閑話 続真珠湾攻撃計画
閑話 続真珠湾攻撃計画
「しかし、真珠湾の奇襲が上手くいくかどうかわからないのに、その後の攻撃計画というのはどうなのでしょうか?」
「問題ない」と俺
「そもそも、南方作戦のための時間稼ぎのための計画なのでは」
「そうではない、積極攻勢計画である」
「しかし、国策方針と違うのでは」
「まあ、そうかも」
だいたいの人間がまたか!という顔をしている
「ついでにやるだけで問題はないハズ」
「いえ、おおいにあるのでは」
「軍令部はどういっているのですか」
「問題ない、抑え込む」
「しかし、高野」と南雲中将
「もちろん、南雲は賛成だな」と俺
「お前が言い出すと反対しても無駄なのはわかっている」
ここには、俺が懇意にしている連中がそろっている
「でも、この計画には、陸軍も参加する予定になっていますし、」と山口少将(多聞でなく参謀の方)
「海兵師団は、ミッドウェー占領ですか」と山口多聞大佐
「陸軍がグアム占領ですが?」
「ミッドウェー攻撃を占領に切り替えただけだぞ」
「しかし、物資の輸送が難しいのでは」
「グアム攻略もわが艦隊の艦砲射撃で早期決着を図る」
「しかし、海兵はまだしも陸軍が力を貸してくれるのでしょうか」
「永田総理とは話をつけている、東条中将ともな」黒い笑顔の男がニヤリ
「早期に、ミッドウェー、ウェーク、ジョンストンは落として、航空基地化する」
「つまり、ハワイ占領を計画しているということですか?」と南雲
「もちろんだ、そのために、現地でも破壊工作員を潜入させているし宣撫工作も行っている、ハワイ王国復興は、欧米に対する大変な脅威になるはずだ」
「ですが、なぜここで、うちわだけで計画しているのですか」
そうだ、ここには、内輪の人間しかいない
「そうだな、なぜだろう」と俺
「面倒なことは、人にやらせる癖があるからです」と岩倉
「この、旧型戦艦とかですか?」と山口参謀
富士、朝日、敷島と書かれている
「何に使うつもりですか」
「頼んだぞ、参謀」
「え?俺ですか」と山口参謀
「しかし、潜水艦部隊もこの配置は、全力出動ではないのですか」と山口多聞
「そうなるのか、我がロシア艦隊は全力出動だがな」
すでに、訓練済みの艦隊が、ハワイ、サンディエゴ間に配置するべく、沖縄、台湾、父島に集結し、補給を受けているはずである
残念ながら、完成200隻のうち訓練済みは、100隻である
この人員不足問題及び魚雷不足問題に関して、軍令部にたいして強硬に抗議した
脅しの意味で日本刀を送ってやったが、大変貴重なものをありがとうございますと礼を言われてしまう
いや、殺すぞという意味ですが・・・
Xデイ及び必要人員については、数年間から注意していたからである
「基地化工事は、百瀬建設ですか?戦場ですが」と岩倉
「工兵隊では、工事が遅かろう、一刻も早く行う必要があるのだ」
「総長、少し焦りすぎでは」
「そうか?」
「はい、総長、天の時、地の利、人の和が無くては勝てないと総長はことあるごとに言われておりました」
全くそのようなことは記憶にありませんが・・・
「総長語録の94ページです」
「総長語録?」
「はい、高野九十九常在戦場語録です」
「なんだそれは?」
「まあ、そこは、気にするところではありませんね、問題は、これらの要素が欠けているということです」
「ところでその語録とは」
岩倉は回答しなかった
「では、皆さん、根回しと気遣い、袖の下をしっかり使って、目標を達成しましょう」と岩倉は会議を打ち切ったのである




