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ハワイ占領作戦

ハワイ占領作戦


大日本帝国艦隊呼称第21艦隊(ロシア公国義勇軍艦隊)旗艦「神武」に俺はいた

帝国の統合作戦本部では、アメリカを一気に寄り切るためには、ハワイ占領は必要不可欠な事項と決定された


すでに、米国太平洋艦隊派事実上消滅しているにも関わらず、米国は、講和拒否、徹底抗戦を叫んでいた

「卑怯な日本を許すな、ハワイの仇を打て」

まず何が卑怯なことなのかは不明である、戦闘開始以前に宣戦布告を行っている

さらに言うと、宣戦布告なく戦争に入る行為自体もよくあることで、これを卑怯とはいわない

ハワイの仇というのも不明である

ハワイでは、日本側は軍事施設以外は攻撃しなかった

民間人の死亡者は、日本軍機に向かって、攻撃行動をとったものにたいしての機銃掃射であり、死者の多くは米国側の対空砲火の落下によるものであった


軍事施設で働いていた軍属が大勢死亡したことを言っているだろうか?


ハワイ防衛隊はすでに限界を迎えつつあった

連日の空爆で被害は広がるばかり、すでに対空砲は破壊され、其れ以前に弾薬も尽きていた

そして、この作戦が動きだしてからは、一時いなくなっていた、飛行艇(海鵬)もやってくるようになり、4発爆撃機(大鵬:海鵬の陸上機改良型)も頻回に爆撃にくるようになった

ハワイ防衛隊(陸軍)の兵力は8500、海軍兵も入れれば1万程度であった


ありったけの地雷を海岸、砂浜に埋めるくらいしか、対抗策はなかった


1941年10月10日未明(ハワイ時間)

ミッドウェー島から、大鵬部隊100機がハワイへとむかう

同時に、ミッドウェー島から近くの環礁に存在する飛行艇基地からも、100機の海鵬がハワイへと向かう

片道5時間のフライトである

大鵬は海鵬と違いターボプロップエンジン搭載しているため、爆弾搭載量が2.5倍の5tとなっていたので、80番6発を腹の中に詰め込んでいた

海鵬の場合は2発を懸吊している


連日の偵察で敵が、海岸に地雷を埋めていることは確認できている

朝日が出るころ、爆撃機隊は、オアフ島に到着、爆撃を開始する

撃ちあがってくる対空砲はほぼない

彼らは、決められた地点に対して、しっかりと狙いをつけて投弾を行う

ノースショアの砂浜に突如猛火の塊が発生する

特80番が数発、砂浜でさく裂した

それを近くで見た米兵は即死、遠くで見たものは火球が発生したことを確認できた

一生懸命埋めた地雷がその一撃で誘爆し、簡単に上陸を許してしまうとは、生き残った兵士はきづかなかった

たとえ気づいても、今更どうしようもなかったであろうが・・・


次にやってきたのは、まさに、無数の航空機であった

大連合艦隊の空母は天城、赤城、飛龍、蒼龍、翔鶴、瑞鶴、紅鶴エンタープライズ白鶴レキシントン、隼鷹、祥鳳の大小10隻、搭載している航空機は、700機に上る

それに、ロシア義勇軍艦隊の空母は超空母「青龍」「白虎」「朱雀」「玄武」それに、新造艦「アレクセイ」「ピョートル」、「加賀」、「土佐」の特大6大2である

搭載機は880機である

ロシア義勇軍の戦闘機はすべて、「紫電改」へと換装されている

攻撃機は、新型攻撃機兼爆撃機「流星」へと換装されている

すでに、DEに完全子会社された愛知航空機が開発した新型機である


それらの相当数がオアフ島上空をわが物顔で飛び回っていた

ハワイ住民には、日本からのラジオ放送(ミッドウェー島から発信)により、街中から疎開するように呼びかけられている


一部の米軍が果敢に反撃を試みるが、集中的に爆撃、銃撃を浴び殲滅される


そのあとは、沿岸に巨大戦艦群が並び艦砲射撃を開始、防御陣地を完全に破壊

次の日には、上陸部隊が上陸用舟艇で上陸開始と落下傘部隊が米軍の基地近くに降下、航空部隊の掩護を受けて、陸軍基地を占領し始める


ワイキキビーチにも、上陸部隊が上陸、新型戦車も登場する

米軍も秘匿していた戦車で応戦するが、携帯対戦車砲により次々と戦車戦前に破壊された


米軍は、抵抗しつつも、カネオヘ方面(東部)へ撤退していく


交戦は10日間続いたが、カネオヘからほとんどが本土へ向けて撤退していった


日本軍は、大量の物資を住民に供給しつつ、宣撫を行い、「ハワイ王国」の復興を宣言

米軍兵がいなくなれば、それほどの食料も必要なくなるので、わざと逃したというのが、本当のところであった


一部の米陸軍はオアフ島の山地にこもりゲリラ戦を展開している


占領軍は戡定作戦を実施し、早期に米軍及びゲリラ(主に白人)を殲滅することを目標とする、10万人の帝国陸軍はくまなく、山中を哨戒して回り、ほぼゲリラを絶滅するのに1か月を要した


占領後10日後には、第100建設師団(百瀬建設)が到着港湾工事、空港施設の建設を開始する


一方の脱出軍人たちを乗せた輸送船だが、残念なことに、ことごとくが、SX潜水艦の飽和攻撃によって海の藻屑へとなりはててしまった


ルーズベルト大統領はその悲報を聞いたとき軽い脳卒中を起こし、昏倒してしまった

何とか、回復した大統領は、今度はダッチハーバーが陥落したことを知らされ、気を失う


こうして、ハワイは完全にあっけなく占領されてしまう

航空優勢に制海権、物資不足ではいかに米国軍といえどもどうしようもあるまい


おおきな問題は、敵潜水艦をうまく駆除できないということである

SX潜水艦は静穏性、水中速度がいままでの常識から大きく外れており、しかも、海上から数十メートルで現れる、温度変化層を巧みに利用し、まったく発見されないのである


太平洋全域において、米国空母は全くなく、主要戦艦もハワイで撃沈破されている状況では、反撃の方策はいまだない、米国太平洋艦隊司令ニミッツは、潜水艦でオアフを脱出しサンフランシスコにいたが、エセックス級空母の完成がなるまでは、反撃作戦を実施できないため、大統領あてに辞表を提出した

大統領はそれを慰留したのである


・・・・・

一方大日本帝国内では、そのような戦勝報道は極力されないように配慮していた

この時代の新聞は戦争に積極的に協力するような報道がなされる傾向があった

もちろん、提灯記事もあったのだろうが、戦果報告を派手にぶち上げれば、部数が伸びたのである

今では、政府批判しかしない、朝鮮半島新聞かといわれる新聞社も同様であった


治安維持局は、新聞を検閲し、そのような派手な戦勝報道をさせないような「指導」を続けていた


そんな中ハワイ王国復活だけは大大的に報道されている

早速、国連(国際連盟)に国として認めるように申請を行っている

日本、ロシア公国が賛成する、イギリスは反対

米国は国連に加盟していない

独立した?アジア諸国も次々と祝電をハワイ王国に打っている

大日本帝国は真珠湾基地を租借することとなっている

ハワイ島の白人は米国への強制送還あるいは日本で隔離されるか選ばされることになる


・・・・・

「ハワイからサンフランシスコまでは約3,800㎞これを爆撃し戻るには、7,600㎞の航続距離が必要であるが?」

「海鵬の航続距離は7200㎞程度です」

「そうですな」

「そこで富嶽計画です」

中島飛行機の総帥、中島知久平である

中島は、陸軍の面々を前に、持論を語る

巨大爆撃機を作ろうというのである

中島飛行機は、俺のいた日本史では、数多くの機種を製造し、日本最大の航空機会社であったが、この世界軸では、最大の航空機工業は、おそらくシコルスキーACか川西航空機である、エンジンメーカーはDEが他を圧倒的に引き離している

逆に言うと、その分、中島も三菱も余力があるのである

しかも、多品種少量生産のごとき他機種は、統合本部が決して許していない

零戦(海軍)も隼(陸軍)も同じ戦闘機であり、部品も共用できるよう規格も統一されている


ゆえに、中島飛行機は大きくなれていないのである

そこで、反撃の一手が、「Z計画」富嶽であった


俺としては、開戦前から研究しておいてほしかったと思いつつ、中島の話を聞いている。

必要なものは、自前で生産研究してきた俺は、できるだけこの時間軸に対しては、干渉してこなかった(お前が言うなという声が聞こえてくる)


この話が来たとき俺は、中島氏宅を訪問し、一枚の絵を渡しておいたのである


俺が書いた絵はB29だった

それを見た、軍艦総長平賀譲(この世界では東大総長にはならなかった)は「お前、絵が下手すぎ」と突っ込んでくれたので、「でも、平賀教授は船しか書けないでしょうが!」

とあおると

「バカ者!そんな訳があるか、儂が描いてみせるわ!」と意気込んで俺の代わりに書いてくれたものである平賀作の「B29」は、見事な絵となった

俺は、その平賀作に平賀のサインと花押を書かせるとそれをもって、シコルスキーの社員に同じものを書かせて、原本を自分の懐にいれてしまった、こんなお宝はめったにあるまい!


そのコピーのB29の絵をわたして、プレゼンするようにいったのである

「先生の富嶽はバカでかすぎて、現実的にはかなり無理があります、我々海軍はそれに反対するでしょう、しかし、この絵くらいの爆撃機であれば、十分作れると思います、この絵の「富嶽」であれば、海軍は賛成するでしょう」と意図的に誘引する


「此処まで用意しているであれば、そちらで作ればいいのではないか?」中島は怪訝な表情を浮かべる

もちろん、DEやシコルスキーACが俺の関連会社ということは知られているし、川西にも資本提携し、愛知航空機にも手を入れているのは、この業界では十分知られている

「私どもが作れば、口さがない連中は、高野がまた儲けを独り占めということでしょう、私は別に、利益を独り占めにしたいわけではありません」



今や、ロシア伯爵たる海軍中将高野九十九は、ロシアのスパイであり、日本で得た軍需の利益をロシアに流すひどい奴であり、国賊であるといわれている(もちろん一部でだが)

四字熟語でいうと「貪官汚吏」ということになるらしい


もちろんそんなことはない、俺はロシアの富を使って、連合艦隊以上の機動艦隊を作り、戦車軍団を作り、潜水艦隊を作っており、上がった利益の一部はスイスの金融機関の口座に隠匿していることは、ほぼ知る者はいないのである

高野グループの経営トップはほとんどが、そのようにしているしそうするよう、指導している。

この世界、戦争で負けた場合はつるし上げられるのであるから、逃げる先を用意するのは当然のことであると俺は考えている


負けた場合、高野グループの企業はほぼ確実に戦犯企業となるであろう!


いつも読んでくださりありがとうございます。

いよいよ、在庫がなくなりつつあります。


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