サンセット商事
サンセット商事という悪徳会社 そこで繰り広げられる人間模様を描いた話 犠牲者の結末とは?
サンセット商事 1
『 だから いいですか お宅がどうしても本を出したいって言うから こちらも 自費出版を勧めただけですから 騙したなんて言いがかりは困りますね なんなら出るとこ出たっていいんですよ』
そう言うと鈴木は電話を切った
『誰からだ』と社長が聞くと鈴木は面倒臭そうな声で答えました
『この間 自費出版した高野とかいうジジィですよ 騙されたって この間からうるさいく電話してくるですよ』
『そんなのほっとけっ 時間の無駄だ』
社長は スマホのゲーム画面から目を離さずに言いました
『そんなジジィかまってる暇があったら お前ら どんどんカモ見つけこいや ボケ』
この会社の名前は サンセット商事 出版詐欺や神霊数珠 はたまた 宝クジの当たる財布など
人の欲だの不安につけ込んだ商売に精を出しては金儲けをする会社でありました
『いいかお前ら 世の中には馬鹿がごまんといる その馬鹿共から合法的に金を搾り取る
それが我々の商売だ
何も 俺たちはオレオレ詐欺をしてる訳じゃないんだよ あくまでも合法的に儲ける わかるか? 世の中はなぁ 金 金 金 つまりすべては金だ』
多分 こんのような事を口に出して 社員達に発破をかけるような人間が十中八九 好かれるはずもなく 親友がいるわけでもなく 心配してくれる家族も失いまして 頼りになるのは つまり金のみという事になりますが この男
お金以外 なんの興味があるわけでもありませんから たいして気にもしません
よく行くキャバクラで 酔った勢いにいつも同じ冗談を言ってキャバ嬢達を笑わせております その決まり文句とは
『お金の無い国へ行ってみたいよ』
後に 彼の願いは本当に叶う事になるのでありました
続く…