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死立屋さんは、死を望む  作者: 暁雪
《死立屋さんの復帰》
9/18

〚NKK−Ⅳ〛


其の日の夜。

自分は寮の部屋を与えられ、其処で生活する事になった。

生活する上で必要な物は部屋に備えられており、

化粧品やアクセサリーなど、会長の趣味をうかがわせる物も少々。

恐らく使われる日は来ないが。

加えて、昔の自室に仕舞い込んだ筈の勲章もケースに入れられ、自分が此処の人間であると自覚させようとしているかの様に、わざとらしく壁に掛けられている。

「········。」

自分は『指導官』の任務を承諾し、補佐官として紫暮を授けられた。

明日からリストに載る4人の成功者を育成し、『品種改良』を次に繋げよ。

此れが、自分の任務。

リストには、男3人女1人の情報が細やかに記載されており、其の中には見知った顔もある。

「····冬間トウマ 御寿ミコト

リストの一番始め。

整えられた黒髪に、紅色の瞳の青年は、間違えなく自分の率いていた隊のメンバー『冬間 雪史ユキヒト』の息子。

真逆まさか、息子まで庭師になるとは。

しかも、『品種改良成功者』として。

「·····面倒な事にならないといいが。」

写真に写る目の奥に、何処か暗いモノを感じる。

恐らく其れは、父:雪史に関係しているのだろう。

『品種改良』は、なかば強制的に行われる事が多いが、志願すれば受けられる事もある。

恐らく、御寿コイツは後者だ。

そして、自分に対しても良い反応はしないだろう。

確か雪史はシングルファザーで、当時息子は7歳。

深い傷になって当然だろう。

そうなれば、時が経つに連れ其れが拗れる可能性は捨てきれない。

·······面倒な事にならないといいが。

無意識に裁縫道具をいじりながら、空に浮かぶ三日月を見上げた。









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