お使い
「ナギサー、ちょっとお使い頼まれてくれなーい?」
「今勉強中だから後でー」
私が自分の部屋で勉強をしていると、台所からお母さんのそんなお願いが聞こえてきた。
いつもならお母さんのお願いは聞くけれど、今日は大量に宿題があった。それに、いい感じで集中できている。できれば今は勉強に集中させてほしかった。
しかし、お母さんも負けてはいなかった
「すぐに欲しいのよー。ねえお願ーい」
「うーん……」
「おつりで好きなアイス買ってきていいから」
「アイス!? わかった!」
……ハッ。つい反射的に答えてしまった。
まぁいいや。宿題はお使いの後でやろっと。
そんなこんなでスーパーに行くと、ダイチとばったり会った。
「ナギサも買い物?」
「う、うん……」
まずい。アイスに釣られて、お使いをすることになったなんて知られたらまたからかわれる。
「……さてはお釣りでアイス買っていいって言われただろ」
ぎくり。
「なんでわかったの!?」
「ただカマかけただけなんだけど図星かよ……お前、ホントにちょろいよなぁ」
「う、うるさい! それより宿題やったの!?」
「飛び火した!? 八つ当たりやめろよ!」