〚花蕾−Ⅳ〛
・樹怪の核:人1人くらいのサイズで、卵のような形をしており、心臓の様に脈打っている。
「ーーー東京都南区にて、樹怪の発生及び侵食を確認。侵食速度は約6km²/h·····」
隊員の揃った隊室に、紫暮の声が淡々と響く。
樹怪とは、生き物も飲み込み糧としつつ侵食する樹海の事で、蟲の巣窟である危険地帯だ。
まぁ、普通の森でも十分危険だが、樹怪は其れ以上。
発生し次第、即座にNKKへと連絡が入り、庭師が派遣される。
「·····移動は小型機を使用し、そのまま上空からパラシュートで飛び降りて突入します。」
····パラシュートか。
ここ20年間一切触ってないが、大丈夫だろうか。
いや、其れよりも20年間何もしてない状態から、いきなりこんなにも大きい任務とか大丈夫か?
首都東京だぞ····?
大丈夫じゃない、狂気の沙汰だ。
会長の気が知れない。
「·····各自装備の確認を終えたら、第三飛行場まで集合だ。以上」
「「「「「了解!」」」」」
「········了解。」
其れに、自分自身も不安だが、冬間の隊に馴染もうとしない姿勢も気になる。
別に「仲良く皆で協力しよう!」みたいな事を言うつもりはない。唯、必要最低限の協調性は必要だ。
冬間を見ている限り、必要以上に隊員を避けているように見える。
其れが不安だ。
····まぁ、まだ様子を見るしかない。
此の任務で、班の実態が分かるだろう。
ーーー生きて、いれば。




