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第一話:喜びの空

みなさん、おはこんばんちわ。

ダメ作者ことnesiyネッシーです。


新シリーズ第一段「空、輝くとともに」、投稿してみました。

「マサ男」とは打って変わって文体が少し真面目になった気がします。

こちらのほうが小説らしいと言えばそうなのかもしれません。


つまらない前書きはここまでに。

それでは、期待をクリスマスの淡い希望とともに消し去った人は、本文へどうぞ。

「452…452……」




今、呪文のように謎の数字を呟いている少年は、桜庭さくらばしん



呟いている数字は受験番号だ。

進は五日前に受けた入学試験の結果を見るために、再びこの、春日かすが高等学校を訪れたのだ。



春日高校は、ほとんどの人から『カス高』と、略されて呼ばれている。ここらへんでは有数の進学校だ。


カス高よりも偏差値の高い高校は何校かある。


しかし、

「ここまで生徒の高校生活やら大学受験を熱心にサポートしてくれる学校は、俺の知っている限りではここだけだ。」

と、今年で三年生になる、カス高在学中の進の兄が言っていた。


そんな兄の言葉に惹かれて進はカス高を受験したのだ。



兄についての詳しい説明はいずれすることにしよう。


いや、『いずれ話さなければならない』が適切なのだろうか…






それはともかく。



進の受験結果は、




「…452……あっ…あっ…あった!!」



進の顔からは驚きが隠せない。



進には受かる自信がなかった。


受験日二週間前、進はそのころ流行っていたA型インフルエンザに罹かってしまったのだ。幸い一週間でそれは治ったものの、受験までの残り一週間はまだ体に残ったダルさの所為か、机に向かうことが億劫だった。



中学校の実力テストでは、毎回C判定(“合格するかもしれないし不合格かもしれない”という微妙な評価)だった。


それを観た担任教師からは、

「今年の周りのレベルなどを踏まえると、この判定では難しいかもしれない」

と言われた。


それでも志望校のレベルを下げなかった進にとって、ラストスパートをかけることは重要なことだと感じていた。


それが叶わなかった。うがい・手洗いの徹底、マスクの着用などそれなりに対策はしていたはずだった。


それでも罹かってしまった。



悔しかった


悲しかった



やりきれない思いで一杯だった。




受験には全力を尽くした。


しかし、満足はしなかった。否、できなかった。


滑り止めで受けていた、私立には合格していたことがせめてもの救いだった。





合格を知ったことで気持ちに余裕が生まれた進は周りを見渡してみた。



進と同じように自分の合格を知りうれしさで泣いているもの


掲示板に自分の受験番号が無いことを理解し俯き、カス高から去っていくもの



様々な人がいた。様々な様子が窺えた。


大学のときの比ではないのだろうとは思ったが、この光景はさながら“天国と地獄”だ。



だが、進はうれしさで泣くこともなく、ただそこに立っていた。立ちつくしていた。


心は安堵で満たされていた。しかし、手や足は進の体の一部ではないかのように、進の意思に反して小刻みに震えていた。


緊張から解放されたからなのかもしれない。


いずれにせよ、その震えは一向に止まる気配がない。


本当に自分の体ではないように感じられた。


合格者には、入学手続きや点数の開示などいろんなやることがある。


進はその前にこの震えをどうにかしようと考え、掲示板から10メートルほど離れた場所にあったベンチに座ることにした。


ベンチと言っても、2メートルほどの横倒しにされた丸太の両端に適度な高さの足が付けられただけという、実に簡素なものだ。


幸いそのベンチには誰も座っていなかった。否、ベンチ周辺にも誰もいなかった。


一瞬不思議に思った進だったがすぐに考えるのを止めて、震える足をどうにかこうにか動かしてベンチへと向かった。





座り始めてから数分が経って、このベンチに背もたれがないことにちょっと不満を抱いていた進の隣に誰かが座った。と言っても、進が座っていた逆側の端に座ったので2人の間には距離があり、“隣”という表現は適していないのかもしれない。


それは女の子だった。


しとやかな黒髪のロングヘアーをポニーテールにしていて、横顔だけでも、彼女が今まで出会ったことのないようなかわいい女の子ということがわかった。


服装が、カス高のブレザーではなく幼さの残ったセーラー服ということからして、彼女が自分と同じ受験生だということには気付いた。


だが、このあたりの中学校はほとんどが同じようなセーラー服(男は学ラン)のため、どこの学校なのかまではわからなかった。





しばらくして、やっと震えも落ち着いてきた。


さっさと合格手続きを済ませて両親を安心させてやろう、そう思った進は立ち上がった。否、立ち上がろうとした。


その行動は遮られたのだ、隣の女の子によって。


具体的にいえば、女の子からの小さな嗚咽が聞こえて気になったのだ。

どうでしたでしょうか?


さてこの作品、実は作者の「これからの生活がこんなふうだったらいいな」という思いが込められています。

本当は6月くらいにでも投稿したかったのですが、もう12月。そして1年の終わりがもうまもなくになってしまいました。

なので、今までの生活で現実を知ってしまった作者。

この作品は作者の妄想作品に為り下がってしまいました。

それでもみなさんに楽しんでいただけたら幸いです。


新シリーズ第二弾投稿・「空、輝くとともに」第二話更新、どちらも今回から間が空くことになると思いますが、ご了承ください。


「マサ男が好き!?」こちらのほうもよろしくおねがいします。


今回は、このへんでキーボードから手をひかせていただきます。

それでは、第一話を読んでくださった皆様への無上の感謝を、次回まで。


(感想・アドバイスお待ちしています。そして、「空、輝くとともに」の略称、今のところ「空とも」ですが、他に何かいいアイディアがございましたら、感想などと一緒にコメントしていただけると幸いです)

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