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歯車
春にしては肌寒い風を感じながら、万智はイリスが話し出すのを待った。
そんな万智の考えを知ってか知らぬか、イリスは静かに口を開いた。
「今、この世界の歯車は狂ってしまっているの。神によって決められた運命がねじ曲がって、様々なセカイとつながってしまった。だから、それを直す為に歯車の主を探しだして元にもどしてあげなきゃならない。そういう訳で、あなたに協力してもらいたいのよ。この私が頼んでるんだから、もちろん断るはずがないわよね?」
一応疑問文なのだが、終始命令口調だった彼女の言葉に対して、万智は困惑の表情を かくせなかった。