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彼?
セカイの歯車だとか運命がねじ曲がるだとかそんな現実味のないSF染みた事をならべたてられたからだ。
誰だって目の前で、それも真顔でそんな事言われたら夢かはたまたイタズラかと思うだろう。それが表面にでてしまったのか、イリスは真っ黒い微笑みを浮かべてこう言った。
「貴方には私に協力する義務がある。昨日あたりに夢かなにかで言われなかった?心の奥にある宝石の名前を思い出してみたいなメッセージをさ…。そうやって時守に選ばれたいじょうはその役目をはたさなきゃいけないのよ。そうしないと消えていくわよ?彼のよぉにね」
「彼?」
「そう。“彼”よ」
そういってさしだしたイリスの指先は万智の後方を指し示した。