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話しがあるの
「思い出して。あなたの心の奥にある、光を宿した宝石の名を……」
突然脳内に響いたその言葉の意味をその時の俺はまだ理解できなかった。
そして、忘れてしまった昔の記憶も宝石の真の意味すらも……。
淡く感じる眩しさに朝を知らされた彼──時定 万智は重い身体を起こし、登校した。
特にこれといってへんてつのない毎日が彼の日常であり日課でもあった。
決して目立たず空気的に。
彼の目標は学校側のおもっている生徒像とは全く異なっていた。そんな彼の日常が崩壊したのは本日の昼休み。一人中庭であげパンをほおばっていた時だった。
「見つけたわ、時定万智。少し話しがあるの。おとなしく私について来なさい」