近衛胡桃という新キャラァ~
簡単な教室のガイア達の机の配置。
教卓
・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ □ □ ねねちゃんと萌香。
・ ・ ・ ・ ・ ・
霧崎 □□胡桃 ・ ・ ・
ガイア□□友也 ・ ・ ・
私の名前は近衛胡桃です。
この百合丘学園に入学して早一か月が経ちました。ようやく新しい環境にも慣れてきました。
最近の悩みはこの長いまきっ毛のせいで朝の支度が大変な事と、深いお付き合いの出来るお友達がいないという事でしょうか。
挨拶や一言二言の会話はクラスの皆様としますが特定のぐるーぷ? で話に花を咲かせる事などあまりしたことがありません。
今の様な朝のホームルーム前の時間も少々持て余してしまいます。
私の近くのぐるーぷの三人はいつも賑やかで仲がよさそうです。内容はわからない事が多いですが最近はこの三人の会話にひっそりと耳を澄ませてしまいます。
今日は一体どのようなお話をされているのでしょうか?
「おはようガイア。スマホで何のゲームしてるの?」
田中君にそう話しかけているのは大友君です。田中君と大友君はクラスで唯一の男子という事もあり仲が良さそうです。
「お馬さん育成ゲームだよダービーでスタリオンだよ。そこだっ! いっけー! メスガキわからせ丸!」
「馬にとんでもない名前つけんな」
「へぶぁッ!?」
「ガッ……ガイアッ!!」
今のは田中君を殴った……のでしょうか? 早くてよくわかりませんでした。ともかく何かしたのが霧崎サキさんです。暴力はいけない事なのできっと殴ったフリだと思います。
「何をするんだサキ。このメスガキわからせ丸はディープインポテンツの血統を引く神個体なんだぞ。後半からの差し込みと持久力が凄いんだ」
「もっかい殴られたい?」
「はい、すみませんでした」
三人とも本当に仲が良さそうで羨ましい限りです。
「そういえばアンタ昨日本当の百合を~とか息巻いてたけどどうだったの?」
「ふっ、まあ見てみろよ」
田中君が親指で指した先にいるのは、花園さんと倉入さんでしょうか。他にもクラスメイトがいますが、確か昨日このお二人について三人で何か話していたような気がします。
私も目線だけでその二人を見てみます。
「萌香ちゃ~ん。おはよう。今日も可愛いね」
「ねねちゃんおはよ。うーんちょっと距離近いかな。抱き着かないでね」
「あ……ごめんね? でも、はぁ、いい匂い。朝シャワー浴びたのかな……」
「嗅 が な い で」
「ひぅ~~」
「あはは、萌香と倉入さん仲良いじゃん」
「だねーいつのまに?」
周りのクラスメイトも囃し立てるほどの仲良しさんです。
心なしかお二人の雰囲気が変わったような気がします。
倉入さんは少し積極的に、花園さんはくだけた感じで以前にも増して話しかけやすい雰囲気です。
「確かにガイアの言う通り昨日と違うね」
「だろ?」
「ホント、アンタどうやったの? でも、ああヤバ。やっぱ絡みがあるっていいわぁコレ。精神的接触も尊いけど肉体的接触も直接的な尊さだわ。やわらかそう。一生見てられる。お花とお花がくっ付いて百合園完成っしょ。スクショで保存したい。むしろ撮る? 静音カメラアプリはっと……」
「こっわ。やっぱコイツ精神異常者だろ。机離しとこ……」
「ガッ……ガイアッ!」
霧崎さんのおっしゃっている事はよく分かりませんが仲良くなるのは素晴らしい事だと思います。
私も仲の良いお友達が欲しくなってしまいます。
そんな事を考えていたらチャイムが鳴り先生が教室に入ってきました。
ホームルームの始まりです。
「え~放課後に詳しい話をしますが、来週の社会科見学の為に四人グループを作ってもらいます。休み時間中に話し合っておくように」
グループ作り。先生は今そうおっしゃったでしょうか?
まあ大変。どうしましょう?
近衛胡桃:イイとこのご令嬢。少し世間に疎い