第2話 得体の知れない恐怖
開いていただきありがとうございます。是非、最後まで読んで感想を聞かせてください。
俺の名前は浅葱 廻斗。今年から、下羽高校に通う高校1年生だ。
自慢では、ないがサッカーが得意だ。中学の時は北中のサッカー部のキャプテンとして仲間達と共に勝ち上がり関東三位にまで上り詰めた。
千葉県内では負け無しとまで言われた俺たちだが一度だけ公式戦で敗れた所がある。それが、今目の前で小首を傾げている水倉君と隣で何かを探るように、こちらを真剣な眼差しで見ている大柴君、正反対に見える2人が率いる東中サッカー部。彼らに地区大会の1日目の予選の最後の試合で敗れたのだ。
あの日のことは、その場にいた者は一生忘れないと思う。あの日の出来事がたまに悪夢のように出て来る。
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その日の最後の試合だった…。
明日に備えてほとんどのチームは既に帰っていた。1日目の予選は、1グループにつき4チームの総当たり戦で、上位2チームが決勝トーナメント進出及び上の大会への出場権を得られるというものだ。もちろん俺たちは、2勝していた。
相手は東中、3年生4人、2年生5人、1年生5人、規模のあまり大きくない学校によくあるパターンだ。戦績も0勝1分1負だ。もう、決勝トーナメントに進出するチームは決まっていた。つまり、消化試合みたいなものだ。
監督も明日のトーナメントに備えて前線を所々サブの選手に変えていた。サブといってもみんな上手だ。
俺が監督でも同じことをしていたと思うし、この判断を間違つているとも思わなかった。そう、この時までは…。
格下相手、しかも人も少なくなっていた。この時、みんなのモチベーションはあまり高くなかったが、何とかなると思っていた。
試合が始まると東中は、全員が自陣で守備だけしていた。奪ったらすぐに人の少ない場所へ、クリアをする。絶対にリスクは、負わない。マークの声かけや競合いなど守備だけを徹底していた。
チームワークというより洗練された軍隊と例える方が合ってる気がする程恐ろしかった。
ずっと攻め続けているが全く点が入ら無い。少ないチャンスでシュートを打ってもゴールキーパーの大柴君にしっかりセーブされる…。かといって無理に攻めても人が密集し過ぎているから。すぐに奪われてクリアされる…。
CBの俺は、後ろから指示を出すだけで何も出来なかった。時間だけが過ぎていきベンチの監督の苛立ちが大きくなり始めていた。
その時、ベンチではなく、応援席の方から怒声が響いてきた。
「こんなの中学生のサッカーじゃねぇ!」「守備ばっかしてないでちゃんと攻めろ!」「そうだ!そうだ!もっと正々堂々とプレーしろ!」
東中に対するブーイングがどんどん大きくなっていったが、彼等は何も気にすることなく、ただ自分の仕事を全うすることだけに集中していた。
その姿を見ているうちに自然とブーイングも収まっていった。それは、感心したからではなく、得体の知れない恐怖によるものだった。
そして、そのまま前半が終わっていた…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。誤字脱字があったら感想と一緒に教えて下さい。下手くそですが、頑張るのでアドバイスとかもお願いします。次回は、回想編パート2です。




