ある日の出来事
なんか本編と性格が違いすぎる気がする今日この頃です
「ありゃ」
珍しく失敗したケーキの前に佇んでる琴菜に「こんなの気にすることないよ琴菜」と
イーツは一生懸命に言った
「失敗」したことにショックを受けたと思われたみたいだ。本当は、違うのだけど…
その一生懸命なイーツがどうしても年上には見えなくて、琴菜はつい噴き出した。
「プッ」
「何、笑ってるの琴菜」
「な、なんでも……っないです。」
そんな琴菜をじっと見るイーツ
「なんでもないわけないよ……どうせ僕が子供っぽいとか思ってたんでしょうけど」
「そんなわけないですよ?殿下…プッ」
「……やっぱりリィナもそう思ってたんだ…ね」
(し、しまった……)
「違いますよ」と一応否定してみたが、イーツ殿下は全然信じていないようだった。
「どーせ僕は琴菜と違ってお子ちゃまですよ~だ」と時々こちらを「チラッ」と見ながら部屋の片隅でうずくまり指で「の」の字を書いている。
いつの間に移動したのか、気付かなかった。
リィナは苦笑しながら、部屋の片隅にいるイーツ殿下のもとへと歩いていった。
子供の頃、リィナがイーツ殿下にしたように、部屋の片隅で小さくなっているイーツ殿下の頭をポンポンと優しく撫で、顔を上げたイーツ殿下に心を込めて告げるがリィナの顔はどうみても笑っていた
「考えすぎですよ?イーツ殿下」
「リィナ……僕のことやっぱりお子ちゃまと思ってるんだね」
そんな私の様子を「チラッ」と見たイーツ殿下は何故かさらにいじけてしまった
(あら?)
何がいけなかったのかしら?昔はこれで機嫌は治ったのに
こうなってしまったイーツ殿下をどうしていいかわからず、私は結構焦って琴菜様の方を振り返った。困った時の琴菜様頼み
琴菜様は小さく笑って頷いて、お茶菓子をいくつか掌に乗せてこちらに近付いてきた。
目だけでリィナに退くように言い、イーツ殿下の隣に膝をついて、口元にお菓子を差し出す。
(え、餌付けですか?)
いくらなんでもそれは……と止めようとしたリィナだったが、イーツ殿下は口許に運ばれたお菓子をパクッと食べた。
「…美味しい」
うっかり、小鳥の餌やりかと思ってしまったのは内緒です、イーツ殿下はモグモグと咀嚼してから、嬉しそうに笑った。
「イーツ、気にすることはないよ、子供っぽいイーツ、かわいいじゃない!!私の前だけでそういう姿を見せてくれているイーツのこと私は大好きよ」
「…琴菜も子供っぽいことは否定しないんだね」
「ええ、そんなところも大好きですから」
「……」
「えっ」と思ったが琴菜様の余計なことは言うなと言う圧力に屈したリィナは、足元に視線を泳がせた。
こんなことでイーツ殿下が納得するだろうかと思っているとピクッと肩を動かすイーツ殿下
「本当、琴菜?」
顔を上げて見上げてくる潤んだ瞳に怯むことなく、琴菜は言い切った。
「本当です。子供っぽい所込みでイーツは素敵な男性ですよ」
「子供っぽい」所を強調した後ボソッと言った「イーツは私の癒しの元だし」という呟きは、聞かなかったことにしておこう、イーツ殿下にも聞こえていない……はず
イーツ殿下を見ている琴菜様を見てると確かに和んでいるなぁと思ってしまったことも、胸に秘めておこうと決めたリィナだった
次回は本編の方を投稿予定です
なのの