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閑話 子息会

閑話  子息会


都内某所

そこは、巷でいわれるロシア要塞という巨大邸宅の一室

「ついに、大公に待望の御子がお生まれになりましたね」

アレクセイ大公には、子供ができないのではないか?といわれていたが、つい最近になって、子供ができたのである


アレクセイ大公は、外交上の問題で日本皇室の血縁者と婚姻をした

ニコライ元皇帝はとても反対したが・・・


「これで、僕も自由にできるというものです」そういったのは、わが息子マキシムである

彼は、アナスターシャに似ていてとても美しい顔立ちの青年になった

その子供ができるまでは、皇位継承権が高かった、もちろん今でも高いが、その子供に子供ができるようになれば大幅に下がる


「まさか、本当にパイロットを目指すとか言いませんよね」

いかにも、精悍な感じの若者がいう、彼は、軍服風の制服を着ている

リヒトホーフェン航空学校の学生の正装である

ヴォルフガング・フォン・リヒトホーフェンである

その横には、似た感じの顔のヴェルナー・フォン・リヒトホーフェンが立っている

彼らは、ドイツ人エース、マンフレートとロタールの息子たちである


「僕は、後ろでいいので、乗せてほしい」そういったのは、いかにも、ドイツ人といった感じで何か考えている風な若者クルツ・ディーゼル

DEの若社長である


ちなみに、彼らは、全員日本人とのハーフである

ディーゼル氏、リヒトホーフェン兄弟は日本に来てから結婚した

ディーゼル氏の場合は、もともと結婚していたが、結婚生活はうまくいっていなかったので再婚である


「うんうん、それで、機銃は30mmを搭載してはどうかな」

一番年上な感じの陽気なアメリカ人ジェームス・ブラウニングが笑う

彼は、ブラウニング氏三番目の婦人(日本人)の息子である

BFAの専務になっている

「僕も海軍航空のパイロットを目指すよ」と有栖川宮の息子孝仁王・ロマノフ

此方の方が、わが息子マキシムより、皇位継承権が高い

アナスタシアの姉との子であるためである


俺が関係する重要人物には、日本人嫁を何とか斡旋し、関係を強化させてきた結果がこの部屋にいる子供たちである


もちろん、ミハイル・トハチェフスキーの娘、シコルスキーの娘、そのほかにも嫁たち、などがこの部屋に一杯集められているのだが・・・


「30mm機関砲は本土防衛の局地戦闘機が良いでしょう、何でもジェットエンジンで飛ぶらしいものを開発しているとか」戦闘機事情に詳しいらしいヴォルフガングが日本語でいう

彼らは、日本語で話すことができる

「しかし、そのようなものが出るようでは、日本は負けだな」とマキシム

「そうですね、我々も戦争が始まれば、北海道かウラジオストクに疎開せよといわれています」とヴェルナー

「相手を爆撃できるような長距離を飛ぶ航空機の開発ができればな」

「まさか、太平洋のむこうですよ」

その時、クルツがくくと笑う

「私がエンジンを開発している奴はおそらくそれを狙っていると思われます」

超軍機であるはずが簡単に出てくるところにここの恐ろしさがある

「そんなエンジンあるの?」

クルツが東京帝国大学でその方面の勉強してきており、もともとの適正もあったのか、開発にかかわるようになっている

「おじさんがまた、夢をみたって」皆一応にまたかよという顔である

もちろん夢を見るおじさんとは俺のことである

「でも、それはジェットエンジンの亜種みたいなもので、ジェット流でプロペラを回すんだよ」

「なんでジェットなのに、プロペラ?」

「まあ、詳しくは機密なんで、その関係でシコルスキーさんとこも研究に参加してる」

「へー回転翼機を作りたいとかいってたやつに関係するのか?」

「縦方向に使えばよいって、夢で見たらしい」またかいという顔の子供たち

「俺も夢見るけど、そんな夢みたことないな、ほとんど覚えてないし」

「みんなそうだと思うよ」

「だよな~」



本日大人の男どもは、別室において、高野グループの株主総会を開催しており、此方の部屋は、株主の家族の慰安と交流を主な目的としていた


「1938年中にすべての準備を終えるように、皆にはお願いする」

俺が、壇上で頭を下げると、万雷の拍手が沸き起こる

各企業の生産備蓄計画の完了期限である


演壇の後ろ側には、高野系、岩倉系、藤系、百瀬系、BFA、DE、シコルスキーACなど企業の取締役たちが座っている

演壇の前方には、それらの関連企業の役員たちが座っている

本多金属、八木宇田アンテナ、宇田岡部レーダー、七味油圧などの独立系はその後ろ、拍手する側に座っている、川西、愛知航空アツタなども出資される側としてこちらに配置されていた


まるでどこかの国のような光景であった

「わが日本を守るときが近づいている!今こそ我らの力を見せようではないか!」

俺には、あんまり、演説の才能はないようだった


しかし、会場は「おー」と大興奮である


「高野総帥!ばんざ~い!」岩倉がいらぬ声をかけると

会場は万歳三唱の嵐と化すのであった


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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで北の国?かな? いつも更新あざっす!
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