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仲直り

ケンカ編、終わりです。

「ナギサー、いっしょに帰ろうぜー」

 放課後。風紀委員の仕事が終わった私を昇降口で出迎えたのはダイチだった。

「……………………ふんっ」

 それを私は冷たくあしらった。私たちはケンカ中だから。

「なぁいい加減許してくれよ。今回はホント、俺が悪かったって」

「…………」

「その、胸触ったことも謝るし、その後に言っちゃったことも謝る! だから、な?」

「……………………」

 私は靴を履くとスタスタと歩き出す。ダイチの言うことなんか聞こえないと言わんばかりに無視をして。

「あ~~~~~~~! もう! ナギサの意地っ張り!」

 後ろからダイチの声が聞こえてくるが、やっぱり無視して歩き続ける。

 そんなことをどれだけ言われたって私は許さない。

 だって。

 私はダイチから聞いていない。

 謝るなら絶対に必要な「あの言葉」を。


「ごめんなさい!」


 ……え?

 次の瞬間、私は後ろを……ダイチのほうを振り返ってしまっていた。

 その言葉は、ダイチが決して言っていなくて。

 私が言うべきだと感じていたものだったから。

 振り返った先のダイチは、もう涙目だった。

「……ま、ギリギリ及第かしらね」

「え?」

「許してあげるわよ。仕方ないわね」

「ま、マジで!? やった! ありがとう、ナギサ!」

 ため息混じりにそう言うと、ダイチがぱあっと顔を明るくする。

「その代わり、クレープもパフェもアイスもおごること! いいわね?」

「おう! 任せとけ!」

 そう答えるダイチは、さっそく私の隣に並んで歩き始める。


 ……やっぱり私ってちょろいなぁ。

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