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最強ヒロイン ~理不尽に召喚された少女は歴代召喚者達から受け継いだ能力(チート)で無双する~  作者: 橘可憐


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食事が終わり新たに用意された動きやすい服に着替え、少しダブダブだったが取り敢えず納得し、今日は書庫へ行って読みたい本を何冊か借りて時間を潰そうと考えていた時だった。


「失礼するよ。異世界人がここに居ると聞いて来たのだが在室か」


ノックもなしに部屋にズカズカと入ってくる一人の青年。探知機能が働いていたので誰か来るのは分かっていたが、それが誰かまで判断できないのはちょっと不便だと思っていたらどうやらマーキングできるようだ。


一度会ってその気配が誰かを認識してからマーキングすれば、そいつがこの先どこに居るかも探れるようになる超便利仕様にびっくり。神眼術様凄すぎます。


日本でだったら尾行に苦労しないだろうから探偵になれるかも知れないね。浮気調査は是非お任せくださいって感じかな。


青年は召喚の間で三段高い所で偉そうにふんぞり返っていた男になんとなく面影がある。着ている服も超絶高そうだし、やはり態度も口ぶりも偉そう。まぁ挨拶しただけマシなのだろうけど。


そこからしてあの偉そうな男はこの国の王だとして、コイツは王子ってことだろう。しかしその王子様がいったい何の用があってここへ来たのかだ。


(折角だから読心術を発動してみようっと)


王子に意識を向けその声に出ない声に耳を傾ける。


『まだ幼い子供じゃないか。それに随分と貧相だ。残念だが私の好みではないな。だいたいこんな子供に父は手玉に取られたのか、忌々しい。だが、この私がちょっと優しくすれば泣いて喜ぶはず。なんと言っても世間知らずの異世界人だ。隙を見て隷属させ、これからはせいぜい私の言いなりになって貰うぞ。覚悟するが良い』


「お断りです!」


王子の心の声に思わず反応してしまった。


「何!?」


「だいたいレディーの部屋にノックもなしに入ってくる礼儀の無い男の話など聞く気もありません。どうぞお引き取りください」


「お、おまっ、おまえは私が誰だか分かってそんな口を利くか!」


「そんなの知る訳ないじゃないですか。私は異世界から来たばかりですよ。それにあなたがどこの誰だろうと私にはまったく関係ありません」


「な、なっ、なんだと…」


まったく動じる素振りも見せないことに驚いているのか呆れているのか、王子は口をパクパクさせて上手く呼吸もできていないように見える。


すると歴代召喚者の記憶がフラッシュバックする。この男は召喚者が女だと見ると密かに優しげに言い寄り女性召喚者の純血を乱しては何食わぬ顔をして捨てていた。


弱っている女性召喚者が簡単に落ちてしまうのは仕方ないとしても、欺すなら最後まできっちり欺し、せいぜいもっと心の支えにでもなっていれば少しは許せたのに、こんなヤツただの女の敵でしかない。


(ゆ、許せない。絶対の絶対に許せない!)


「あなたにもお仕置きが必要なようね」


私はすかさず王子の胸に手を当て隷属魔法を発動させる。


「今から説明させていただきます。まず愛のない性行に及んだらその股間にあるものを切り落とします。次に私利私欲に走ったら指を一本切り落とします。そして最後に他者を見下し嘲った時も指を一本切り落とします。切り落とす指がなくなったら手首足首次は肘に膝と言った関節が切り落とされます。せいぜい首が切り落とされないようにご自愛ください。これが血の契約内容です」


隷属魔法による血の契約は最大三つまでしか盛り込めないのが難点だが、多分コイツにはこれでも十分過ぎるくらいだろう。泣き叫び喚き散らす未来がありありと想像できる。


『なっ、私まで隷属させられただと!』


「油断して余裕をかましてるからですよ。あなたは女を甘く見すぎです。そうそう、もうこの部屋にも私にも絶対に近づかないでください。これは命令です」


『私が何故おまえなどの言うことを…』


命令を発動させると王子の体は心の声とは裏腹に言うことを聞き部屋から退出して行った。

血の契約的には心の中での見下しや暴言はセーフなようで、さっそく苦しむ姿が見られると思ったのにちょっと残念だ。


しかし考えてみたら冷酷すぎる命令だったろうか。何しろ欠損治療は今のところ私にしかできない。最高級ポーションを手に入れられなくなった時あの王子はどうするんだろう。あの調子では絶対に無傷では居られないよね。まぁ、私にはまったく関係ないけれど。


「……」


一部始終を黙って見ていた使用人達はただただ顔を青くし部屋の隅で震えている。


「大丈夫よ、私に危害を加えない限り私からは何もしないわ。もっとも過去の召喚者達に対し酷いことをした人は絶対に許しませんし当然償って貰いますけどね」


ニコリと微笑んでみせると使用人達はさらに顔を青くし何度も頷くのだった。



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