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さよなら、うそつき  作者: わたぬき たぬき
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本日は晴天なり。今日はデパートに行くことになった。朝は妹とひかりが朝食を作っていた。メニューはコーヒーとサンドイッチ、なかなか見事なものだ。父と兄貴が全く起きてこなかったのでひかりが起こしに行き、俺は二人にニンニクと玉ねぎのぶつ切りサンドを差し出した。新しい家族が増えての初めてのお出かけに寝坊とは。これは少し反省が必要ですね。だが二人とも、バリボリいいながら3分ほどで片づけを始めたので俺も一口味見したらしばらくトイレのお世話になった。そしてその後も兄と父と立て続けにお世話になった。3コンボだドン。男性陣がある程度動けるようになるとデパートに出かけた。服を買うのはひかりなので女性は店内を回り、男性はトイレを探しに。腹の痛みはピークに。遅効性だったか。

ひかりは両手いっぱいに買い物袋を提げていた。たくさん服を買ったはいいが俺は背中の火傷が少し心配だった。もちろん妹も母も知ってはいるだろうが、あの火傷の大きさではファッションなどは全力で楽しめないのではないだろうか...。

お昼はデパートのラーメンを食べた。やはり初めて訪れるラーメン屋はすべて普通にして食べる。そうでないのは邪道だと思う、あくまで俺個人の意見で。母・父、豚骨+醤油÷2。妹、具なしラーメン。ひかり、ひたすらに紅生姜。兄、妹の具材+あるもの全て。俺は間違ってないと信じたい。

なんだかんだで楽しかった時間はすぐに過ぎ、家に向かう車から見た空は藍色に染まっていた。明日からまた学校が始まる。ひかりは多分平気だろう。初対面こそオドオドしてるが、慣れればとても人当たりがいい。キャラはたまにぶれるが、きっと楽しい学校生活を送れる。そして俺も動きだすか。まずはあの手紙の黒髪さん本人に会ってみなければ。


うざい、死ね、殺人者、人殺し、悪魔、ゴミ、機械、化け物、壊れた人間、冷酷、残忍、無駄な命、、邪魔者、役立たず、くず、カス、くそ委員長、無駄な正義感、自己中、自意識過剰、ねじの壊れた人形、肉塊、偽善者、気狂い、ポンコツ、狂人、疫病神、害虫、災い、死神、----- ヒーロー -----


昨日少し起きるのが遅かったからか今日は起きるのが苦だった。布団は名残惜しいが別れを告げリビングに行くと、母が忙しそうに弁当を作っていた。ははん、さては母さんも寝坊だな。ひかりにも手伝ってもらっちゃって、朝からご苦労様です。お弁当いつもおいしいっす。寝ぼけた頭で顔を洗い、トーストを食べ、歯を磨いていた時

「とりあえず制服着てみたんだけど、変じゃないかな...?」

頬を赤く染め、恥ずかしそうにしたひかりがいた。お前、一昨日の言葉遣いから離れすぎじゃない?たまにお前がわかんなくなる。

「大丈夫。似合ってるよ、本当に。」

このような場面で言う常套句くらいは知っている。倒置法も使うことで効果も上がる。完璧に決まった。だけど本音でも全く同じことを思ってた。すごく、かわいい。

「あ、ありがとう。じゃあ玄関で待ってるから。」

速足で去っていく彼女の言葉がよくわかんなかった。玄関で待つ?え?一緒に行くってこと?


予想通り一緒に登校した。そして予想通りとても疲れた。傍から見たって恋人にしか見えないのに人が多くなってきたら袖をキュってつかむんだよ?もうみんなに説得なんて無意味じゃん。弁解の余地なしじゃん。周りからは嫉妬や憎悪の念が渦巻いてるしさ。はぁ...、空はこんなにも綺麗なのに。

授業が始まる前の自己紹介。それが終わると定番の転校生への質問攻め。普通にかわいい顔をしているからか男子女子ともにやって来た。一人によってたかって取り囲むこの絵面ってどうもいじめにしか見えないんだよね。そこに一人の男子が俺との関係について訊いてきた。さてはこいつ、ひかりに気があるな。全く、ひかりさん言ってやってくだせぇ。ただの居候ですって。

「同居してます。」

( ゜Д゜)




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