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【世界の英雄 賢者リサと青年ター君の冒険記】  作者: 罰t星人
第2部 ~異世界の賢者と共に俺達の世界を守り抜け~
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第十話 『友との別れ 次なる敵を目指して……』

 ウォーシールの振り下ろされた大剣に合わせて俺も、六象光輪斬を放とうと刀を振り下ろそうとしたその時だ、俺の体が突然、何かに引っ張られた。


「ぬおっ!」


 そしてそのまま後ろに投げ飛ばされ、そのまま廊下を転がるが、すぐに立ち上がると、俺を両脇を二つの影が走り抜けた。


「カイゼル・パンチ!」


「サンダー・ブレード!!」


 その影はリサによって回復をされていた、貴明と卓也の二人だった、俺を投げ飛ばしたと思われる二人は、ウォーシールの振り下ろそうとしている大剣に向かって、攻撃を放った!!


 ウォーシールの振り下ろす大剣から纏う氷の魔力と、貴明の炎、卓也の稲妻がぶつかり合い、すさまじい衝撃波を生むと同時に魔力が爆発した!!


「うおぉっ!!」


「キャアッ!!」


 その衝撃波と爆発の近くにいた俺たちはそのまま背後に勢いよく弾き飛ばされ、廊下の固い床に背中を打ち付けた。


「ぐっ、いでで、リサ大丈夫か?」


 俺はゆっくりと立ち上がりながら、リサに向かって言う、リサもゆっくりと立ち上がろうとしていた。


 俺はすぐに、彼女に近寄ると、肩を貸し、ゆっくりとリサを立たせた。


「あの二人まだ回復も完璧にできてなかったのになんて無茶な……」


「確かにな……あの二人は大丈夫なのか?」


 俺はリサの体を支えながら一緒に後ろを振り返った。そこで俺は思わず唾をのむ。なぜなら、橋のようになっている廊下が崩落していたからだ。


「こ、この威力を受けたんだとしたら……あの二人は……」


 リサは声を震わせていう、確かにけがを負った状態だと考えると巻き込まれた可能性がでかい、そう思い正面を見る。


 するとそこには、傷つきながらではあるが膝をついている貴明と卓也、そして右腕を抑えているウォーシールの姿があった。


「くそ、油断した。まさか俺の大剣を弾き飛ばしながら腕を傷つけるパワーがあるとはな、腐ってもカイゼルとデモンの力を持っているだけのことはある」


 ウォーシールがそう言うと、遠目にしか見えないが奴の右手から青紫っぽい色の液体が流れた。あれって血……だよな……。


「じょ、冗談じゃねーぞ、本気でぶん殴ってそれだけかよ!」


 貴明は悪態をつくと立ち上がった。卓也も同様に剣を杖代わりにしてゆっくりと立ち上がる。二人とも腕や足から血が流れ出ており、道着や鎧もボロボロだった。


 すると二人は、近寄り俺に聞こえない声で何かを話し始めると、ウォーシールの方を向いた。


「お前と心中なんかごめんやけど、この際仕方ないな……」


「心中? 悪いな。俺は死ぬつもりはないぞ!」


 貴明と卓也はそう言う、心中? 死ぬつもり? どういうことや……? 二人の発言に首を傾げていると、二人はウォーシールの方を向きながら俺の名前を叫んだ。


「こいつは俺たちがここで抑える!」


「だからお前は次の敵の所に行け!!」


 二人の言葉に俺もリサも驚きの表情をして息をのむ。なるほど、それなら


「よし、じゃ頑張れよぉ!」


「え? ちょっとター君!? 何言ってるの!?」


 俺はそう言って、二人に向かって敬礼をするように右腕を曲げながら言うと、背を向け、驚くリサの言葉を流してそのまま走り出した。


「ってんな事するわけないだろうがボケぇっ!!」


 俺はそう叫ぶと、途中で右足を軸にし体を回転させ、向きを変え、刀を強く握ると崩落した廊下のギリギリのところに向かって走り、飛び上がろうとしたその時だ!


「ぐあ!」


 右足に力を入れ飛び上がろうとした俺に向かって炎が飛んでくると俺はそれに押されるようにして、元いたところに、リサの傍まで飛ばされた。


「なにするねん!?」


 俺はすぐに起き上がると俺に炎を飛ばしてきたと思われる人物を貴明を睨んだ


「いらん事するな! 俺らのことは放っておいてさっさといけ!! 四人ともお陀仏になったら意味ないやろ!!」


 貴明は俺の方を一瞬みるとウォーシールを睨みながら叫んだ。


「貴明の言う通りや、全員やられるのはよくない!!」


 貴明に続き拓真も俺に向かって叫ぶと、体に魔力を集め、大剣を握り動こうとしているウォーシールに飛びかかった!


「ぼさっとするな! さっさといけっ!!」


 貴明は躊躇している俺の方を見て叫ぶと、ウォーシールの右肩を蹴り飛ばしその反動で距離を取った。


「安心しろ! 死ぬつもりはないから!」


 卓也は軽く笑いながら言い、貴明とは反対に、地面を蹴り稲妻が迸る剣をウォーシールに向かって突き出し距離を詰めた!


「ター君、此処は二人に任せて行こう! あいつは強い、二人が言ったとおりここでみんなやられたら意味がないんだよ? この世界を守れないよ?」」


 俺が躊躇しているのを感じ取ったのか、リサは俺の服の袖をつかみ、俺の目を見ながら、諭すように優しい口調で言うリサ。しかしその口調とは裏腹に目には力強さを感じた。


「そこぉっ! 判断が遅いよぉっ、なぁにやってんのぉっ!」


 リサの視線をそらした俺に、貴明の声が響き、俺はその方向を見る。すると貴明はウォーシールの振り下ろした大剣を弾くように拳を振り殴りつけた!!


 まばゆい閃光が飛び散ると、先ほどと同じように後ろに下がる。対する卓也も同様に、ウォーシールから距離を取った。


「言ったはずや、死なへんてな。良い感じにしばいたら逃げるから安心しろ!」


「しばいたら逃げる……だと? 笑わせるな……」


 卓也の言葉に反応したのか、ウォーシールは低いドスを利かせた口調で言うと、卓也を睨み付けた。


「今の状態でここまでやれるとは正直驚いたが……所詮は唯の人間、オーガである俺にはかなわんようだな……」


 ウォーシールは大剣を担ぐように構えながらいう、すると奴の足元が凍り始めた。


「下手な攻撃で結界を破壊して、虚無のエネルギーが拡散しないよう加減していたが……貴様らを叩きつぶす方が先決だ……」


 ウォーシールが呟くと、奴の身体から魔力が発せられた、身震いするほどの強大な冷気だ。


「お前と心中とか勘弁やからな……気合い入れて乗り切るぞ!!」


「こっちのセリフや、彼女がこちとら出来たばっかなんや、お前となんか一緒に死ねるかボケぇっ!」


 貴明の言葉に卓也は笑いながら言う、すると二人も自身の体に魔力を集め始めた。


「な、なんてすごい魔力……あの体のどこにこんなパワーが……」


 リサは二人の様子を見ながら言う、ボロボロなはずなのに……なんて力や、これならいけるかもしれんぞ……。


「ほぅ、それだけの力残っているとはな……ならば言った通り俺をしばいて逃げて見ろ!!」


 ウォーシールはそう言い大笑いする、すると奴の体がイヤ周囲の空気までもが凍り付いたような冷気を放ち、青白い、氷のような光を放った。


 それに対し貴明はこの距離でも陽炎が見えるほどの炎を放ち、卓也もその纏った魔力が放つ閃光だけで周囲が傷つくほどの稲妻を身に纏った。


「まずい、ター君。ここは二人に任せて行こう、このままだと私達も大ごとだよ!?」


 リサはそう言うと走り出す、俺はリサの言葉にうなずくと、後ろを振り返りながら走り出した。


「二人とも絶対生き残れよ!!」


 俺が叫ぶと二人は俺に返事を返す、そして貴明は左手で親指を立てるしぐさをした。


「凍てつけぇっ! 氷・滅・断!!」


「銀河を切り裂け……稲妻よ、双雷明王断!!」


「二つの力を一つに……燃え上れ……カイゼル・インフェルノ!!」


 ウォーシールは大剣を両手で握ると、横薙ぎに勢い良く振り、氷の魔力の斬撃を放つ、対する卓也は左手に剣、右手に稲妻で生成した剣を持ち、真上に構えるとそのまま一気に振り下ろした! 貴明は真っ白に光輝く炎の拳をウォーシールに突き出した!!


「やっべ!」


「ター君こっち!!」


 強力な三つの魔力の塊は、同時にぶつかり、物凄い衝撃と爆発を生んだ!! その時俺はリサに服を引っ張られ、なんとか一階へと続く階段の方に転がり衝撃波にまきこまれることはなかった。


「いててて、すまんリサ助かった」


「わ、私もあまりにもの威力で驚いているよ……」


 俺はリサにお礼を言いながら立ち上がると後ろを振り返った、するとそこには校舎の一部が崩れていた。


「……これで二人のいる場所には戻れないね……」


 リサは瓦礫に触れながら言う。そう、瓦礫は二人の先に進ませようとする思いがそうしたかのように、礼拝堂に向かっていく廊下を防ぐようにして佇んでいた。


「……行くぞ、二人は必ず生きている、敵をできるだけ倒して二人と合流しよう」


 俺の言葉にリサは、強く頷き返事をすると俺たちはそのまま階段を下った。


「確かこの下だったよな……」


「ええ、一番下だと思う」


 俺は階段を下りながらリサに言う、リサは軽く頷いた、そして俺たちは、学校の階段とは到底思えない、石積みの階段を下る。マジでゲームのダンジョンやな……。


「うおっ! やっべーなこれ……」


 階段を降り一階まで行くと、廊下に出た。すると礼拝堂へと続く廊下が完全に落ち、瓦礫の山ができていた。幸い、通れないわけではないのが助かる。


「そこを左だよ……」


 リサはそう言うと、目を瞑りながら言う。俺はリサの言葉にうなずくとそのまま瓦礫を避けながら左に進んだ。


「俺らが一、二年の使いよった校舎やな……」


 俺は静かに呟くと、周囲を見ながら懐かしむ。もっともあのころの面影は虚無のエネルギーの影響でなく、異様な植物や変色した外壁が広がっているだけだが……。


「止まって、そこの部屋だよ……」


 リサの言葉に俺は足を止めると左の教室を見る。確かにリサの言う通り魔力が迸っているのが分かった。


「開けたらいきなりご対面……ってか律儀に待ってくれてるわけやな……」


 俺はそう言うと、いつでも刀を引き抜けるように左手で鞘をしっかり握るとゆっくりと教室に近寄り、実習室と書かれた教室のドアを勢いよく開き、リサと一緒に雪崩れ込むように教室内に潜入した!


第十話 『友との別れ 次なる敵を目指して……』を読んでくださりありがとうございます。

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