体に命中すると激しく光を放ちながら一気に爆発、爆風と共にポテージャの群れを弾き飛ばした!!
しかし、どれも砂になりかき消え、リサは首を横に振る。今吹っ飛んだ奴の中に本物はいない……か……。
「なら、作戦通りに行くぞリサ!!」
「ええ! なるべく早く探すわ!!」
俺はリサに向かって言うと体に魔力を集め、龍光斬りでいまだに残るポテージャの群れに突っ込んだ!!
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
俺は声を上げながら、ポテージャの軍勢に突撃すると刀を強く握りしめ、そのまま真っすぐ振り下ろした!
俺のはなった斬撃は、無数にいるポテージャの数体に命中、真っ二つに切れ、砂のようになって消えた。
「ちぃ、本物はなしか!?」
俺は悪態をつくと、そのまま、刀を返すとそのまま真横に振り他のポテージャを切り裂いた! だが、手には空気を切ったような感触が走る。
「ちぃ! コイツラの中にも本物なしか!」
俺は叫ぶと舌打ちをし、背後から俺の体を掴もうと腕を伸ばしているポテージャを振り返りながら睨むと、そのまま右足を突き出し蹴り飛ばした!
俺に蹴られた、ポテージャは背後にいた分身を巻込み吹っ飛んだ、そして、俺が切り裂いた連中と同時に、体が砂になり消えていった。
「蹴り位で崩れる耐久力……舐めやがって!!真空オロチ!!」
俺は声を上げ、刀を真っすぐ下に振り下ろし、九つの斬撃を風の斬撃を放ち、ポテージャの群れを一気に切り裂くと今度は、刀を半身に構えた。そして、体中に魔力を込める。
「龍光斬り!!」
そして、龍光斬りで正面のポテージャを突き刺すとそのまま、一気にポテージャの群れに突っ込んだ!!
「くらいやがれぇぇっ!」
ポテージャの群れに突っ込んだ俺は、右足を軸に身体を勢いよく回転させ、刀に突き刺さっているポテージャの一体で周囲のポテージャを殴り飛ばした。さらに
「旋風! 螺旋切り!!」
刀に風の魔力を集めるとそのまま回転を強め、一気にポテージャ達を切り裂く、力強い回転と、風の魔力により俺を中心にした竜巻が発生、ポテージャ達を上空に巻き上げた!
「次だ! 旋風無双一閃!!」
俺は前方を睨むと、空中で砂と化し舞い散るポテージャの残骸の雨の中、未だうじゃうじゃいるポテージャ達に群れの中に突っ込んだ!
そして、ポテージャの群れの間を縫う様に駆け刀を縦横無尽に振る無双を使いながら、風の刃で次々と切り裂いていった!
ゴブリンキングを倒した技の応用だ。さっきはゴブリンキング一体だけをすれ違い様に連続で切ったが、今回は一体一体を正確に斬りながら一気に駆け抜ける技。名付けて一閃だ。
一閃により切り裂かれるポテージャは次々と砂と化す。しかし中心に行けば行くほど、ポテージャの数が急増した!
「ター君!?そこに本物がいるよ!!」
突然リサの声が響く、一瞬、硬い何かを切った気がしたが、やはり本物が紛れていたか!
「そこ! 右にいる!!」
再びリサの声が聞こえ、俺は刀を両手で握り風の魔力をより強く流す。右側、俺が固い物を切ったのと同じ方向か!!
「喰らえ!!」
俺は体を右方向に向けると、刀を大きく振り下ろし、九つの風の斬撃を放つと、そのまま刃を返し、今度は振り上げ、無数に散る斬撃を放った!!
「ちぃ! もう気が付かれたか!!」
無数の斬撃で切り刻まれるポテージャの中、うち一体がこちらを振り返り言う。そしてそいつは、土の魔力を両腕に流し強化すると、その太い腕を前方に突き出した!!
俺のはなった斬撃は、ポテージャに命中する。しかし奴の体どころか腕を切断するには至らなかった。
「まさか、こんなに早く見つかるとは、でもね! すでに魔力はこもっているのさ!!」
動きを止めたポテージャはそう言うと、俺でもわかる位の魔力が奴の体に集まっていった。
「まずい!」
「ヤバ!」
その魔力を見た瞬間、同時にリサと俺の声が漏れ、それが聞こえたのかポテージャは笑みを浮かべていた。
ちぃ、面倒なことを! 防いでやる! 俺は覚悟を決め、刀に風の魔力を流した。その時だ
「テレポート!!」
突然、リサの声が響き、俺は青白い半透明の光に包まれた瞬間、俺は、なんとリサの傍に来ていた。
そして俺がそれを理解した瞬間、ポテージャが蓄積していたと思われる魔力が炸裂すると同時に、足元に広がる分身体の残骸である砂や、未だ残っている分身体が一気に爆発した!!
「うおぉっ!」
「ター君! 動かないで、リフレード!!」
リサは叫ぶと右腕を前に突き出す、シールドでもソニアの盾でもない光の壁が、防御魔法と思われる壁が展開され、それはポテージャの放つ爆発を防いだ!
「うおぉ」
「くっ!」
リサの放った防御魔法のお陰で俺達はダメージは無かった。そしてゆっくりと煙が晴れていく。俺たちは互いの武器を構え、次にくるポテージャの動きに備えた……だが
「うそ……」
「なんじゃこりゃ……」
リサと俺の声が漏れる、なぜなら俺たちの正面には無数のツルが広がっており、まるで森に迷い込んだような異様な光景が広がっていた。
「はっはっは、私をとらえて勝ったと思っていたのかい? でも残念、私の目的はあんたたちの足止め、時間稼ぎさ」
周囲からポテージャの声が響き俺たちは周囲を見渡す、するとツタの至る所からポテージャの分身体が溶け出し、地面に落ちた。
「あんた達なら私の本体を捉えたら一撃で倒せるだろうね? でもね、私の分身体は魔力の塊さ」
「あんた達が分身体を倒しても、その度に私は潜んで魔力を貯めながら分身を増やす」
ちぃ、鬱陶しい。ポテージャは分身を作りながら分身に言葉を喋らせる。まるで、寝ている時に耳元で飛び回る蚊のような鬱陶しいさだ。
「そして、ある程度、減ったら、また残った分身体と分身体の残骸に魔力を流し、こうやって増やすのさ」
「これを繰り返す。あんた達はこれから、私達と戦い、その上、あのお方とも戦わなくちゃいけない」
「私は死んでもいいあの人に命をささげるのなんかこわくはないさ、力を温存しながら私を倒せるかねぇ……」
ポテージャはそう言い、高笑いする。するとスライム状で地面に落ちてきた複数の分身体が、ウネウネと動きだし、俺達の方を向いた。
「ちぃ、面倒な一気にぶっ飛ばすしかない!」
俺は悪態をつくと刀に魔力を流す、後先考えている暇はない。六象光輪斬でぶった切るだけだ!!
「ター君、その技は温存して!」
俺が動こうとした瞬間、リサは俺の前に手を出し、俺の動きを止めた。
「はっはっは、その技を撃たなくちゃ、この状況は打開できないよ、それとも今までと同じ戦法で私を探すかい? まぁ、その光の斬撃を撃って、私を見つけられるとは思わないけどねぇ」
ポテージャの笑い声が聞こえる。実際奴の言う通りだ、今までと同じやり方ではだめだ。
「リサ、俺は大丈夫だ。この状況を変えるためには、大技をぶっ放すしかない」
「分かっているよ、でもね、今回は私の番。ター君は離れてて」
リサはそう言い俺に笑いかける。すると彼女は体に魔力を流した! この魔力! まさか……。
「リサ、お前なんでその魔力が……」
リサの体からは俺の……俺が今身体に纏っている六象光輪斬の時に放つ魔力が彼女の体を包んでいた。
「たぶん、さっきター君が私の魔導書を触った時に記録されたんだと思う。さすがの私でも六属性の魔法を同時になんか扱えないもの」
リサはそう言うと軽く俺に微笑んだ。だから、俺が魔導書わたした時目を見開いたのか……。
「それがどうした、そこの小僧が撃とうがお前が撃とうが関係ない。私の位置を捉えられていないんだからなっ!!」
うるさっ! 分身体が同時に叫ぶ。
「確かに奴の言う通りだぞリサ。奴の姿が捉えられていない以上、無駄打ちになる」
俺はリサに向かって言うと刀を構える、するとリサが軽く笑った。
「大丈夫よ、私が何の確証もないままこんな事すると思う?」
リサはそう言うと、やや右上を眺めていた。
「あなたの場所、分かってるわよ?」
リサはそう言うと視線を動かし、正面を見据えて指をさした。するとだ、ほんのりと赤い光が正面に見えた。
「あなたを無暗に探していたわけではないの。ちゃんとあなたの姿を見つけた時点で探索魔法でマーキングはさせてもらったわ」
リサが正面を睨み付けると、リサの周りに小さな光が舞う。いつの間に使っていたんだよ……いや、六象光輪斬が記されていたのを気が付いていた時点で思いついたのか? だとしたら恐ろしすぎる……。
「ちぃ、それがどうした。姿が捉えられたとしても、これをどうかわすかなぁッ!!」
ポテージャが叫ぶと分身体が一気に、俺たち目がけて飛びかかってきた!!
「ちぃ、面倒なことを」
「大丈夫! これならいける!!」
リサはそう言いながら笑うと、足を肩幅に開いた、そして魔導書から魔力が迸った!!
「魔力の元となる六つの精霊たちよ、我がもとに集い眼前の邪悪を祓いたまへ、聖なる光を受けよ。六象光輪斬!!」
リサは叫び、右腕を前方に突き出した!!
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