風紀強化週間
新キャラ登場。風紀委員長の山峰ネコさんと、風紀副委員長の太刀川ヨウタくんです。二人とも三年生で、ちなみに幼馴染み。ネコって名前だけど、たぶんこの人タチだと思う。
「風紀強化週間ですか?」
ある日の放課後。私は風紀委員長の山峰ネコさんに呼ばれていた。
「うん、先生方から学内の風紀が乱れてるって相談を受けてね。来週の月曜日からの一週間、風紀強化週間として取り締まりをきつくしようって話になったんだ」
「なるほど。それは名案ですね」
ニコニコと笑うネコさんに、私は神妙に返事をする。
ネコさんは私の尊敬する先輩だ。彼女がいたからこそ、私は風紀委員に入ったと言っても過言ではない。
彼女の後ろでは、風紀副委員長の太刀川ヨウタさんが佇んでいた。
「そこで、その風紀強化週間の責任者を……ナギサくん。君がやってみないか?」
「わ、私がですか!?」
「ああ。君は一年生ながらよくやってくれている。君になら任せられる。そう思ったんだ」
「ネコさん……わかりました! 私、やってみます!」
「そうか、やってくれるか! これでサボれ……じゃなかった、とても助かるよ! 何かとつらいことはあるだろうけど、私たちが、特にこのヨウタがサポートするから、頑張ってくれ」
「はい! それでは失礼します!」
あの憧れのネコさんが、風紀強化週間の責任者に私を任命してくれた!
そんな嬉しさで胸をいっぱいにしながら、私はネコさんたちのもとを去ったのだった。
「……いやー、ナギサくん、相変わらずチョロいねー」
「……アンタいつか片倉さんに殴られるぞ。毎回面倒なことを押し付けて。それとサポート、俺にしかやらせる気ないだろ!?」
だから、そんなやり取りは聞こえていなかった。