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新たな武器

 リーネがこっちの世界に来てから二十六日目。俺の夏休みが終わった。


 始業式をして、リーネの協力でなんとか終わらせた課題を提出して帰宅。

 リーネはバイトを探し始めたようだ。流石にまだ接客などは難しいので、給料が安くとも簡単な作業系のバイトを探しているらしい。


「バイト探すの難しいねー」


 俺が家に帰ったら、リーネから報告してもらった。


 街まで行って、求人広告などを元にリーネにもできるバイトを探したらしいのだけど、残念ながら今日はよさそうなバイトはなかったらしい。

 夏休み終わりということもあってか、バイト求人が少なかったらしい。夏休み中に短期バイトをする人は多いが、夏休みが終わってから短期バイトする人は中々いないからな。


「どんなバイトがあったんだ?」

「カフェとかスーパーとか、そういうとこー」

「確かに難しいか…でも、雑用系ならいいんじゃないか?」

「レジだってー」


 今のところ企業が欲しい人材というのは雑用よりも接客らしい。最近は技術発展の影響で、書類仕事などは段々と人の手がいらなくなり、接客などの機械に任せられない部分に人が欲しいようだ。

 セルフレジとかあると思うんだが、まあ、セルフレジ分からんって人も多いからな。


 バイトをしたいとはいえ、仕事が見つからないのであればリーネは何もできない。悩んでいるリーネに、俺は一つアドバイスを送る。


「もしかしたら街よりもこっちの町の方がリーネに合う仕事が多いかもしれないな」

「どういうこと?」


 俺のアドバイスにコテンと首をかしげるリーネ。いまいちピンと来ていないらしい。


「あっちは人が多いから、どうしても人と話さないといけない仕事が多いだろ?でも、こっちなら人口はあっちほどじゃないから、人と話さずにできるような仕事も多いじゃないかなって」


 まあ俺はバイトをしたことがないので、実態というのは分からないが、接客業とかはないはずだ。交通量調査みたいな、人と触れ合わない仕事はこっちの方が多いだろう。


 それに、リーネは見た目こそ華奢だが、魔王の娘なので結構力持ちだ。最悪建築業みたいな仕事だって、リーネにならできる。まあ、見た目で面接段階で落とされる可能性の方が高いけど。


「なるほどー。じゃあ、明日はここらへんを散歩するのがいいのかな」

「もしくは、ネットで探すのもありか…?」

「ネット…?」


 リーネはスマホを持っておらず、娯楽は専らテレビやボードゲームの類だ。インターネットに触れさせたことは…多分ないはず。

 俺はスマホを取り出して、検索エンジンを起動した画面をリーネに見せる。


「これで調べられるんだ」

「ほえぇ」


 まだよくわかっていないみたいなので、実際に『近所 バイト』で調べてみる。位置情報はONになっているので、しっかりとこの市で出来るバイト一覧のようなページが出てきた。

 その中には、清掃や商品陳列のような簡単なバイトも載っている。俺がバイトをしていないので知らなかったが、意外と単発バイトとかも多いんだな。


 この中でリーネにもできるのは…やはり清掃だろうか。商品陳列やラベル貼りは、万が一リーネに読めない言葉があったときに、仕事が滞ってしまう可能性がある。

 対して、清掃であれば難しい漢字を読む必要はないはずなので、リーネにもできるはずだ。


「リーネ、清掃業があるぞ」

「清掃?」

「街の方の仕事だけど、雑居ビルの清掃だってよ」


 ただ、掃除未経験者では流石に難しいだろう。なので…


「リーネ、掃除の練習して、これに応募しようか」

「はーい!」


 リーネがいつ帰るかは分からないので、長期バイトは向かないと思っていたけれど、こうして単発バイトがあるのであればそれでいい。


 俺は学校があるので、バイト中のリーネの姿を見ることはできないけれど、ちゃんと働けるだろうか。


「リーネ、簡単なことでも、決して魔法は使うなよ」

「分かってるよー」

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