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001_全裸の美少女である。

ゆるっと連載開始です。よしなに。

――――――――――――――――――――


 俺の名前はニクス。

 色々と説明したいことはあるが、

 まずは今の状況を聞いてほしい。


――――――――――――――――――――


「ああ、ようやく再び

 お会いすることができました!


 私はエーデルワイス。

 どうかこれからも

 よろしくお願いいたします、ご主人様」


――――――――――――――――――――


 と言って俺の前に跪いているのは、

 全裸の美少女である。


――――――――――――――――――――


 全 裸 の 美 少 女 で あ る。

 二度言わせてもらった。

 大事なことなんでな。


――――――――――――――――――――


 で、だ。


 この眼福な状況、続けてもいいんだが、

 如何せん周囲の視線が痛い。


 言っておくが、

 俺が選んで呼び出したんじゃないぞ。


――――――――――――――――――――


「あの……ご主人様?

 あなたは、私のご主人様の

 ニクス様ではないのですか?」


――――――――――――――――――――


 見たい気持ちと直視できない気持ちが

 交差して目を泳がせている俺に

 エーデルワイスが問いかける。


――――――――――――――――――――


「ああ、いや、ニクスだ。

 たしかに俺はニクスで間違いない。


 ところで、その、エーデルワイス、

 色々と話したいこともあるだろうが、

 その前に頼みたいことがある」


――――――――――――――――――――


「はい!

 ご主人様のためなら、どんな困難でも

 必ず成し遂げてみせます!

 何なりとお申し付けください」


――――――――――――――――――――


 素晴らしいな。

 何でもしてくれるって。


 じゃあ最初の頼みはこれしかないよな。


――――――――――――――――――――


「その、た、頼むから

 服を着てきてくれないか……」


――――――――――――――――――――


 なんたって裸なんでな。


 なめらかで透き通るような白い肌、

 流れるような金色の髪、

 深く澄んだ碧色の瞳。


 美術品のような美しさでありながら

 妖艶なその肢体に目を向けていると、

 色々と元気になってしまいそうだった。


――――――――――――――――――――


 ……ちなみに観衆の中には

 直視できず屈んでいるやつが

 何人かいた。


――――――――――――――――――――


 エーデルワイスは学内のクロークへ

 案内された。


 たまに裸の使い魔が召喚されるらしく、

 使い魔用の服の準備がある。


 バリエーションは

 大したことないらしいが。


――――――――――――――――――――


「着替えてきました。

 ご主人様、似合っていますか?」


――――――――――――――――――――


 エーデルワイスが着てきたのは

 女子の制服だった。


 普段から見慣れているはずの服が、

 彼女が着ているだけで

 何か特別なもののように思えた。


 まあ、要するに。


――――――――――――――――――――


 超かわいい。


――――――――――――――――――――


「あ、ああ。

 その、すごくよく似合ってる、と思う」


――――――――――――――――――――


 自分で言うのも何だが

 他に言うことないのかね……。

 そんなだから、なあ。


――――――――――――――――――――


「本当ですか!

 ありがとうございます、嬉しいです!」


――――――――――――――――――――


 さて、エーデルワイスも

 着替えたことだし、

 そろそろ状況を 説明させてもらおう。

 簡潔にな。


――――――――――――――――――――


・俺の名前はニクス。

・魔法学校に通っている学生だ。

・使い魔の召喚が卒業試験。

・召喚されたのが裸の美少女だった。

・そして冒頭の状況だ。


――――――――――――――――――――


 以上。

 どうということはない、よくある話だ。

 一見するとな。


 しかし、実は一つおかしなことがある。


――――――――――――――――――――


 エーデルワイスが

 俺の名前を知っていたということだ。


――――――――――――――――――――


 召喚された使い魔と召喚主の間に

 知識の共有をする仕組みはない。


――――――――――――――――――――


 相性によって召喚される使い魔の

 傾向が多少偏ることもあるが、

 召喚主が使い魔を選ぶことはできず、

 使い魔も召喚主を選ぶことはできない。


――――――――――――――――――――


 つまり、召喚主のことを

 使い魔が知っているはずはない。


――――――――――――――――――――


 にもかかわらず、エーデルワイスは

 俺のことを知っていた。

 何か裏があるのか、それとも……。


――――――――――――――――――――


「エーデルワイス。

 お前、どうして俺の名前を

 知っていたんだ?」


「どうしてって、決まっています。

 だって、ご主人様は……」


――――――――――――――――――――


「ぶっひゃっひゃ!

 おいニクス、それがお前の使い魔か?」


――――――――――――――――――――


 何やら下品な笑いが聞こえてきた。

 こいつは何があると

 いちいち突っかかってくる奴だ。


 名前はピグルなんだが

 ……まあ覚えなくていい。


――――――――――――――――――――


「悪いが今取り込み中なんだ。

 話ならあとにしてくれ」


「おいおい、つれないじゃないか。

 せっかくこのボクちんが

 話してやっているんだぞ?

 ありがたく媚びへつらいながら

 返事をするのが筋だろう?」


――――――――――――――――――――


「……全く、何の用だ?」


「そいつがお前の使い魔なんだろう?

 ぶふふ、噂になってるぞ。

 お前が女の子の使い魔で、

 色々といかがわしいことを

 しようとしてるってな」


「……はぁ!?」


――――――――――――――――――――


 エーデルワイスを召喚してから

 まだ一時間くらいしか経ってないぞ。

 一体どこの誰が……。


――――――――――――――――――――


「まあ、お前のように女に縁のない奴なら

 仕方のないことだ。


 大方部屋に帰ったらまた服を脱がして、

 隅から隅まで、穴という穴を

 じっくりと鑑賞するつもりなんだろう?

 ぶっふっふ」


――――――――――――――――――――


 げ、下衆い……。

 女の子に縁がないのは事実だが、

 誰かそんなことするか。

 俺は紳士なんだ。


――――――――――――――――――――


「ニクス、お前が望むなら

 その女を好きな使い魔と

 交換してやってもいい。


 妙な評判がついたらお前も困るだろう?

 ぶっふっふ」


――――――――――――――――――――


 ……ああ、なるほど。

 さっきの噂は

 こいつが言いふらしてるのか。


 俺がエーデルワイスを

 手放すように仕向けたいわけだ。


――――――――――――――――――――


「さて、どんな風に可愛がってやろうか。

 ボクちん女の躾は上手いんだ。

 お前もすぐ可愛い声で鳴く

 雌豚にしてあげるからね。

 ぶっふっふ」


――――――――――――――――――――


 き、気持ち悪っ!

 何だこいつ!?

 いちいち突っかかってくる

 面倒な奴かと思ったら

 こんな気持ち悪い奴だったのか!?


――――――――――――――――――――


 下卑た笑みを浮かべたピグルが

 エーデルワイスに手を伸ばす。


 さて、どう穏便に断ったものか。

 ……と思ったら。


――――――――――――――――――――


 ぱちん。


 奴が伸ばした手を

 エーデルワイスが叩いた。


――――――――――――――――――――


「あなたがどなたか存じませんが、

 気安く触らないでいただけますか。

 私の全てはご主人様のものです」


――――――――――――――――――――


 あ、ああー……言っちゃった。

 まあ、気持ちはわかる。

 頼むから面倒なことに

 ならないでくれよ……。


――――――――――――――――――――


「ぶ、ぶ、ぶっふぉああああ!


 このアマ、使い魔の、分際で!

 調子に乗りやがって!」


――――――――――――――――――――


「もういい、交換はなしだ!

 お前は強制的にボクちんのものだ!

 大人しくボクちんに従わなかったこと、

 後悔させてやる!


 顕現せよ、『ケルベロス』!」


――――――――――――――――――――


 ケルベロス!?


 学生レベルで

 召喚できる使い魔じゃないぞ!

 まともに戦って勝てる相手じゃない!


 ふざけた奴だが実力は本物ってわけか。


――――――――――――――――――――


「ぶふふ。

 女、無能なマスターに喚ばれたのが

 お前の運の尽きだ。

 まずはお前を倒して、その後ゆっくり

 ニクスを嬲って契約を奪ってやるぞ」


――――――――――――――――――――


「逃げるぞエーデルワイス!

 あんなのとまともに戦ったら

 命がいくつあっても……

 おい、エーデルワイス?」


――――――――――――――――――――


 何やらエーデルワイスの

 様子がおかしい。

 なんだこれは……怒り?


――――――――――――――――――――


「……無能? ご主人様を嬲る?

 聞き捨てなりません。

 その言葉、今すぐ撤回すれば

 許して差し上げます」


――――――――――――――――――――


「許す?

 馬鹿が!

 許しを乞うのはお前だ、

 この雌豚がああああ!」


「エーデルワイス!」


――――――――――――――――――――



       ゴウンッッ!



――――――――――――――――――――


 ケルベロスの攻撃が

 エーデルワイスを襲った。

 周囲に土煙が舞う。


――――――――――――――――――――


「フォームチェンジ

 ……バトルフォーム!」


――――――――――――――――――――


 土煙が晴れると、そこには

 ケルベロスの攻撃を受け止める

 エーデルワイスがいた。


 しかし制服姿ではなく、

 白騎士とでも形容すべき姿に

 変わっていた。


――――――――――――――――――――


「ば……馬鹿な!?


 ケルベロスの攻撃を!?

 片手で、しかも素手で!?」


――――――――――――――――――――


「この際ですから

 きちんと名乗っておきましょう。


 私はZXS-57エーデルワイス。

 前世にて、

 ご主人様の愛機だった者です!」


――――――――――――――――――――

 ★も欲しいです。

 ぜひ下の☆☆☆☆☆を★★★★★に。

 よしなに。

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