表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
テルル(旧版)  作者: 丘源
1/10

プロローグ

夜空に燦燦と蒼く輝く一番星テルル。

この星はいつもきまって最初に光り出すのに、そのくせ夜空で一番明るくて、他の星たちの立場を奪ってしまいそうだ。

手が届きそうなほど近くにあるのに、でも届かない。

近くても、絶対に届かない輝き。

それでも、蒼く、蒼く、どこまでも蒼く。

僕の心を鷲掴みにして、千々に僕の心を切り刻んで。

僕の感情を、心を、魂でさえも、身勝手に振り回し続けるその星は。

その蒼い輝きで、僕の胸にどうしようもないほどに懐かしい古傷をつけて。

いつまでも僕の心に残り続ける、えぐり取るように生々しく、痛々しく、昨日のことのように感じられる、あの頃を僕の魂に刻んで。

そして、君はこんなに近くてこんなに遠くに行ってしまった。

最近、君はその乳白色の雲を閉ざし続けていて、蒼い輝きを見せてはくれないけど。

あいにく一昨日は曇りだったけど。

昨日も曇りだったけど。

今日もきっと曇りで。

たぶん明日も。

でも、その雲が晴れたとき、君がまだいるかはわからないけど。

まだそこに君というまばゆい輝きが残っているかわからないけど。

それでも、そのいたずらっぽく笑うその顔で。

あの頃のように、輝く一番星のようなその瞳で。

もう一度だけ、もう一度だけでいいから。

輝いてほしいと、もうずっと、そう願っている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読んでくださったそこの貴方!
ブクマ 評価 感想などをくれると嬉しいです
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ