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死立屋さんは、死を望む  作者: 暁雪
《白寂の山茶花》
14/18

〚山茶花−Ⅰ〛

※〚山茶花〛は、冬間 御寿視点です。


其の日の夜。



夕食時を過ぎた食堂は、昼間の賑やかさとは打って変わって、とても静かだ。

「ーーー凄い、本当にあの人が指導官になるんだ!!」

「はいはい、分かったからさっさと食え。食堂閉まっちまうだろーが。」

しかし其の静寂は長く続かず、來世の熱を帯びた声が食堂に響いた。

まぁ、俺達以外誰もらず、喋ってるのが來世しか居ないから響くのは当然か。

「でも~、裁暁博士って随分若いんだね!ワタシ達と同じくらいじゃん。」

「それな。本当に20年も隠居生活してたのか?」

「そう、其れが謎なんだ!!」

今朝俺達の前に現れた裁暁博士アイツは、幼い頃父さんから聞かされた姿と、全くと言っていい程同じであった。

女にしては短いシルバーブロンド髪に、月咲色ゲッショウショクヒトミ

年は17歳くらいで、スラリとした細い体躯。

全てが、父さんの話していた通りだった。

そう、父さんが·····

「普通は遅くても6年に1つは年をとる筈なのに、裁暁博士は20年間全く年をとっていない。

しかも、噂によると200年間17歳のままらしいよ!!」

「は?どんだけ歳とらねーんだよ···」

「だって、残ってる記録を調べても200年前からあの見た目なんだよ?」

來世がテーブルから身を乗り出す。

どうやら、菊帥が話にノッた所為で、來世のヲタク魂に火が付いたようだ。

余計な事しやがって。

アイツの良い部分しか知らない癖に、好きだの格好かっこういいだの言うんじゃない。

アイツは、父さんを死なせた。

「あー、明日からが楽しみだなぁ。」

「そうだね~」

黙れ。

何が『最終兵器メメント・モリ』だ。

其処まで強いなら、何故父さんは死ななければならなかったんだ。

ーーー『裁暁 朝日』。

俺は、誰が何と言おうと、お前をゆるさない。









[IPP−1]

IPPは、『Improvement Plant Person』の略。つまり品種改良された人の事。朝日が受け持つ事になった隊。

[シルバーブロンド]

色素の薄い金髪の事。

[月咲色ゲッショウショク

シルバーブロンドを目の色として表現しようとした結果、此の色名になった。

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