表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/100

サンフランシスコ沖海戦2

サンフランシスコ沖開戦2


ハワイ島(ビッグアイランド基地)基地を発進したB29、いや『富嶽』10機はサンフランシスコ方面に飛行していた。

サンフランシスコ沖開戦が始まるのとほぼ同時刻である。


史実のB29とはエンジンが違う、ウィングレットが違う等、もちろん違いがある。形がB29にそっくりなだけの別の機である。照準器はノルデン照準機に似たニ〇ン製の照準器である。(フィリピンで鹵獲したものをリバースエンジニアリングしたもの)


与えられた作戦では、海戦から帰投した敵機に紛れて、敵機動部隊の攻撃である。

別の部隊はサンフランシスコ爆撃である。


そして親衛軍『富嶽』の10機に指揮をしているのは、藤沢新高あらた特務大佐である。

彼に与えられた命令こそ、敵機動部隊への攻撃であった。


敵艦隊の位置はおおよそ判明しており、本日の天気では、雲量が少ないため、発見可能であろうと思われた。


航法士が早速発見したのである。高高度からの艦隊爆撃は非常に難しい。

いわゆる公算爆撃である。

だが、今回の攻撃ではそれは行わない。


「良し、爆撃を行う、フリッツX用意」新が命じる。

爆撃手は困惑し、「大佐、ツ式誘導爆弾ですが」ツ式とはツヴォルキン博士が開発した赤外線撮像管を使用した、誘導爆弾ということである。

「田中(爆撃手)、総帥閣下が、ひそかに、この爆弾に名称をくださったのだ、フリッツXが其れだ、この機内においては、今後フリッツXと呼称する」

「は!フリッツX投弾用意準備良し」

「投下」

「投下」爆撃手田中はレンズを除きながら投下索を引く。

10機の腹から次々と俗称フリッツXが投下される。


フリッツXの一番天辺というか今は落下中なので底辺なのか?には、赤外線撮像管があり、熱量の高いものに向かって進むように自分の尾翼を調整しながら近づいていくようになっている。

現在は80番(800Kg)と50番(500Kg)が開発中であり、調整中である。

そのため、富嶽から投下された爆弾も80番と50番が存在した。


フリッツは何度も何度も熱量を確認して、尾翼を制御して熱に近づくよう一生懸命努力を行っていた。


そしてフリッツの不断の努力が身を結ぶ。


第51任務群には戦艦4隻が所属していた。スプルーアンス中将はその戦艦の一隻BB57サウスダコタを旗艦としてそれに座上していた。

軽空母群を守る意味でも、一緒に進まねばならない。

戦艦は全速27ktで飛ばしていた。

軽空母31Ktまで出せるが、戦艦に合わせるひつようから、全速ではなく27Ktで進んでいる。


真上、上空8000mに敵が爆弾を降らしているなどと思いもしなかった。


フリッツがサウスダコタの煙突に直撃した。50番フリッツだった。

煙突で爆発を起こした。

その時、ほぼ同時に、2番砲塔に80番フリッツが落下して装甲を貫いて爆発する。

スプルーアンスは前に放り投げられた後に後ろに吹きとばされた。


2番砲塔は自身の砲弾に誘爆を発生させる。

2番砲塔が上空へと吹きとばされる。

その後一瞬でサウスダコタは2番砲塔部分で折れて、誘爆を繰り返して轟沈した。


投下されたツ式誘導爆弾(通称:フリッツX)は結果的に全てが戦艦4隻の煙突を目指してその周囲を爆破していた。これは実験時にも現れた特徴で、熱量の大きなものを目指すため、先に落ちた爆弾に引きつけられるというような結果が出ていたのである。


これを改良するには、コンピュータを搭載する必要が出てくるため、現在では修正不可能であると結論されたのである。


戦艦4隻で残っている艦は1隻いたが、ただ浮いているだけだった。

軽空母群の司令官のミッチャー少将は、どうして良いかわからなかった。

敵機動艦隊に航空攻撃をするため全速で前進していたが、その守りの要の戦艦4隻が

たった数分でお陀仏になったからである。


入ってくる情報では、敵空母2隻撃沈、2隻大破と何とか成果を上げているようであった。


空母のいなくなった艦隊に攻撃をかけることはできるかもしれないが、まだ空母健在な艦隊から攻撃を受ける可能性は十分考えられる。

「どうする!」心の中でミッチャーは叫んでいた。


「敵艦隊ボギー5の空母に攻撃成功!炎上中」

場所の座標が送られてくる。

割と近くである


「よし全機攻撃を行う」ミッチャーから発進命令が出されたのであった。

だが、残念なことに、敵(日本)艦隊は8個機動艦隊を編成してこの戦いを行っていた。


ミッチャー艦隊は、陸軍機の先導などで、かなり戦闘機を出していたが、40機×9隻、360機が手元に残っている。

180機は戦闘機であるが、攻撃機と爆撃機で180機を出せる、これだけの戦力があれば、近くの敵艦隊を一掃できるはず、ミッチャーはそう考えていた、90の戦闘機と攻撃180機を向かわせ、90機で空母群を、守ろうと考えていた。


発見された敵艦隊とは500kmほどと非常に良い距離に、彼らはいたのである。


すでに「ア」「マ」「ソ」「ヒ」「シ」が沈没あるいは大破しているという情報が上がっている。


この海戦ですでに米国航空機も相当数撃墜されているが、日本機動艦隊も大打撃を受けていることは間違いない、ミッチャーはそう考えていた。


そもそも日本の工業力からすれば、空母を叩けば、次の空母はいつ補充されるか、かなりかかるに違いないということは、米軍首脳部では常識になっていた。


第21艦隊所属戦艦「神武」から空母「朱雀」へと発進命令が降る。

空母朱雀は後方(東方200km)にいる。

敵、軽空母群を抹殺するための航空隊である。


しかし、前方の艦隊の輪形陣の真ん中には、空母がすでに存在していた、後方甲板に「ス」と書かれている。航空機は搭載されていない。


神武艦隊は先ほど発見され、敵航空機の攻撃を受けることになった。

雲霞の如く、戦闘機(爆弾搭載)大型爆撃機(B17、B24、B25)飛行艇などが攻撃に押し寄せてくる。


そして、今度は、第51任務群の軽空母艦載機との決戦が幕を開けるという展開であった。


神武の主砲41センチ3連装砲が連続でサ式砲弾を打ち出す。

はるか彼方の大空に大火球がいくつも生じる。それだけを見ていれば、大きな花火のようでもあるが、起こっている事象は花火どころではない。


その後は壮絶な殴りあいの戦いである。

5インチ両用砲が連続して、サ式砲弾を打ち上げ、ボフォース機関砲が連続的に40mm榴弾をまき散らす、接近する航空機には、20mm機銃が雨のように弾を降らす。

それらは、ほとんどレーダーにより管制され砲撃している。

しかし、12.7m機銃は人間が、取りまわして発砲している。


味方の紫電改は、魚雷を搭載した攻撃機をまず狙い、敵戦闘機F6Fがそれを阻止しようと低高度で戦闘を行う。


その隙をつくように、ヘルダイバー爆撃機が急降下爆撃に入る。

空母の真後ろの戦艦はさせじと対空砲弾をめちゃくちゃに撃ちあげる。


瞬くまに、僚機が3機爆発飛散する、タイラーの目の前には壮絶な曳光弾の雨が撃ちあがってくる。爆発の破片が翼にあなを開け、機銃が次々とブスブスと翼に穴を開けていく。

燃料が漏れ出て、火が付き、タイラーはもはやこれまでと覚悟を決める。

ヤンキー魂が火の玉になって、「ス」と書かれている空母の甲板に突撃する。

もちろん、タイラーはカタカナを読むことはできない。


タイラーのヘルダイバーは、爆弾を抱えたまま、「ス」の甲板に突撃し、大爆発を誘発する。


その勇士の行いを見ていた、陸軍機が「ス」の敵空母大破の通信を流す。


それが、「スザク」なのか「ズイカク」なのかは不明だが、敵の空母をまた一隻やったのである。


「海軍に続け、我らの陸軍魂をみせよ!」


「ス」の空母は爆発で完全に行足を失い止まってしまう。

艦隊は、空母を棄て、戦艦を中心とする輪形陣を作るように、動き始めている。


陸軍の勇者がこの空母に突入を敢行する。

更なる大爆発が発生する。


「ス」の空母は沈没していく。

「ス」の空母はアングルドデッキでは無かった。

米国は日本軍にアングルドデッキの空母があることは、まだ知らなかったが・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ