第三話 『再会と新たな戦い』
「まずい! 敵だ!」
リサはそう言うと。彼女の近接用武器、小太刀の形をした片刃の土姫を握った。
すると、開いたドアからぞろぞろと先程のモンスター化したナースや、ナースと同じような姿の医者風の男。それに、小さなドローンのような円形状の機械が中に侵入してきた。
「まずい、囲まれたか……詳しい話はコイツラを蹴散らしてから聞く! 卓也と貴明はさがってろ!」
俺はそう言うと、刀を握った。
「いや、俺達も行ける!」
「魂の同調のおかげで。デモンの力を扱えるようになったんだ! そのアイテムがこれだ!」
貴明と卓也が叫ぶ、すると貴明の左手と卓也の右手が勢いよく光り輝いた!
すると、貴明の左手にはカイゼルの魔力が込められたペンライトのようなものがあり。卓也の右手にはデモンの魔力が込められた、サングラスが握られていた。
「その道具は二人の力を内包している……行けるわ、使ってふたりとも!」
リサは叫ぶ、しかし、俺の友である二人はなぜか震えていた。
「どうした! 使い方が分からんのか!?」
俺は二人に向かって叫ぶ、しかし二人は首を振った。
「えぇぇい、しゃあない! やってやるぜ!」
「あぁ、しゃーなしや!」
二人は叫ぶと、貴明はペンライトを掲げながらスイッチを押し、卓也はサングラスを掛けた。するとだ、貴明の体が炎に包まれ、卓也の体には雷が落ちてきた。
「この魔力……デモンとカイゼルのものだ!」
俺が叫ぶと、炎と雷の中から変化した二人が現れる。
貴明は黒から茶色の髪になり、紺色に赤い帯を巻いた胴着姿で、両腕には胴着の色と同じ紺色の腕当てをつけていた。そして、額には赤いハチマキを巻いた姿に変身。
卓也はデモンのサングラスをつけ、黒に金のラインが走る鎧を身に纏った姿に、デモンの格好をした卓也と呼べる姿になった。
「待たせたな、二人共!」
貴明は笑いながら言うと、俺の左隣に立った。卓也も拳を握りリサの隣に立った。
「よし、行くぞ!」
俺は三人に言うと、刀を引き抜いた。そして、迫ってくる、魔物たちに向かって一気に走り出した!
「リサを助けたときに使ったのが龍光切りだったな……なら、使ってみるか!」
俺は刀に魔力を込め、迫りくる魔物たちめがけて刀を勢いよく振った! 刀からは漆黒に染まる大蛇の姿をした斬撃が飛び出した!
そしてその大蛇は食らうように魔物達に迫ると一気に切り裂いた! するとだ、奴らの動きが止まったのだ! 撃てた、影縫斬だ!
「拘束技か! ナイスだ! ならば!」
卓也はそう言って、右腕を天にかざす、すると奴の右腕に稲妻が落ち剣を生成した。
「喰らえ、サンダー……ブレェェドッ!」
卓也は叫びながら剣を縦に振り下ろした! 稲妻の迸る斬撃が拘束して動けなくなっているモンスターの群れを切り裂いた!
「ならば俺も……くらぇ! カイゼル・パァァンチッ!」
貴明はそう叫ぶと炎の籠もった拳を勢いよく突き出す! するとだ、拳上の炎が勢いよく飛び出し、魔物を殴り飛ばした!
「いや、お前それ、技名ちゃうやろ」
卓也は貴明を呆れたように見ながらつぶやく、たしかに魔炎拳だかなんだかだった気がする……。卓也がそれを知っているってことは、やはり記憶の同一化はできているのか……。
「ええやろ別に、俺はこっちのほうが好きなんよ!」
貴明はそう言うと、残骸になりながらも貴明を襲う。ナースと医師を殴り飛ばした!
「皆スゴイね、私も負けていられない……くらえ! ロックスラッシュ!」
リサは叫ぶと、土姫を真横からフックをするように振る、すると土の魔力のこもった斬撃が飛び出し、ナースたちを切り裂いた! だが
「っ! あぶない!」
魔物たちは、倒れておらず、リサに迫っていた。調子が悪い!?
「龍光斬り! どけぇぇっ!」
俺は刀を構えると龍光斬りを放つ! 魔力が俺の体を覆い、ミサイルのように飛び出すと、リサに攻撃しようとしている魔物たちを切り裂いた!
「大丈夫か!?」
俺はリサの前に立ちながら叫ぶ。
「ええ、ごめんなさい。まだ調子が悪いみたい……」
リサはそう言うと、土姫を構えた。
「無理するな! コイツラは俺達が倒す!」
俺はリサに向かって言うと刀に魔力を込める、そして右から左に向かって薙ぎ払うように刀を振り、魔物たちを切り裂いた!
「それにしても数が多いな!」
卓也はそう言うと、ドローンを掴み、群となっているナースや医師の方に向かって、放り投げた!
「たしかにな!」
貴明は医師の魔物に肘打ちを食らわせると、卓也が放り投げたドローンに向かって炎を放つ。すると、ドローンが爆発、その爆風に飲まれて辺りにいた魔物の群れが吹き飛んだ! だが
「げっ! まだ入ってくるのかよ!」
貴明はそう言いながらも炎を纏った拳でドローンを殴り飛ばした!
「どこかにコイツラを生み出している親玉がいるはず!」
リサはナースを切り裂くと俺たちに向かって叫んだ。
「なるほど、それを潰さないと増えるってわけね! んで、それはどこにいる!?」
卓也は剣を真横に大きく振りかぶり、魔物の群れを切り裂いた!
「一体一体虱潰しにしてたらキリがない、まとめて倒す! リサ頼む!」
俺は刀を縦に振り、医者とドローンの魔物を切り裂くとリサに向かって叫んだ。
「! なるほど、そういうことか……分かった!」
「二人共、巻き込まれるぞ! 飛び上がれ!」
俺はそう叫ぶと、刀に魔力を込め飛び上がり、影縫斬を魔物の群れにはなった!
俺の言葉を受けた二人も頷くと跳び上がる。それを確認したリサは、土姫を左手に持ち替えると、右手を握った。そして
「アース・クエイク!」
勢いよく右手を床に叩きつける。すると、地震が勢いよく発生し、影縫斬で拘束できなかった魔物たちの動きを止めた!
「今だ! 二人共コイツラを一気に吹き飛ばすぞ!」
俺は叫ぶと刀を両手で握る。そして勢いよく掲げた! 魔力が無数に刃に灯る。今だ!
「喰らえ! 六象光輪斬!」
「サンダーブレード」
「カイゼルパンチ!」
俺達は、技を同時に繰り出す。卓也の稲妻の斬撃。貴明の炎の拳。そして、俺の振り下ろした刀から放たれた魔力の斬撃はロビーにいた全ての魔物たちを切り裂いた!
俺達に倒された魔物たちは、ガラスを爪で引っ掻いたような高い音をあげながら、粒子のように消えていった。そして、一人の医者がその場に倒れていた。
「あの人が親玉だったのね……」
リサは呟くと、倒れている医者に近づき手をかざす。すると、手の間からほんのりと暖かい魔力が流れた。
「よし、これで大丈夫ね」
リサはゆっくり立ち上がる、するとだ、急に彼女の膝が折れ、倒れそうになった。
「っ! 大丈夫か!?」
俺はリサに駆け寄ると、彼女の体を支える。
「ご、ごめん。でも大丈夫だよ」
リサは俺に笑いかける。しかし、その笑顔とは裏腹に魔力が異常に少なくなっていた。
「魔力の消耗が激しいじゃないか……一体何があったんだ?」
俺は視線をそらそうとしているリサと目をじっと見つめる。しばらく、その状態が続いたが
「分かった、降参。そうよね、もう巻き込んじゃったものね」
リサはそう言うと、深く深呼吸した。
「分かった。話すね、あの後から、今までで何があったかを……」
リサはそう言うと、ゆっくりと歩き俺たちの前に立つと口を開き、説明してくれた。
「私は虚無のエネルギーの調査をずっとしていたの、そしてあの事件から三ケ月後くらいに君と別れた獅子王遺跡で、異常な量の虚無のエネルギーが集まってるのを知って、そこに向かうと、アロタロスが復活していたの……」
リサはそう言うとさらに話を続ける。俺の中ではあっちの世界での冒険は数時間前の出来事だが、リサたちの世界ではもう三ケ月も月日が経過していたのか……。
「それにしても、あの空間にいた状態から生き返るとは……しぶといやっちゃなぁ~、もしかしてリサがボロボロなのも……?」
リサが、アロタロスとその部下数名を追いかけてきたと言った後、俺はリサに尋ねた。どんなに強くなったとしてもあのアホがリサをあそこまでボロボロにできるとは思えないが……。
「えっとね、こっちに来た余波で力がうまくコントロールできなくて……それで、戦闘になったんだけど……やられちゃって……あ、でも安心して、向こうとこっちで一人ずつは倒したから!」
リサはそう言って、笑顔になる。しかし、その後、誤魔化す様に一瞬だけ俺から視線を外した。何かを隠している? まぁいい、おいおい聞いていくか……。
「今、やることはどこかにおる彼奴等をシバいたらええやんな」
卓也はそう言うと、いつもどおり豪快に笑った。
「せやな。よっしゃ。場所はどこか分かるか?」
貴明はそう言うと、リサに尋ねた。
「えっと……」
リサは目をつむると、額に指を押し当て、考えるような仕草を取った。暫く、うーんなどと唸っている。するとだ
「あった、ボンヤリとだけど探せた、こっち、この方角に奴らのと思われる奇妙な魔力を感じる」
リサはそう言うと、目を瞑りながら指をさした。方角的に北西……いや、北か……?
「あ、たしかに。なんか魔力感じるな」
卓也も指の方向を見ながら呟く。魔力感知もできるのか……なるほど魂の同調というやつは便利やな……。
「よっしゃ! そしたら、さっさと向かうぞ」
貴明は笑顔で言う、俺達は頷くと、一斉に開きっぱなしになったドアから外にとびだした。
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