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王家

1918年(明治51年とはならなかった、この年始めついに明治帝がご崩御なされた、改元され大正元年となる)

1917年に交わされた、石井・ランシング協定の結果、満州における日本の利権は暗黙の中で守られることになった、そこで日本政府は、満州国建国を画策し、行動に移す


アメリカは直ちにそのことについて異議を唱えたが、日本は、「満州を手放す条件は、アメリカのハワイ開放、米本土の西半分をネイティブアメリカンへ割譲、残り東部の半分の南部については、それ以外の有色人種に割譲せよ」との回答を行う

「そんなことが、認められるか」激高する米外交官

「日本のやっていることのほうが、はるかに現地の民族の意に沿っているはずだ、満州国の王は、満州人である」

「傀儡政権ではないか」

「では、ハワイは傀儡でもいいので、国家として独立させよ」

ハワイは独立王国であったにも関わらず、米国に占領、滅亡の憂き目をみることになった


はげしい、言い合いが行われたのちに、

こうして、会談は物別れに終わる


関東軍は直ちに、満州の軍閥掃討に入る

徹底的に、掃討作戦が展開される、しかも、日本軍の武器は最新式がそろえられ、軍閥の武器では、到底反抗できないほどであった


そのころロシア国内では大きな動きが起こる、ロシア王家が倒れ、ソビエトが樹立される

世界の流れは、シベリア出兵へと向かうが、日本は満州国平定に力を割いているので、それほど兵力を向けることができない状態となる

ただし、樺太には、かなりの軍を駐屯させている

サハ油田を守るためである

日本の自動車産業のエネルギー源を守る必要からである


陛下の斂葬の儀のあと、俺は乃木大将に会っていた、もちろん心配からである

「高野、心配はいらん、儂には、裕仁殿下をお助けする仕事が残っている」

「院長それを聞いて、安心しました、私は、次の仕事の都合で、ソビエトに行かねばなりませんので、国内の方は極力満州安定化の方向でお願いします、あと、シベリア出兵騒ぎで、米騒動が起こる可能性がありますので、注意をお願いします、北海道で私の部下の藤が小麦、コメなどを作っております、十分に市場に出すように指示はしていますが、この際、日本人には、小麦粉で作るパンなども食べるようにさせる必要があるかもしれません」

「お前は、本当に何でも気になる男だな」

「肝が小さいのだと思います」

はははと乃木大将がかわいた笑いをはなった


・・・・・

ソビエト領内エカテリンブルク某所(すでに革命でソビエトになっている)

「総長、ついに革命で国が転覆しましたね」

「アバレーエフよ、これから、一働きしてもらうぞ」

「総長、ここを片付けたら、アメリカで、マフィアと戦争してもいいんですよね」

「違うぞ、カナダで密造酒をつくって、アメリカで売るんだ」

「そして、マフィアと殺しあうんですね」なんか、昔の状態に戻ったような気がする

「まあ、ほどほどにしておいてくれ」

「じゃあ、こちらの状況ですが、さすが総長の読み通り、奴らは、例のイパチェフ館に閉じ込められていますね、別の館には、兵隊の詰め所があります、機銃座も4つほどあるようです」

「確認しておくが、殺すのは?」

「全員ですよね、ロマノフ家は民衆の敵ですよ」とアバレーエフ、しかしあんたは民衆じゃないでしょう?

「おい、殺したら、意味ないだろう」

「そうですか?」

「ほっといてたら、殺されるから来てるんでしょう?」と俺

「そうですか、わかりました、じゃあ、兵隊を皆殺しで」しぶしぶという感じのアバレーエフ

「そうだ、それでよい」とぐったり気味の俺


今回は長岡部隊から兵を10人ほど連れてきている、全員が現地人に成りすましている、もともと、アジア系の人種も存在する地域なのでそれほど眼立っていないはずである


「では、機銃座は、私の部隊に狙撃させる、アバレーエフは、敵軍の詰め所に爆弾を仕掛けろ、爆弾の爆破と同時に、狙撃隊が狙撃、機銃座は待機している隊員が確保、同時に私が率いる部隊が突入し、敵を一掃し、救助を行う、アバレーエフは、爆発の後生き残っている兵どもを皆殺しにせよ、遠慮はいらん」

「まったくしません」

「時間は夕方5時に決行、救助後直ちに、現地をトラックで離れ、オムスクに向かう」

「オムスクですか」

「そこまでいけば何とかなるだろう」

「わかりました」


狙撃部隊が散っていく

こちらは、夕方近くまで、この拠点にいる予定である

爆弾は、娼婦を送りつける車にプレゼントの酒の樽の中にかくしておくことにした


敵の規律は相当乱れているらしい


イパチェフ館から少し離れた場所にある監視兵の宿舎

「へい旦那、おんなどもを連れて気やしたぜ」アバレーエフの配下の男である

トラックの窓から男が、詰め所となっている館の前で、歩哨役の男に声をかける

「何?聞いてないぞ」

「そうですか、上司のかたが気を利かせてくれたんじゃないですか、金はもう受け取ってますので、入れてやってください、終わったら、帰らしてやってくださいね、あと、酒の方も持っていくよう言われてるんで、入れさしてください」どう見ても、その筋の男だったが、だから問題ないのである

「そうか、じゃあ、ここへ入れろ」

トラックから女たちがぞろぞろ降りてと建物へと入っていく

「おい、終わったら、すぐに帰るんだぞ」とドライバー

「は~い」女たちの幾人か答えるがほとんどは、聞いていない


酒樽を何たるも持ち込む、そのうちの一つが時限爆弾入りであるが

爆弾入りの樽を一番下にして、別の樽で囲んで隠す


「じゃあ、あっしはこれで、あいつらなかなかうまいですから、先生も楽しんでくださいよ」

「早く行け、順番早く来ないかな」歩哨役は気もそぞろである



「あと2時間だな」

「は、うまくいきました、あとは爆発を待つばかりですな」



午後5時

それは突然起こった!

どかっかああああーーーーん!火柱が遠目に見て取れた、どんな爆弾を使ったんだよ!

機銃座の兵士もその光景に我を忘れて立ち上がる

兵士の顔の半分がはじけ飛んだ、銃撃音も大爆発により目立つことはない


「突入するぞ」扉を力任せに蹴り飛ばす、扉の向こうに兵士がいたが、扉に殴り殺される

5名の配下が散らばっていく


俺は、建物の正面に向かう、二人の兵士が何事かという様子で出てきたが、即時に、ガバメントで射殺する

あちこちで、銃声が散発的に聞こえる


邸内に侵入するとまた一人兵が出てくる、眉間を打ち抜く


瞬く間に制圧が完了する、内部には、十数名しか配置されていないからである

「失礼しますよ」家族は地下室の一室で固まっていた

「私たちを殺しに来たのか?」一番年長の男が顔を引きつらせながら聞いてくる

「誤解ですよ、私は皆さんを助けにきたと考えてもらっていいと考えています」

「本当か」

「多分大丈夫だと思いますよ」

完璧なロシア語をしゃべる俺

「なんで、たぶんなんだ」

「私も慈善家ではありません、こちらの言い分も聞いていただかないと、そういうことですよ」

「金か、金なら払う、だから助けてくれ!」

「金ですか?それも大事ですよね!、皆さんは価値のある人間です、だから相当のお値段になると思いますが、大丈夫ですか?」

「何が目的なの!」今度は母親が声を上げた、さすがにこの場で値段を付けられそうなので、この人でなしに一言言ってやろうと思ったのであろう


その時、外で機銃がパンパンとうなり始める音がする

「総長、ここはいったん撤退しましょう」

「みなさん、とりあえずここを離れましょう、皆さんの大好きな赤軍がきてくれたようですから」

全員を連れて、外にでると、館を囲む壁の外に、トラックが止まっている

「よし、全員乗車」さすがに、ロマノフ王家の人間と従者も従わないわけにはいかない、ここに残れば間違いなく、いずれ殺されるのだから


もう夜である、機銃の閃光が夕闇にひらめいていた


・・・・

エカテリンブルク郊外の森である

「お前は!」思わず声に出てしまった

「あなたは!」相手も同じような言葉を発していた

早速、条件の話をつけるべく話を始めようとした俺は、見てしまったのだ

「ジーク!」

「あなた!」

我知らず、抱きしめていた、向こうも同じだったのであろう、そして泣いていた、向こうも泣いていた

もちろん、我々は見ず知らずの関係の人間である

片方は、日本人(?)、片方はロシア王女、関係がある方がおかしいのである


周りの人間は何が起こったのかという、驚きの表情を浮かべていたが

「儂の娘から離れろ!」ニコライが怒鳴る

一瞬で銃を構える

「殺されたいのか!」

「やめて!」今度は娘が止める番だった

「父親なのよ」

「ああ」俺は銃を下した


かくして、誰もが理解しない間に、俺は運命の彼女と再会を果たしたのである

かつて、別の世界で出会い、縁を結び、そして死に別れていった彼女であった


その出会いは、俺の魂のロックを解除するかのような、衝撃であった


<第1階層のロックを解除開始しますか?><YESだ>


何かのコードが脳内を流れ落ちてゆく、パスワードを探すかのように、数字と文字が回転していく


「総長」部下の西が声をかけてきた

不信に思ったのであろう

彼は、かつてドイツに行くときに荷物持ちをしてくれた少年だった


「すまん」我を忘れていた、そしてまだ少女を抱いたままだったことに気付いた


かくして、運命が新たな展開を始めるのであった

女神が用意した隠しボーナスを発見できた瞬間であった、ってほっといたら死亡ルートだよね!!


空をにらむ俺がロシアの森にいた


彼女の名は、アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ、ロシア王家の娘である


いつも読んでくださりありがとうございます。

これ応援よろしくお願いします。

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