流星群と征く
掲載日:2024/11/22
1944年 フランス南部
夜の闇は人を眠りへと誘い、星を空に煌かせる。 その暗闇の中を1機の偵察機が駆けていた。彼は敵の兵士や基地を偵察する任務の帰りだった。彼は任務が終わったことに安心し、気を抜いていた。
夜空に閃光が走る 敵だ 彼と彼の機は敵の弾に当たってしまった。どんどん偵察機の高度が低くなってゆく、真っ黒に広がる海底という名の死の世界が彼を呼んでいる。彼は最後の力を振り絞って窓を開けた。 敵は無情に撃ってくる。ガラスが弾け飛ぶ それと同時に彼の命も弾け飛んだ。ガラスの欠片はキラキラと星に照らされて淡い輝きを放っている。機体はまだ飛んでゆく。主人である彼を寂しく暗い海の底ではなくあのキラキラと輝く星へと連れてゆく。まるで流星群のようにキラキラとガラスが舞っていた。
彼の機体の一部は戦後に引き上げられた。だが、彼は見つからなかった。
人々は彼はきっと星へ行ったんだと噂し合った。どこか遠くの星へと…
彼の名はアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。星の王子さまの作者だ。




