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旧友との再会

 旧友との再会

俺は、インベントリに一杯のお土産を入れて、ハワイに向かう

護衛の関係で、大鵬で行くことになる

高野親衛軍所属の自家用「大鵬」である

護衛には、親衛軍空軍の戦闘機隊「ベルケ隊」の精鋭があちこちに待ち構えていて、邂逅して警護する

もちろん、太平洋上には、敵航空機など出るはずがない

無事にオアフ島に到着、ここからは、SX改潜水艦で南米を目指す

SX改は、主に探知系、スクリューなどが改良されている


「しかし、総帥自らパナマへなどとは、危険ではないですか」

SX改001の艦長が言う

一番艦は、自家用として、高野親衛軍と所属艦としている

もちろん、そのようなことを知る者は少ない

艦長は帝国海軍少佐であるが、高野学校の卒業生であった

「まあ、しかし、この任務は私でしかできない、仕方がないのだ」

「では、護衛くらいはつけて」

「艦長、私一人の方がやはり良いのだ、できれば皆を連れて行ってやりたいところだが」

「はい、ついていきたいところです」

「戦争が終わったら、一緒に遊ぼうではないか」

「はっ、総帥のために」艦長が某第三帝国の兵士のように、右手を突き出す

「総帥のために」艦橋の兵士全員が同じような行動をとる

一体だれが、このようなことを教えているのだ!と心の中で憤るのだが・・・

「うむ」と返しておく


エクアドル沖に浮上する潜水艦、哨戒が激しいパナマにはいかにSX改でも近づけないのである

そこから、ゴムボートで、エクアドルの海岸に上陸する

俺を送ってくれた奴らが、帰っていく


一人残された、俺は早速、モトクロスバイク(自転車屋さんが作ったモトクロスバイクとなる)をインベントリから引っ張り出して、ツーリングを開始する


数日を経て、やっとのことでパナマにやってくる

国境には、米国兵士が検問を作っているが、パナマには、南米、中米から多くの民間人が出稼ぎに来ているので、あまり厳しくはない、手荷物検査をパスポートだけで中に入れた


パナマの町コロンへと向かう俺

一晩寝ると、探している人間の位置を夢の中で受け取ることができる便利機能で、どこにいるかはわかっている

コロン湾を望むを一画に、アバレーエフの別荘はあった

「どちら様でしょうか」口調はやさしげだが、男たちは小銃をもっていた

「高野ナインティナインが来たと伝えてくれるかね」と英語で切り返す

「お待ちください」一人が中に確認する


高い壁が、屋敷を囲んでいる

アバレーエフ(郷田)はパナマでは成功者で、カナダで財を成して、隠居してきたとされている

「アバレーエフ閣下がお会いになるそうです」

やっと中に入れてもらえる


入り口の門から屋敷までは、数百メートルもある

「これにお乗りください」ジープである

玄関まで送ってくれるようだ


玄関前にジープが入れられると両開きの大きな扉が開かける

「総長!」開襟シャツを着た大男が泣きながら両手をひろげていた

「郷田!」おれもつられて、ジープを飛び降りて、抱き合ってしまった

周りには、数名の郷田のお付きたちがいたが、驚いた表情を浮かべている


「ここは目立ちます、さあ、中へどうぞ」自分が一番目立っておいてよく言う


2階にある郷田の執務室へととおされる

応接の上座を進められるが、断る

「総長、よくご無事で、このようなところに来ていただいて、ありがとうございます」

「何を言っている、貴様のおかげで、我が祖国はうまくやれているのだ、此方こそありがとう」郷田はまた泣き始める

美人秘書がコーヒーを持ってくる

「総長は、ウィスキーの方がよかったですか?」まだ真昼である

「いや、コーヒーでいいよ」

「そうですか、ここら辺はコーヒーが有名です、みなへの土産に、珈琲豆を用意しましょう」

「そうだな、ありがとう、みなも喜ぶであろう」

「岩倉は元気にしていますか」

「ああ、つれてきてやりたかったがな、敵中突破の旅だ、私しかできんだろう」

「その通りです、よくもまあ、ロシアとかで暴れましたからね」

「うまくやっているようで何よりだ」

「総長のおかげです」

「うまくいっているお前にこのような頼み事をするのは申し訳ないことだが・・・」

郷田の眼がスーッと細くなる

「総長、私は総長のために、なんでもやるつもりです」

「すまん、郷田」

俺は、立ち上がって深々と頭を下げる


・・・・・・

次の日、俺と郷田は、釣りに行くことになった

ガトウン湖にである

ガトウン湖は、パナマ運河を作るためにできた人造湖である

ジープでやってきた

「内の新型があるんだが、此方では売ってないから目立つから、貴様にわたせんすまんな」

「いえいえ、ジープで十分ですから」インベントリ内にはラン〇ルが入っている

現地人の漁師から船を無理やり借りて、湖に漕ぎ出す


何が釣れるのか知らんが、とりあえず糸を垂らす


「釣りは好きか?」

「正直言って、」

「すまんな、お前には釣り好きになってもらいたい」

「わかりました」

「目立たないところに倉庫を頼む、そこで、お土産を手渡したい」

「船系のものですか」

「そうだ」

「わかりました」

「出国の準備もしておいてほしい」

「わかりました」

「いいのか」

「総長、お国のためでしょう?」

「その通りだ、しかし、絶対に」

「死ぬな、ですね」


金満家のアバレーエフがその日を境に急に釣り好きになる

次の日には、秘書に、ガトウン湖に釣り用の舟屋を建てるように命じている


適当な舟屋が2つ作られる

そして、2隻中古の漁船を購入している

だが、倉庫には、新品の大型モーターボートが4隻も存在した


「では、アバレーエフ、元気でな」

「はい総長、またおあいできればうれしいです」

「それについては、また連絡するよ」

「お気をつけて」

「ありがとう」俺たちは握手した、本当は敬礼したいところだが、目立ちたくない


客はそういって去っていった

「閣下それは何ですか」

「ああ、見たことないだろ、これはな、リモコンボートだ、先ほどの方はな、おもちゃ会社の役員をされている、それでこれをくれたのだ、プールで遊ぼうではないか」

護衛はうん?という表情をした

釣りの次は、おもちゃ?今までの閣下と落差があるなと感じたが、逆らうわけにもいかなかったので一緒に、モーターボートを操作して遊んだ、結構面白いものだった

元ロシア人の副官だった


・・・・

一方の俺は、パナマ国境にいた、入った方とは反対側、アメリカ方面への検問である

「ミル・マスカラス、メキシコには何をしに行く」検問の米兵である

「はい、いとこのドス・マスカラスに会いに行きます」

「そうか、よし通ってよし」

こうして、俺の中米旅ははじまったばかりであった


メキシコ人ミル・マスカラスはモトクロスバイクを駆って一路ひた走る

エンジンが焼き付く前に、別のバイクに乗り換える

寝る必要もなく、夜にライトもつけない

夜目が効くため、ライトは必要ないのである


そしてメキシコに侵入する、メキシコには検問所はあったが、砂漠を走れば、パスポートなしでも入国できた


メキシコ国境アメリカ側

「ジョン・スミス、合衆国には何をしに?」

「はい、息子のジョンソン・スミスがニューメキシコにいますので、会いに行きます」

完璧な本物の偽物のパスポートが用意されていた

素材自体は本物のパスポートを使っている、内容名前、写真が偽物であるだけである

もちろん、入国管理局でも、発見できなかった

「通ってよし、」

こうして晴れて米国入国を果たした俺、少し国境の町で寝た

尻が痛い


ロスアラモス、ここで核兵器の研究が行われている、ハズだったが、今はなんと研究施設を建設中の真っ盛りだった、先制攻撃するつもりでやってきたが、まだ、建設途上だったわけである、しかし、こんなものを一瞬で作り、そこで開戦期間中に核兵器まで完成させる米国とは本当に恐ろしい敵である、その国力は信じられないというしかない

ロスアラモスは気候のよい、田舎町といった風情である


いずれ研究都市のような存在になるようだ、俺は、砂漠にポツンとある、実験場みたいなものを創造していたが、全然違った

小高くなった林から、建設現場を眺めている

すでに、何棟かは研究施設ができており、そこで研究はなされているのであろうか?

わからないが、研究者のような人間はぽつぽつといるのは確かである

せっかく来たのであるから、プレゼントを置いていってあげようと考えた

インベントリには、今度開発した日本版グランドクロス(4t)が数発入っているのだから。

もちろん、米国からの原爆はプレゼントは断固拒否したいものである


しかし、このグランドクロスをどのようにプレゼントするかは考えていなかった

建設現場には有刺鉄線が張られ、陸軍が警備を行っている

本当は、空中に爆弾を取り出すことを考えていたのだが、其れだと100m先にしか出現しない仕様になっている


ということで夜になるのを待った

深夜、建設は昼夜兼行で行う模様

しかし、関係なく侵入を開始、有刺鉄線付きフェンスを飛び越えて侵入

建設完了したビルの最上階へと壁を伝って登る、某クモの人みたいだ、誰か撮影していないのか?

屋上に、こっそりとグランドクロスを立てておく

そして、完成した研究棟すべての上に設置完了する


遠くから見ると、水道のタンクのようにも見えないこともない

朝になると宿舎から研究者たちが、施設に向かうが屋上の鈍色に輝く水道タンク!に気付く人間はいなかった

屋上を見下ろせる木立にひっそりとM2重機関銃狙撃型を複数台設置する、さすがに2KM以上射撃を連射で対応するのは無理である

一台一発に照準を合わせ準備完了


スコープはグランドクロスの信管をとらえているが、おれの射撃スキルの心象風景では赤い点が左右上下に微妙に揺れている、おそらく風などの影響を受けているのではなかろうか

其の心象映像がぴたりとあった瞬間、引き金を引く、ドッツ!単発になっているM2が吠えた

銃弾がグランドクロスの信管をたたいた

ドドドドーン

大爆発と地響き、火炎と黒煙が立ち上る

俺は、すでに2台目のM2の引き金を引いていた

ドドドドーン


その時一発目の爆風がこちらにも押し寄せてきて、砂煙でなにも見えなくなる


しかし、心象映像は、ターゲットをロックする

ドドドドーン第三段の爆発が起こる

すでに爆風がキノコ雲になっている

4発目、5発目は、爆風に煽られた建物が自らつぶれて落下し爆発を起こす


俺は、煙の中で、M2を収納し、その場から離れた


・・・・

JAPの攻撃か?それともテロか謎の爆発事故

米軍の研究施設は謎の爆発事故を起こし、死傷者が多数に上った

新聞にはそのような記事が後にのった

この事故で、米国は、原爆開発の主要研究者(実はもう来ていた)が複数死亡し、開発が大きく遅れることになったのである


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― 新着の感想 ―
[一言] 優秀な科学者皆殺しですか? 勿体ない、ユダヤ系の科学者も多かったはずなのに、、、
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