海軍兵学校
日本人は、日清、日露戦争で勝利し、世界の列強に割って入って大いに悦に入っていたが、これが、今後の多くの悲劇を生み出す原因つまり驕りとなることをまだ知らない。
勝てば傲慢、負ければ悲惨、戦争とはそういうものである、戦前のメディアも大いにあおったのである
その根本は人の性かもしれない、しかし、常に謙虚さを大事にする必要があるのである
「実るほど頭を下げる稲穂かな」
現代戦争とは勝者なき戦いであり、ひとたびたたかえば、総力戦となる、銃後も破壊しなければ戦争を終結させることはできない
俺は14歳!で海軍兵学校生となる
まあ、目隠し女神の加護か?お陰で身体的には、身長175センチまで成長していた
学校の入学要件は16歳であったのだが、適当に16才と年齢を偽って、書いたのだが、何とか入学することができた、本当によくばれなかった?な
第36期の同期には、運命のミッドウェイ作戦の南雲司令長官や、有栖川の宮様がいた
思わぬ収穫であろう、徹底的に南雲君を教育しなおすチャンスである
宮様とは、仲良くなって、皇族を紹介してもらわねばならない
入校後すぐに、歓迎の会が開かれることになった
先輩数人が、校舎裏に呼び出してくれた、身長が高いので、目立つのか?
さすがに、兵学校!みないい体をしている。背は低いがな・・・
「おい、貴様!ちょっと儂らが、稽古つけてやる」
どこにでも、こういう奴はいるものである、5人の先輩方が竹刀をもって歓迎してくれるらしい
「総長、私が」山口参謀である
「よし、参謀あちらの二人を、こちらは私がやる」
時間があれば、稽古を行ってきた、なかなか、最近は会社系の仕事が忙しく、山口参謀も勉強が忙しく、戦闘訓練は一緒にできていなかったが、無手格闘術(おもに合気道)はお手の物である
「お前らふたりでいいのか、一緒でいいぞ」先輩は一人で相手をしてくれるようだ、自信の表れなのだろう
「いえいえ、こちらが一緒に相手しますよ」
俺が数歩前にでる
「もう、始めていいですか」
背だけは先輩より高い、先輩は顔を紅潮させて、殴りかかってくる、紙一重のさで軽くかわし、その腕をつかんだ瞬間、相手は空を舞い地面にたたきつけられた。べしっと音がした。
4人が一瞬で倒された
しかしである、残りの一人からは、尋常でない、殺気が放射されるている
竹刀でも相手を殺せそうな雰囲気がある、本当に殺すことができる技量があるのか?
剣先がゆらりゆらりとゆれている、頭の中に警告音が鳴り響く!
その時あいての竹刀が必殺の突きを打ち込んでくる
バシリと剣先たたいて、こぶしを鳩尾に突き入れる
「ぐ!」相手は何とか後ろに飛びのいたが、一瞬遅かった
「まいった」相手が言う
「先輩なかなかお強い」
「後輩に言われたくないがな」
「先輩なら、すぐにもっと強くなれそうですね」
「貴様、後輩のくせに、生意気だな」
「失礼しました、高野九十九であります」
「俺は、兵頭だ」
「こっちは、山口参謀」
「山口勇です、よろしくお願いします」
こうして、新たな仲間が加わった
え?そうなの?
「高野と山口か、お前ら強いな、何かあったら俺らが相談に乗ってやるから何でも、いって来いよ」
「ええ、いろいろとご相談したいことがこちらにも、山積みなので、顔の広そうな先輩が後ろ盾になっていただければ、大変ありがたいことです」
「山口例のものを」
山口が風呂敷包みを持ってくる
「これをどうぞ」
「なんだ?」
「お!リバーシか」
「トランプもあるじゃないか」
「ええ、新潟の企業が作ってますからね」
「まだ、ありますから、入用であれば言ってくださいね」
「おお!すまんな」兵頭以外のものがみな笑顔になった
いつの間にか、賄賂で買収する場になってしまった
新年の幕が開ける
1906年(明治39年)
授業が本格的に開始される
新たな生活、勉強の方は何とかなるし、カッター(船)の漕ぎ手とかもやすやすとこなす俺、身体強化でかなり人間離れしてきたところである
だが、山口参謀はへとへとといったところである
あれから、2期上の先輩方もリバーシやトランプを取りにきたので、気前よく大盤振る舞いし、岩倉に手紙を送る(もっと送れ!)
基本的には餌付け、収賄でみなを仲間にしていく、侵食の方法はなんでもよい
・・・・・
「ええ、みな様よくお集りくださいました」
放課後の教室である
自由時間は少ないものの、自主学習は必要であるので、教室にいても問題ない
顔ぶれは、リバーシをもらった連中である
当然、同級生や上級生もいる
俺は教壇にたって、あいさつを行っている
他の人間は適当に席についている
「おい、高野、今日は何だ」
「はい、皆さんお忙しいところ、申し訳ありません、中身はこれから”見せます”ので、しばらくお時間を頂戴したいと思います、すぐに終わりますので、ご辛抱ください、なお、これが、リバーシをお渡しした時の交換条件になりますので、よろしくお願いします」
リバーシを大盤振る舞いした時の約束は、俺の話にちょっとだけ付き合うということを条件にしていた
「今日来られていない、ユーザー様には、後程参加していただくようみな様からご伝言をお願いします」
「では、皆さん、立ち上がって円を作ってください、それからとなりの人と手をつないでください」
「おい!何をさせるきだ、オクラホマミキサーとかいやだぞ、男同士で」
「じゃあ、ついでにみんなで、踊りますか?」「ううぇ!」
「早くしたいので、手をつないで、目を閉じて、はいあなたは私と」俺も円に加わる
「いまから、映像が流れますよ」
戦慄の映像が流れ始める、音は、実際の景色の音であるから、エンジン音や銃撃、砲撃の音である
真珠湾奇襲から、ミッドウェー海戦、沖縄占領、戦略爆撃、原爆投下、ソ連軍の侵攻、無残に殺戮される満州の日本人たち、多くの非戦闘員が無残に殺戮されている映像、目隠しさんにお願いして編集した、洗脳用映像である
洗脳用といっても、すべて事実の映像、アカシックレコードからの内容であるので問題はないハズである、ただし、真実である分だけ容赦のない映像でもある
それも、映像世界の中心で体感できるサラウンド感覚でだ、某体感型MMORPGの世界のようにといえばいいのだろうか
ほんとどの学生が泣いていた、あまりの悲惨さに、特に後半は、次々と悲惨な光景が無慈悲に流れてくる
「今のはなんだ」
「はい、どうでしたか?これから日本は世界を相手に戦うことになりま~す」
「!」
「そして、わが国は敗戦し、ああなります」
「!」
「私自身、どうにかできるならと思いますが、人の身故できることには限りがあります、そこで、皆さんと団結してやっていきたいと思っています、どうですか?」
「皆さん、総長、いや、高野は今まで、本当にいろいろと準備をしています、長岡と新潟に私設部隊を創設し、会社を興し、日露戦争にも参加し、頑張ってきました、よろしくお願いします」と山口参謀はまるで選挙の応援演説の弁士のようだ
「お前、日露戦争って」
「ええ、今のは聞かなかったということで、お願いします」
「とにかく、私は全力をもって、原爆投下阻止を狙っていきますので、皆さんのお力を是非お貸しください」
そして、俺と山口は教室を後にした
いつも読んでくださりありがとうございます。