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パンケーキ

「では、まずは家族を我々が保護しますので、その後閣下には、亡命していただきます」

特殊映像により篭絡させたトハチェフスキー将軍に俺が言う

「ロシアか」いま将軍が戦っている相手こそ、人民の敵ロシア王家である

「そうなりますが、別においやであれば、退役されてもかまいません」と俺

「考えさせてくれ」

「もちろんです、我々は閣下が抜けていただけるだけで、かなり有利になると考えています、日本でゆっくり余生を過ごされてもかまいません、そういう人間を斡旋してあげますよ」頭の中には、銃を研究する老人や冷蔵機器を開発する老人、エンジンの開発をする老人などが浮かぶ

「ああ、それもいいかもな」

「では、今日はこれで、お暇しますが、家族の方が私の言うことを聞いていただけるような何かをいただけますか」

「では、手紙を書こう」

「よろしくお願いします」


「準備が整ったら、またまいりますので」


そういうと、男は野戦用の司令部天幕から風のように消えて行ってしまった


・・・・・

その後は順調だった、家族の保護は、アバレーエフの部下が手伝ってくれた

国外に無事連れだし、フランス経由イギリス、そこから、岩倉商事の船で日本に行くことになる




「閣下、お久し振りです」と俺

「おお、どうだ家族は?」と将軍

「今は、フランスの港で閣下をお待ちです、イギリス経由日本行です」

「では、俺はどうしたらよいか」

「閣下には、とりあえず死んでいただくのが適当かと思います」

「殺すつもりか」

「もちろん代わりの死体を用意しますので、服を脱いでください」

「おい」

「荷物も持ってきてください、それと閣下には、普通の兵の服装を着ていただきます」

と一般兵の軍服を渡す


死体に将軍の服を着せる、死体は収納の中に用意していたものである

「準備はよろしいですか」

「ああ、だがどうする」

「こうします」

顔に向けて発砲する バンバン


「曲者!暗殺者だ!誰か来てくれ!将軍が撃たれた」

「逃げたぞ!おえ!」


兵隊が宿舎に入ってきて大騒ぎになる

「向こうの森に逃げていった、直ちに、追え!」

「は、向こうの森だ急げ」

警備兵が去った後俺たちは、ゆっくりとそこを後にした


・・・・・

俺たちは、余裕で別の方向の森まで逃げると、一般人の恰好に変わる

もちろんパスポートも偽物を持っている

「アレクセイ・ニセモノダーエフ」将軍のパスポートにはそう書かれていた

「ピョートル・カワリモーノフ」俺のパスポートだった


おいと突っ込みを入れる相手がなかった


「その車はどうした」

「閣下、詮索はご無用に願います、いろいろと突っ込みどころはあるかもしれませんが」

「そうなのか」

「では、行きますか、アレクセイ」

「そうだな、ピョートル」


いろいろと戦略の話をしながら、ドライブは続く

何度か、エンジン故障、タイヤパンクを乗り越えて、旅は続く


「とまれ!」赤軍の小隊が声をかけてくる

「どうしました」

「この車を徴発する」赤軍の兵士が返す

相手は、5人である

「すいません、これがないと動けません、これでお願いします」

10ルーブルほどの金を出すが

「死にたいのか」小銃を突き出してくる

俺は、車から降り、兵隊の近くにいく

5人が近づいてくる

「見逃していただけませんか?」もう10ルーブルをポケットから取り出す

「お前らを殺せば、懐の金も車も俺たちのものだからな」と赤軍の兵士が笑顔で凄む

「そうですか、アレクセイ聞きましたか?我々は殺されますよ」

兵たちの顔がトハチェフスキーに向くその瞬間

白刃がひらめき、4人の首を薙ぎ払い、残り一人に、その後突きが繰り出される

武器と金をあさって、再出発する

「いやー、危ないところでした」

「お前、どこから剣を」

「見なかったことにしてください」

「お前あの時、撃っても当たらん見たいなこと言ってたが」

「ええ、当たりませんよ」


「しかし、前線のモラルが低いことは問題だな」

「そうです、民間人を徴発しただけですからね」

「嘆かわしい」

「まったくです」


その後も何度か同じようなことを繰り返しつつ、やっと、フランスの港町にたどり着く


家族と親戚の顔をみたトハチェフスキーはとても幸せそうな顔をしていた

きっとこれでよかったのであろう

こうして、トハチェフスキー一家の脱出は成功したのである


・・・・・

ウラジオストクにようやく帰ってきた

トハチェフスキー将軍はいまだ、進路を明確にしていないが、家族は、日本の長野県あたりでゆっくり過ごしてもらうことにする、東京だと戦争になれば、空襲の可能性があることを説明した


「一応の人質ということだな」

「別に、そういう意味ではありませんが、そう考えられても、構いません」

「とにかく、一応、新陛下に謁見したいものだ」

「わかりました、私が段取りをつけますので、ウラジオストクに一緒にまいりましょう」

「高野さん、よろしくお願いする」

「ピョートルでいいですよ」

「偽の名前だろ」

「そうですね、じゃあ九十九で」

「俺のことは、ミハイと呼んでくれ」

「わかりました、じゃあミハイ行きましょう」

「ああ、ツクモたのむ」


旅行中にすっかり仲良くなってしまった

「総長、お帰りなさい」と岩倉

「岩倉、こちらは赤いナポレオンのミハイル・トハチェフスキーさんだ」

「は、ミハイルさま、岩倉であります、よろしくお願いします」岩倉は敬礼した、ちなみに彼は軍人ではない

「よろしく、岩倉さん」ミハイは岩倉と握手している


「早速でありますが、藤の後任がまいっております」

「うむ、とおせ」

部屋に、男が入ってくる

「柳一誠であります」男が敬礼する

「ご苦労、柳か、これから頼む」

「は、恐れ多きお言葉」

ミハイは面白そうに見ている


「実はな、柳よ」

「は、総長のために、メープルシロップ、砂糖と蜂蜜を持ってきております」

「いや、それだけあってもな」

「舐めて食べるのではないのですか、総長が甘い物好きであると聞いております」

「そうなのか?そんなことを言ったことはないのだが」

「え!」

「まあよい、そうだ、柳、小麦粉の出来は良いか」

「もちろんであります」

「では、バターはどうか」

「はい、かなり生産できるようになっております」

「そうか、なら、パンケーキを作るのがよかろう」

「総長、なんですかそれは」



「では、ミハイもいるし作ってみるか」

そうして、なぜか、パンケーキを作ることになる


これに、バターを置いて、メープルシロップをかけると。この時代にあったかどうか不明であるが、パンケーキが完成する(以前から藤食品グループで帝都で販売中、すでに忘れている)

「奥様が喜びそうですが」

「では、呼んできてくれ」


「おお、これはうまいぞ九十九!」ミハイが焼けるそばからかっぱらって食べてしまう

「ミハイ、遠慮しろ」

「柳、お前も焼いてみろ」


そうこうしているうちに、おなかの大きくなった、スターシャもやってきた

「あなた!」

「スターシャ」しっかりと抱きしめて愛情を表す

もうすぐ、生まれそうだ

なにがって、俺の子供だよ!


「柳の焼いたほうは、それほどでもないがうまいぞ、やはり九十九が焼くべきだ」

ミハイは、どうしたのだろう?

「ええ、あなたの焼いたほうが美味しい」

スキル「料理」のせいであろう

「いや、私は、パンケーキを焼くために、帰ってきたのではないのだが」

「まあ、そういうな」とミハイ

「はい、総長の料理は昔から、人を餌付けするのためのものでしたからね」と柳


・・・・

「で話を戻すが、柳よ」

「また、とんでもないことを言うんですね、藤社長から聞いております」と柳

「!」

気を取り直して、「そんなことはないぞ、柳よ」

「で、なんでありましょうか」

「ロバを飼ってほしいのだ」

「ロバですか」

「そう、ロバだ」

皆が、一応に首を振る、縦に振るものは少なく、横に振るものが多い、なぜだ!

「一応、藤社長はここで、理由を聞かずによく時間を無駄にしたといっておりましたので、理由をお聞かせいただいてもいいでしょうか」と柳、説明がなく、無駄に時間をすごした経験が生かされている?

「馬だとな、船での移送中にほとんど死んでしまうのだ」

「それでロバを」

「そうだ、荷駄にはロバのほうが向いているのだ、頼むぞ」

「わかりました、できるだけロバを増やします」

英国はロバをうまく使ったが、日本は馬を使おうとして失敗してしまったらしい


「九十九、これからは機械化の時代だぞ」とミハイ

「しかし、すべてがエンジンで代われるわけではあるまい、厳しい山越えなどの時は、動物に頼らねばならない時がある」

「そうだな、なかなかいい目の付け所ではないか」

「君にそういってもらうと、なんだかうれしいよ」


・・・・


ミハイル・トハチェフスキーは新王(大公)アレクセイに謁見した

態度は保留したが、現在敷かれている陣地については、陣地構成の監督官として監督することを約束してくれた、赤いナポレオンに任せておけば問題はないだろう



国内(ロシア大公国)の赤狩りは熾烈を極めたが・・・

この世界では尼港事件は起きていない、侵入してきた、赤軍パルチザンは、M2重機関銃と迫撃砲の猛撃にさらされ、あっという間に、全滅されたことを付け加えておく


世界には、出回っていないが、ついに、ブローニングM2重機関銃が完成し、わが部隊(長岡、新潟、東京、関東いつの間にか部隊数がふえているが)に標準装備が始まっている

60mm、80mm、100mm、120mm各口径の迫撃砲も順調に配備されている

さらに、AK47に範をとった突撃自動小銃、BAR軽機関銃、スナイパーライフル、対物ライフル等が順次配備されている(すべてBFAの裏メニュ-の製品だ)

ちなみに、各部隊員は、各地の元不良少年と元ヤクザである

今後は、長岡を第1、新潟を第2、東京を第3,4,5、関東を第6部隊と呼称する

東京は人口の関係で多くなるのである


・・・・・

ついに念願の第一子が生まれる

高野・マキシム・万里バンリと名付けられる

こちら側の親はすでにいないので、祖父はニコライ2世夫婦しかしないため、すでにニコライ2世は爺馬鹿になっているとのことであった

彼のためにも、平和な世界が来ることを祈っているのだが、難しそうである

いつも読んでくださりありがとうございます。

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