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3

いったん、仲間全員と集まった。


ここは店が多く、食事ができる店も5軒もあった。


それに出店もあり、いろいろと楽しめる。


女性達は地元の食材で作られる料理を求め、レストランを選んだ。


男2人は出店を回りたいと言った。


オレと孝一はあっさりした物が食べたくて、和風喫茶店に行くことにした。


「2人で食事するのも久し振りだな」


「そうだね。でも和城、こっちでよかったの? 本当は出店を回りたかったんじゃない?」


「出店は祭りとかで充分だ。それよりここの茶蕎麦、この間見ていたテレビで美味いって紹介されてたんだ。食ってみようぜ」


「はいはい」


オレ達は茶蕎麦と天ぷらのセットを頼んだ。


窓際に座ったので、外で出店を回っている二人の姿が見られた。


「…アイツらも楽しそうで良かった」


「えっ? …ああ、そうだね」


オレが見ている方向へ、孝一も視線を向けた。


「和城ってさ、結構気を使うよね」


「そうか?」


「うん。昔から僕に合わせてくれること多かったし」


「大勢と何かを合わせるのがキライだっただけだ。孝一は一歩ズレてたしな」


「それも子供時代の話だろう?」


「だな」


顔を赤らめて恥じる孝一を見ていると、子供時代に戻ったみたいだ。


コイツとは家が隣だったら、昔から一緒にいた。


それこそ空気みたいなもんで、近くにいないと落ち着かない。


グループになっても、孝一とはずっと一緒だった。


でもだからこそ、思うこともある。


「…なあ孝一」


「ん?」


「オレがグループを作ったこと、そしてお前を有無を言わせず引き入れたこと、恨んでいるか?」


「…はっ? また何をバカなことを唐突に言い出しているんだよ?」


「お前結構ハッキリ言うよな…」


オレは遠い目をして、親友を見た。


「いくら僕が気が弱くても、嫌なことは嫌だって言うよ。それにグループは楽しい。そこへ入れてくれたことを感謝こそすれ、何で恨むんだよ?」


「だってお前に一言も言わず、入れたしさ」


「入れたって言うより…。和城の回りに人が集まって、今のグループになったんだろう? だから僕は最初からいたんだよ」


「まあ、な」


「だから別に不愉快じゃないよ。みんな、良い人だしな」


…そう言うわりには、どこか苦笑じみている。


やっぱり利実のこと、か…。


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