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バストアップ体操
「ま、別にいいけど」って言う人間に限って「いい」って思ってないこと、よくありますよね。僕がそうです。
「バストアップ体操……?」
「そう! 今朝のニュースでやってたの! すごく効き目があるんだって!」
登校した途端、ミソラはそんなことを言い出した。
「……なんでそんなことを私に伝えるのかしら?」
「ひえっ」
だから、私はニッコリと笑ってそう告げた。
「まぁ別にいいけど、む、胸が大きいとか小さいとか、そんなことは人間の魅力には繋がらないんじゃない?」
「ういっす……」
「それより、今日の小テストのことだけど……」
話題を変えつつ、私は自分の、みんなよりもちょっとだけ起伏に乏しい胸元を見た。
バストアップ体操か……。
余談。
「よー、ナギサ! バストアップ体操って知ってるか? 今朝のニュースでやってたんだけど、めっちゃ効果あるらし――」
登校してきた途端、そんなことを言い出したダイチに、私は問答無用でグーパンをお見舞いしたのだった。