友達と恋バナ
今回、ダイチはお休み。
たぶん先生に怒られてて出番なし。
「ナギサってさぁ、大隅くんと付き合ってるのぉ?」
「ーーっ!? げほっ、ごほっ」
ある日の休み時間。クラスでいちばん仲のいい女の子の淡井ミソラからそんなことを言われ、私はついむせってしまった。
「はぁ? なんでそんなこと言うの!?」
「だってぇナギサ、大隅くんへの態度が他の人と違うっていうのぉ? 他の人に対してよりも何だか容赦がない感じだからぁ」
「そんなの、幼なじみだからよ。私が小さいときからどれだけあいつにおちょくられ続けてきたか、ミソラは知らないからそんなことが言えるのよ……」
私はうんざりといった気分でそう言う。
「あいつはね、人のことはチビ扱いするし、宿題はいつもやってこないし、ずっと私のことからかってばっかだし、クレープ屋に誘うし!」
「最後のはよくわからないけどぉ、でもそれさぁ、好きな子へのイジワルみたいなのじゃないかなぁ」
「えー……」
違うと思うけど、という思いを込めて心底嫌そうな顔で答えた。
「それにぃ……」
「それに?」
「ナギサっていつも大隅くんの話ばっかりだからぁ」
「ななななななななな何言ってるのよ! 私のはあれよ、手が焼ける子供みたいなそんなのなんだから!」
「やっぱり仲がいいよねぇ」
「よくないー!」
その日は、ずっとミソラにからかわれてしまった。