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最強ヒロイン ~理不尽に召喚された少女は歴代召喚者達から受け継いだ能力(チート)で無双する~  作者: 橘可憐


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スイーツの開発部署は設けられなかったが開発に関しては難なく了承され、そもそもスイーツとは何かの説明をしながら大まかなできあがり図を説明しているとふと料理器具が頭に過った。


学校の調理実習で卵白の泡立てがうまくできず、どうして便利な器具があるのに使わないのかと不満に思ったのを思い出していた。


料理はあまりしたことはないが、料理をしている番組は祖母に付き合って良く見ていたので調理器具くらいの知識はある。


電動の泡立て器やミキサーなどを見ては、祖母はいつも便利そうだと欲しがったがついぞ購入することはなかった。


昭和世代の勿体ない精神なのか、機械を使うのに抵抗があるのか、または新しく操作方法を覚えるのを面倒がったのか理由は定かでは無い。

私はそんな祖母に便利なんだから使えば良いのにといつも思っていたが口に出すことはしなかった。


ってことでスイーツの開発は専門家に任せ、泡立て器やミキサーを魔導具として作れないかと考えていた。


今さらなのだけれど祖母への孝行というか恩返しのつもりも多少はあって、きっとこの世界でもあれば便利に決まっていて祖母のような人にも是非使って貰いたい。それになんとなくだが、便利器具があればスイーツの開発も捗る気がしていた。


それに考え始めたら無性に食べたくなったので、是非一日も早く色々なスイーツを作り上げる手助けとなりたい。できればシュークリームやケーキと言った生クリーム系のスイーツを絶賛希望中。


この世界は電気の代わりに魔力を使い魔導具として便利グッズが成り立っている。電子レンジ擬きもそうだしシャワー擬きに洗濯機なんかもそうだろう。


電動泡立て器やミキサーの詳しい構造は分からないが、できあがった状態は頭にあるしどう動くかも知っている。問題はその動きをどうやって魔方陣にするかだけなのだがそれが複雑すぎて試行錯誤を繰り返していた。


電動泡立て器の場合は泡立て器を回転させる。たったそれだけの命令なのに、魔方陣にするにはどこをどうするのが正解なのかイマイチ要領が掴めない。


例えるなら三行あらすじを数万文字の小説におこすような作業。どこをどうやって肉付けしていくかが肝心で、一見まったく必要無いような文様も実は大事だったりするから尚更難しい。一から作り上げるのは、できあがっていた召喚の紋章の一部を書き直すのとは全然訳が違った。


簡単に作れると思っていたが魔方陣はそう甘くはなかった。

そもそも古代文字で何をどうしたいかの命令を書き綴っているだけに思えた魔方陣は、実は完全に美しい紋章に仕上がっていないと発動しないというふざけた定義まであってそこが一番難しい。


見るからに感動的な美しい紋章ってそれって誰基準の誰の判断だよと、怒りを投げつけたくなることもしばしばあった。


もっともそんなに簡単なものだったなら、もっと色んな便利グッズがどんどん製作され普及しているだろう。


泡立て器やミキサーはあれば便利だけれど必ずしも必要じゃない程度の魔導具が開発されていないのにはきっとそういう理由もあるのだろう。


何しろ有用な魔導具の製作方法は記憶本のようにかなりの高値で他国に売れるみたいだからね。《有用》って言うのがきっと一番肝心なのだ。



「気長にやるしかないかぁ…」


結果がすぐに見えないとやる気が出ないが訓練実習のつもりで気長に取り込むことを決め、一応セイランにはそういった魔導具を制作中だと伝えておいた。


取り敢えず書庫の分類作業も済んでいるし、遊んでいると思われるのも癪だったからというのあるが、報告をしておくと必要材料を手に入れてくれたり的確なアドバイスも貰えたりと色々と便利だった。


セイランはその辺は本当にできる男で、状況の先読みまで的確にしていた時には彼には予見や未来視の能力でもあるのじゃないかと疑ったくらいだ。


もっとも本当にそんな能力を彼が持っていたのなら私を召喚する段階できっと止めていただろう。今の状況を冷静に見たらどう考えても政権交代待ったなしだし、彼はそれは困ると確か言っていたはずだ。


少なくとも今は彼とは敵対することなく、せめて成人するまでは穏便にやって行こう。そう、成人したら今度こそ前世で夢見たように色んな世界をこの目で見て歩くのだと心は決まり始めていた。



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