転生したら滝でした。
『熱い...熱いよ..タスケ..て』
『タス..ケ.テ...くだァ..サイ』
自分の背中の焼けるような激痛を感じた。無意識に背中に手を伸ばしていた。なんだこれは?自分の背中に何かわからないものが生えている気がした。自分に残されている力でその自分の背中に生えているような物を、まるで握手するかのように握ってみた。自分でも自分の力弱さが笑えてくる。でも、背中に生えているような物で血がでるぐらいは力は残っているようだった。
『これ、包丁じゃねェーか..』
包丁とわかった瞬間、絶望という暗闇に意識ごと落ちていった。意識がなくなる寸前、隣に立ってるばあちゃんが
『世の中、物騒になったね〜〜ェ』
と言ったのを聞いて、ホントだよと思ったの憶えている。
次に目が覚めると、そこは今の俺にとって希望の場所と言えるだろう。そう、病院だった。うっすら見える白衣の人々。目があんまり見えないせいか研ぎ澄まされる聴覚。ピクリとも動かない体。感覚でわかる一歩手前の死。本日二回目の暗闇落ちていった。意識がなくなる前、こう思った気がする。
『沙織とデートしたかったな〜』
何時間たったのだろうか...今は暗闇に落ちているというか横に漂流している感じだ。いや、自分自身が波という感じだ。ていうか、ちょっと冷静になって考えてみれば...
『ここどこ?!』