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プロローグ

「おい、もういいだろ。お前の思うようになったんだからそっとしておいてやれよ」


 黄色い髪をした妖精の言葉に、青い髪をした妖精は首を傾げる。


「どうかしら。確かに揉めたけど、ちょっと拍子抜けなのよね」


 自分が入れ替えた貴族の赤ちゃんと庶民の赤ちゃんが、14年の月日を経て、間違いだったことに気付かせたまでは成功だった。でもと青い髪の妖精は思う。想像していた修羅場にはならなかった。それでかなんだかモヤモヤするのだ。


「拍子抜けって、どんなこと想像してたんだよ」


「うーん、やっぱりあなたがいけないのよ。クリューとか呼ばれて、何をしているの? 初めは人間の女に騙されてるのかと思ってたけど、アンナって娘はそんなことできる子じゃなさそうだし。もう! とにかく私の邪魔だけはしないでよね」


「おいおい、まだ何かすりつもりなのか?」


「何よ。心配なの? クリュー?」


 クリューと呼ぶと嫌そうな顔になったけど、それについては何も言わない。


「そんなんじゃないさ」


 誤魔化すよに首を振っているけど、青い髪をした妖精には通じない。


「うそね」

「なんでだよ」

「私を騙そうとしても無駄よ。あなたのことは昔から知ってるんだから。誤魔化しているようだけど、甘いものに目がないことだってお見通しよ」


 嫌そうな眼をして睨んでくる黄色い髪をした妖精に、


「当分はこの街にいるって決めたから。だって面白くなりそうなんだもの」


とにっこり笑って青い妖精はその場から消えた。

 残された黄色い髪の妖精は深いため息をつくと、青い髪の妖精と同じようにその場から消えた。

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