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サンセット商事2

サンセット商事 2



そもそも彼が社長をしております会社といいますのは まだ 6年目の若い会社なのですが 売り上げは右肩上がりの急成長の勢いであります 商才があると言ってしまえばそれまでなのでしょうが 結局は 人の欲や悩みにつけ込んだ商売には違いなく 怨みや憎しみが常に隣同士の因果な商売なのでありました


ですから そういう会社で働こうという社員達もやはり 一筋縄ではいかない 訳ありのキズモノばかりが集まります そういった輩を束ねる社長は 飴と鞭を使い分けて 社員達を牛や馬の如くこき使うのでありました


そういった会社の社長というのは 世の常 孤独なものであります その男も広いマンションに一人ぼっちで住んでおりました

妻と娘は去年の年末に出て行ったまま 音沙汰無し 可愛かっていた犬も先月あの世へ逝ってしまいました

人間なんていう生き物は寂しいものです その寂しさを紛らわすゆえに 男は毎晩 毎晩 キャバクラに通うのでありました


『 社長さん いらっしゃいませ 今晩も来てくれてレナ嬉しいわ 』


目下 男のお気に入りのレナが猫なで声で絡みつくと 他のキャバ嬢達も 何かオコボレにありつこうと集まってきます


『社長さん 私達もいただいて良いかしら?』


『良いよ 遠慮しないでジャンジャン飲め』


シャンパンを景気良く抜く音が夜の始まりを知らせる合図が如く 店中に響きわたります

女達の香水とシャンパンの泡がこの男の孤独の隙間を埋めて行くのでしょう


『 ねぇ 社長さん 知ってる? 隣の空き地に

スっごく当たる占いのお婆さんがいるのよ

私 昨日みてもらったんだけどさ そのお婆さんったら 私しか知らない事 バンバン当てるのよ 』


『エェ〜 そうなの 私もみてもらいた〜い』


キャバ嬢達が騒ぎ出すと

男は 馬鹿にしたような顔をして笑うのでした


『 占いなんて 俺は信じないね ああいうのはね 結局 迷いのある 自分に自信のない 弱い人間がハマるんだよ』


『でも私 社長さんとの相性知りたいかも…』


レナが上目遣いの猫なで声でそう言うと 男もまんざらでもなさそうな顔でニヤけるのでした


結局 男は酔った勢いでキャバ嬢達を引き連れて空き地へと向かう事となったのですが



続く



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